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ウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)が尿酸排泄を促進させる具体的効果について

ojiyaku 0
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ウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)が尿酸排泄を促進させる具体的効果について

患者さんにお薬をお渡しするときに、残薬(家に残っている薬)を確認するのですが、残薬となりうる薬には同じような傾向があります。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

クエン酸塩を服用することによる尿pHの変化

・飲む回数が多い(1日3回飲まなければならない)
・1度に飲む量が多い(1回2錠、1回3錠)
・錠剤が大きくて飲みにくい
・効果が実感できない
など
ほかにもさまざまな要因があるかとは思いますが、病院に通って治療成果を上げるためには、とにかく飲み忘れを防止する必要があります。上記飲み忘れ要素を満たしている薬の中から今回は「ウラリット錠」について調べてみました

「尿をアルカリ性にすることで尿酸排泄を促します」という説明をしただけで、1日に3回も比較的大きな錠剤を1回に2~3錠飲むというのは、非常に過酷作業であり、服用という作業が治療の妨げになりかねません。

そこで今回は「ウラリット錠」を飲むと、どれほど尿酸排泄に貢献できるかについて検討してみました

~1Lの尿に溶かすことができる尿酸の量~
1Lの尿に溶かすことができる尿酸の量は尿の酸性度合いにより異なります。酸性度合いを示す指標はpH(数字が低いほど酸性度合いが高い)を用います。各pHでの尿酸が溶ける量は
pH5:80mg〜150mg
pH6:220mg〜300mg
pH7:1580mg〜2000mg
となります。pHが上昇(アルカリ性になる)するにつれて指数関数的に尿酸の溶ける量が増えていることがわかります。

 

~血液検査での尿酸値~
血液検査での尿酸値の値は「7.0」、「8.2」などと表現されます。この単位はmg/dlです。
一般的な指標としては
正常値:7mg/dl→70mg/L→1Lの水に70mgの尿酸が溶けている量
治療開始基準:8mg/dl→80mg/L→1Lの水に80mgの尿酸が溶けている量
となります。1Lの尿に溶けることができる尿酸の量と比較するとpH5(尿酸溶解量:80mg)という部分がある程度の治療ラインになるように思えます。

では次に尿酸の性質について調べてみます。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

クエン酸塩を服用することによる尿pHの変化

~尿酸の解離定数(pKa)~
溶液中の尿酸は非解離性尿酸(水に溶けない尿酸)と解離性尿酸(水に溶ける尿酸)との間で平衡が保たれています。その解離定数は(pKa)は約5.5とされています。つまり尿pHが5.5よりも低く酸性になると尿酸が溶液に溶けにくくなり、尿酸結石を作りやすくなります。一方で尿pHが5.5よりも高くアルカリ性になると尿酸が指数関数的に溶液に溶けやすくなります。一度形成された尿酸結石もpHが高くなって、アルカリ性に傾けば容易に再度溶けることができます。

~尿のpHについて~
健常者の尿のpHは通常pH6前後(弱酸性)です。しかし食べ物や運動等の生活習慣によって大きく変動します(1日の中でも変動します)ので健常者でもpH4.5~8.0の間で動いています。一般的には動物性食品を摂取すると尿は酸性に傾き、植物性食品を摂取するとアルカリ性に傾きます。
高尿酸血症治療中の患者さんの尿pHは5.5前後です。

 

つまり、動物性食品をメインに摂取し、尿がpHが5.5前後となると尿中に溶けることができる尿酸の量がみるみる減っていきます。それにより尿中に溶け込む尿酸の量も低下するために体内に残る尿酸の量がふえてしまい尿酸値が上がってしまうというカラクリが見えてきます。高尿酸血症患者さんの尿pHが5.5前後ということですからpH6前後まで上昇させることができれば体質が改善する可能性が見えてきます。

臨床成績データではウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)3~8gを1日3回に分けて服用続けると尿pHが5.44±0.08から5.93±0.09まで上昇するというデータがあります。

pHの数値だけを言えば0.5前後上昇しただけに過ぎませんが、尿酸の溶ける量は2倍程度上昇します。つまり尿pH5.5から6にあがるということは、尿酸の溶解および排泄にとっては雲泥の差が生じると言っても過言ではないわけです。

ウラリット錠の薬としての剤形および特性には利点がありません。効き目が短いため1日3回に分けて飲まなければならず、また尿pHを0.5あげるためとはいえ3~8gという大量の薬(粉薬または大きな錠剤)を毎日飲まなければならないため、患者さんへの思いやりにかける薬に思えます。

しかし尿をアルカリ化させるというここまでの流れを患者さんにお伝えすることができればウラリット錠の服用意義を理解してもらえるのではないでしょうか。短く簡潔に要点を患者さんにお伝えすることで、高尿酸血症患者さんへのお手伝いができればと思います。

~クエン酸とウラリット(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)の違いについて~
果物のかんきつ類にはクエン酸がたくさん含まれています。クエン酸とウラリットの成分(クエン酸ナトリウム・クエン酸カリウム)は名前が似ていますが、クエン酸に尿をアルカリ化するはたらきはありません。クエン酸を飲んでも体内で酸化されて二酸化炭素となるだけです。尿をアルカリ性にするためにはクエン酸塩(クエン酸カリウムやクエン酸ナトリム)という構造が必要なのです。

フェブリク錠とトピロリック錠(ウリアデック錠)の違いについて

クエン酸塩を服用することによる尿pHの変化

むしろウラリットの代用を考えるのであれば重層(炭酸水素ナトリウム)の方が尿をアルカリ性にする効果が期待できます。しかしウラリットと同程度の効果を期待して重層を服用するとした場合、その服用量はウラリットの倍程度となるため、現実的な服用量ではないと思われます。

〜まとめ〜

体の中にある尿酸は尿に溶けて出て行きます。この薬を飲むと尿がアルカリ性になるため、今までよりも多くの尿酸を尿に溶かすことが可能となります。しかし服用後の効果時間が3〜4時間程度と短いという欠点があります。そのためウラリットを飲み忘れてしまうとその後の尿に含まれる尿酸の量が減ってしまいます。毎回の尿にしっかりと尿酸を溶かして排泄する意識を持って1日3回ウラリットを服用しましょう。




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