GE
厚生労働省は8月15日に新規後発医薬品の承認を行いました。
通例であれば、8月に新規GEが承認されて12月最初の金曜日に発売となることが多いのですが、今回承認された医薬品に関しては、すんなり発売となるかどうかは、予測ができません。
注目の新規GEについて、わかる範囲で記載したあと、ページの最後にエクセルファイルを添付いたしますので必要な方はダウンロードしてください。
ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物(フォシーガのGE)
フォシーガのGEが承認されたメーカは、ニプロ、沢井、武田テバファーマの3社です。そのうちニプロがAGを取得しています。
一方で、沢井と武田テバファーマが承認された医薬品はダパグリフロジンプロピレングリコール水和物ではなくダパグリフロジンとしています。
いわゆる「水和物:ある/なし」問題ですね。
「水和物:ある/なし」問題に関しては、DPP4阻害薬のジャヌビア錠のGEを沢井が発売しようとした際に、「水和物なし」を承認したところ特許侵害として訴えられた事例が記憶に新しいところです。(2025年8月時点でジャヌビア錠のGEは発売されていません)
ジャヌビア錠/グラクティブ錠の一般名が「シタグリプチンリン酸塩水和物」であるのに対して、2023年12月に沢井から発売されるとされていたジェネリック医薬品は「シタグリプチンリン酸塩」であり、”水和物”がついていません。
ジャヌビア錠を製造販売するMSDは沢井製薬とサワイグループHDのグループ会社「メディサ新薬」に対して、DPP-4阻害薬シタグリプチンの特許権を侵害したとして、特許侵害訴訟および仮処分申請を東京地裁に行いました。(2023年10月の話)
ご興味がある方は以下のページをご覧ください。
ということで、フォシーガの「水和物なし」を承認取得した沢井と武田テバファーマが発売するかどうかは不明です。発売するとなるとAGを取得したニプロも発売するでしょうし、一方で特許侵害か何かで「水和物なし」が発売されないのであれば、ニプロからも発売されないことが示唆されます。
ニロチニブカプセル(タシグナカプセル100㎎/150㎎)
沢井が1社で取得しています。1社承認の場合、発売されるかは不明です。
ラコサミド(ビムパットドライシロップ/50㎎/100㎎)
ドライシロップは11社、50㎎/100㎎も11社が承認されました。これほどのGEメーカーが承認取得した場合は、これまでの経験上、100%発売されます。
イバンドロン酸錠100㎎「大正」(ボンビバ100㎎)
ドクホンが1社で取得しています。1社承認の場合、発売されるかは不明です。
あとは、後追いAG薬だと思われる製品として
イコサペント酸エチル粒状カプセル300/600/900㎎「モチダ」(持田製薬)(エパデールSのGE)
ラタチモ配合点眼液「VTRS」(ヴィアトリス・ヘルスケア):ザラカム配合点眼のGE
という感じでしょうか。
ともあれ、厚生労働省が開示したデータは「承認簿」であり、この承認簿が公開された後、各先発メーカーや後発メーカーがざわざわと動き出して、2025年12月の薬価収載につながるわけですね。
以下に2025年12月発売見込み?のGEリスト一覧をエクセルファイルに添付l致します。
ご希望の方は以下よりdownloadしてください。ブラウザはgoogle chromeを推奨いたします。
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