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母乳育児における抗精神病薬(セロクエル・リスパダール・エビリファイ・ジプレキサ)の使用報告

ojiyaku 0
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母乳育児における抗精神病薬(セロクエル・リスパダール・エビリファイ・ジプレキサ)の使用報告

 

母乳育児における抗精神病薬の使用報告としてセロクエル(クエチアピン)、エビリファイ(アリピプラゾール)、リスパダール(リスペリドン)、ジプレキサ(オランザピン)に関する報告例をまとめてみました。

 

セロクエル(クエチアピン)

母親がセロクエルを服用した場合、1~2時間後に授乳中のセロクエル濃度が一番高くなり、その後7~8時間後に授乳中のセロクエル濃度は半減します。

 

セロクエルを服用後1~2時間後の授乳中のセロクエル濃度は以下の報告があります。

毎日75mg以下のセロクエルを服用した場合、授乳中からセロクエルを検出することができなかった(11.5μg/L以下)。

毎日100mgを服用した場合、授乳中から12.3μg/Lのセロクエルを検出。

毎日200mgを服用した場合、授乳中から62μg/Lのセロクエルを検出

毎日400mgを服用した場合、授乳中から101~170μg/Lのセロクエルを検出。

ロキソニン錠の授乳婦への影響について

乳児が摂取するセロクエルの量は母親が1日に摂取する量の1000分の1~200分の1程度という報告を多く見かけました。

 

乳児への影響について

・妊娠中に毎日セロクエル25mgを服用し、授乳中に毎日50mgを服用した。8週齢時点で乳児の副作用報告はありません。

 

・母親が毎日200mgを服用した。乳児は4.5か月時点で良好に育っており、副作用は報告されておりません。

 

・母親が産後からセロクエルを25mgで6週間服用し、その後次の6週間は200mg、次の4週間は毎日300mgを服用した報告では、乳児の成長・運動・心理的発達に影響を及ぼすことはありませんでした。

 

授乳婦とセロクエルまとめ

母親が毎日400mgセロクエル(クエチアピン)を摂取したという報告がなされており、服用後1~2時間後に授乳中の濃度が高くなります。気になるようならこの時間帯が授乳タイムにならないような配慮をすることが有用かもしれません。乳児は母親が摂取した1000分の1程度のセロクエルを摂取する換算となりますが、乳児の成長・運動・心理的発達について影響を及ぼしたという報告はなされおりません。

授乳婦とモーラステープについて

エビリファイ(アリピプラゾール)

母親がエビリファイ錠を服用すると血中のプロラクチンというホルモンが低下することで、母乳量が低下することが報告されています。(母親が毎日エビリファイ15mgを服用して乳量低下の報告あり)他剤への変更が推奨されます。

毎日15mgを服用した場合、授乳中から13~14μg/Lのエビリファイを検出

毎日18mgを服用した場合、授乳中から38.7μg/Lのエビリファイを検出

毎日不明mgを服用した場合、授乳中から52.6μg/Lのエビリファイを検出

 

母親が毎日18mgを服用した場合、乳児の血中濃度から7.6㎍/Lのエビリファイが検出

 

5kgの乳児が授乳により毎日47㎍のエビリファイを摂取した報告があります。

乳児への影響

・母親がエビリファイを毎日15mg服用した。生後3か月時点で乳児への副作用はありません

 

授乳婦とエビリファイまとめ

授乳婦がエビリファイを服用すると血液中のプロラクチンというホルモンの値が低くなる傾向にあります。(高用量のエビリファイを服用すると81%の方が低プロラクチン血症を有する可能性があります)。プロラクチンの値が低下すると母乳量が低下することが報告されているので母乳育児が難しくなる可能性があります。

尚、エビリファイ以外の抗精神薬による低プロラクチン血症の副作用頻度はわずか2.9%程度ですので、エビリファイから他剤へ変更することは母乳育児の観点からは有用に感じます。

ロキソニン錠の授乳婦への影響について

リスパダール(リスペリドン)

リスパダールおよびその活性代謝物は母乳中への移行率が高いという特徴があるため、授乳婦に対しては他剤を使用することが推奨されています。

 

母親が毎日6mgのリスパダールを服用した場合、母乳中にはリスパダール2.5μg/Lおよびその活性代謝物10μg/Lが検出されています。乳幼児が摂取するリスパダールおよびその活性代謝物の量は母体の体重換算で2.2〜4.7%という量を摂取した計算になります。

 

母親が毎日1mgのリスパダールを摂取すると、乳児の血中からリスパダールの活性代謝物が0.1μg/L検出されるという報告があります。

 

乳児への影響

授乳婦がリスパダールを毎日4mg服用した。生後9ヶ月までの時点で乳児の発達異常に関する報告はありません

 

授乳婦がリスパダールを毎日6mg服用した。生後12ヶ月までの時点で乳児の発達異常に関する報告はありません

授乳婦とリスパダールまとめ

リスパダールは母乳中の移行率が高く、母体中で活性代謝物(効き目が長い成分)に変化した状態を乳児が摂取することになります。そのため乳児の血中からも活性代謝物が検出された報告がなされています。リスパダールに関しては授乳婦が長期間服用したという報告例が少ないため、授乳婦が服用する抗精神薬としては第二選択肢以降の候補になるケースが多いです。

 

ジプレキサ(オランザピン)

ジプレキサは授乳中への移行率が非常に低い製剤であるため、海外の報告では母親が1日最高20mgまで服用しても大丈夫と記してあるものもあります。母親がジプレキサを飲んでいる状態で母乳育児が行われた症例もたくさんあり、長期間の授乳保育でも乳児は正常に発達していることが報告されています。そのため、抗精神病役として母乳育児を行う母親に対して使用される抗精神病薬の中で、ジプレキサ錠は第一選択薬と位置づけている報告を多く見かけました。

 

毎日2.5mgを服用した場合、授乳中から1〜8μg/Lのエビリファイを検出

毎日10mgを服用した場合、授乳中から16〜21μg/Lのエビリファイを検出

小児が摂取するジプレキサの量は母体の体重換算で0.5〜2%程度です。

 

乳児への影響

授乳婦がジプレキサを毎日5mg服用した。生後6ヶ月までの時点で乳児の発達異常に関する報告はありません。

 

授乳婦がジプレキサを毎日10〜15mg服用した。生後5ヶ月までの時点で乳児の発達異常に関する報告なし。運動機能や黄疸といった副作用もなく幼児は通常どおりの体重増加をしめしております。

 

授乳婦とジプレキサのまとめ

母乳育児とジプレキサで調べてみると、非常に症例報告が多い印象をうけました。

ジプレキサの症例報告数>リスパダール + セロクエル + エビリファイの症例報告数

といっても過言ではないほど授乳婦に対するジプレキサの臨床報告は多数あがっています。ジプレキサ錠の用量によっては乳児の眠気・倦怠感・震え・不眠といった副作用(15%程度)も報告例があがっています。副作用報告が多いうのも、使用例が多い証拠だと私は思います。

授乳婦がジプレキサ錠を使用する際には乳児に眠気やだるさといった症状がでるかもしれないといった事前の注意喚起を行うことも有用かと思います。

ロキソニン錠の授乳婦への影響について

 

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