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メトルグコとアルコールの多飲について

ojiyaku 4
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メトルグコとアルコールの多飲について

肝機能や腎機能が正常である患者さんであれば、メトグルコを服用することによる乳酸アシドーシスの副作用は生じにくいと言われていますが、特定の条件がそろうと一過性の乳酸アシドーシスが生じるケースがあります。それが過度のアルコール摂取者です。今回は体内(特に肝臓)での乳酸とアルコールとの関係について調べてみたいと思います。

ジャディアンス錠による腎機能悪化抑制データ

メトホルミン内服中に多量飲酒により乳酸アシドーシスを発症した症例

体内で産生された乳酸は、通常ピルビン酸を経てグルコースとなるか、クエン酸サイクルの基質となります。しかしメトグルコを服用している患者さんではピルビン酸からグルコースへの反応を阻害することで血糖降下作用を示します。体内で産生された乳酸は、その1/3が腎臓で、2/3が肝臓で代謝すると言われています。

一方でアルコールはアセトアルデヒドを経て酢酸とアセチルCoAへと酸化され、代謝されます。これらの酸化過程においてNAD+が消費され、NADHが産生されます。このNAD+→NADHへの還元反応は乳酸→ピルビン酸への酸化反応やクエン酸サイクルにも関わっており、NADHの蓄積がこれら乳酸からピルビン酸への反応やクエン酸サイクルを抑制するように働きます。

体内で産生された乳酸について上記2つの条件を満たす患者さんについてまとめますと、乳酸→ピルビン酸→グルコースという経路はメトグルコを服用することにより絶たれます。

つぎに、アルコールを多量に摂取することで体内のNADHの蓄積が進み、乳酸からピルビン酸への酸化反応が抑制され、ミトコンドリアで行われるクエン酸サイクルの回転もNADHの増加により抑えられてしまいます。その結果、乳酸の行き場がなくなり血中の乳酸値が急激に上昇します。

実際の症例は少ないですが、普段は1日焼酎2合ほどの飲酒をしているメトグルコ服用患者さんが年末の忘年会シーズンに4日間で焼酎2升(1日飲酒量換算:焼酎0.5升またはウイスキーダブル15杯またはビール大瓶15本または日本酒15合またはグラスワイン30杯:この量を4日連続)という飲酒量まで増量した結果、乳酸アシドーシスになり多呼吸、嘔吐、吐血の自覚症状で病院を受診し血液透析により乳酸を除去したという症例があります。
ジャディアンス錠による腎機能悪化抑制データ

メトホルミン内服中に多量飲酒により乳酸アシドーシスを発症した症例
内科の門前の調剤薬局にて勤務していると高用量のメトグルコを服用している患者さんは多数います。同様のケースを未然に防ぐためにも、定期的な飲酒量の確認や忘年会シーズンの飲み過ぎには注意喚起を行う必要があると感じました。

 

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