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ARBの違いを代謝経路、インバースアゴニスト、尿酸低下作用、インスリン抵抗性改善作用などの複合要素から検討する

ojiyaku 0
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ARBの違いを代謝経路、インバースアゴニスト、尿酸低下作用、インスリン抵抗性改善作用などの複合要素から検討する

降圧剤はいろいろ種類があります。私が勤務している薬局での処方率が高い降圧剤はCa拮抗薬かARB、またはその合剤です。

降圧剤の特徴について代謝経路を調べてみたら効き目について何か患者さんへお伝えできることはないだろうか思い、調べてみました。発売されているすべてのCa拮抗剤は活性代謝物がなく、未変化体がグレープフルーツジュースでおなじみにCYP3A4で代謝されるため代謝経路に区別はありませんでした。

一方で、ARBは発売時期により代謝経路やインバースアゴニスト(臓器保護の観点から)に違いが見出されたので、各製剤の特徴について記載してみます。

インバースアゴニスト:AngⅡ受容体にくっつくだけでなく、AngⅠ受容体にもくっついて受容体の自立活性(持続的な独自の活性)を遮断することができる作用のこと。降圧作用に加えて各種臓器の保護作用と関係しており、ARBを選択する際に指標の一つと考えられています
ARBのインバーストアゴニストの違いについて

透析患者へのアジルバとオルメテックの降圧効果は同等

○胆汁を介して糞中に排泄される薬

~オルメテック~
・作用がピークに達するまでの時間が早い
・分子構造にカルボキシル基とヒドロキシル基を持つため活性が強い(ダブルチェーンドメイン)
・インバースアゴニスト作用が一番強い
・透析患者さんへの降圧作用は、スーパーARBと言われるアジルバとオルメテックで同等
・国内で一番使用されているARBはオルメテック20mg(2016年現在)
・ARBの中で、アルドステロンブレークスルー現象が一番生じにくい
・半減期10時間

~ミカルディス~
・半減期が一番長い(20~24時間)
・国内で2番目に使用されているARBはミカルディス40mg(2016年現在)
・半減期が長いため、アムロジピン(半減期35時間)との相性がよく、ミカムロ配合錠の使用量が多い
・半減期が長いため、早朝高血圧治療に有効
・インバーストアゴニスト作用は下から2番目(弱い)
・PPAR-γ活性作用があるためインスリン抵抗性改善薬としての効果についての報告があがっている
糖尿病患者さんに用いられるARBの検討

早朝高血圧治療に有効なミカルディス
~ニューロタン~
・半減期が4~5時間;(活性代謝物の半減期)
・トロンボキサンA2受容体抑制作用(抗血小板作用)が報告されている
・尿酸排泄促進作用が報告されている。(UA7以上の患者さんで平均07ほど下げる。用量依存的)
・インバースとアゴニスト作用は最下位
・腎臓での濃度が高いため腎保護および尿酸排泄(輸出細動薬の拡張作用)が期待されている

○10%がCYP2A9で代謝、残りの90%は胆汁を介して糞中に排泄される薬

~ブロプレス~
・降圧効果の持続性(T/P値)がニューロタンやディオバンを上回っている(安定して効果を発揮する)
・分子構造に「アンカードメイン」と呼ばれるAT受容体と良くくっつく部分があるため結合時間がまずまず
・インバーストアゴニスト作用は中間
・最大服用量による降圧作用は
ブロプレス12mg:-17.5mmHg
アジルバ40mg:-21.8mmHg
とアジルバの方が強い
・半減期:10時間

~ディオバン~
・1番値段が安い。
・半減期が4時間と短い
・インバースアゴニスト作用は上から2番目
・論文問題で批判のマトになった
・AT1受容体への選択制が一番高い(親和性ではなく、選択制)

○CYP2C9による代謝が50%、胆汁排泄を介した糞中排泄が50%

・イルベタン
・ニューロタン同様尿酸排泄促進作用がある
・腎臓での濃度が高く腎保護作用と尿酸排泄促進作用(輸出細動脈の拡張作用)にすぐれている
・インバーストアゴニスト作用はニューロタンを、はるかにしのぐ値を示すものの、それ以外のARBとの比較データなし
・半減期13時間
・ミカルディスに次いでPPAR-γ活性作用があるためインスリン抵抗性改善薬としての効果が期待される
・「腎保護・尿酸排泄・インスリン抵抗性改善・半減期長め」と降圧剤+「α」の部分が大きなARBというイメージ
ARB比較一覧表


アジルバとブロプレスの降圧作用の違いについて
○CYP2C9で代謝される
~アジルバ~
・ブロプレスの4倍のインバーストアゴニスト作用をもつ
・ブロプレスのテトラゾール基をオキサジアゾール其に置き換えた構造をしている
・ブロプレス12mgの降圧作用よりアジルバ40mgの降圧効果の方が大きい
・イルベタン同様に尿酸低下作用・PPARγ刺激作用を有し、ミカルディス同様にインスリン抵抗性改善作用を有する
・半減期13時間

降圧作用の強弱ではなく代謝排泄および臓器保護の観点でまとめます。
ARBは胆汁を介して糞中に排泄する薬が多いです。体質や食事内容(肉食、脂質摂取が多い)により胆汁排泄量が多い患者さんの場合、ARBの代謝も上がる可能性が示唆されます。

なかなか血圧が下がらずARBの変更を考慮する場合は、イルベタン(CYP2C9で50%排泄)やアジルバ(CYP2C9代謝)へ変更することは代謝排泄から考えると有用な変更だと感じます。

また、ARBの選択理由として降圧効果だけでなく、インバーストアゴニスト作用、尿酸低下作用、PPARγ刺激作用、インスリン抵抗性改善作用など要素を複合的に考慮できればいいなぁと感じます。

 

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