2018年11月28日に行われた自民党の「社会保障制度に関する特命委員会」の会合後、自民党の古川事務局長より“革新的新薬創出促進制度”においては既存の新薬創出加算を取得している該当品目数のうち4割が対象外であることが公開されました。
革新的新薬創出促進性度とは
・画期性加算・有用性加算のついた医薬品
・営業利益に補正された医薬品
・希少疾病用医薬品・開発公募品
・新規作用機序医薬品(基準に照らして革新性・有用性が認められるもの)
・類似作用機序の医薬品に関しては先に収載された品目発売から1年以内、3番手以内
さらに、企業要件として
・革新的新薬創出の実績・取り組み
・ドラッグ・ラグ解消の実績・取組み
(海外で使われている薬が日本で承認されて使えるまでの時間差を解消した実績・取組)
・世界に先駆けた新薬の開発
上記3項目をポイント化し、上位5%の製薬企業は薬価を維持できます。ポイントが最低点数だった企業は“薬価×0.8”、それ以外の上位5%に入らなかった企業の薬価は“薬価×0.9”というルールとなっております。
平成28年度における新薬創出加算について確認してみると
新薬創出加算の対象品目:823品目
企業数:90社
加算額:1060億円
控除額:360億円
ざっくりと試算しますと“新薬創出加算”から“革新的新薬創出等促進制度”へ移行にともない300~330品目程度の医薬品が加算対象外となり、企業数としては上位4~5社の薬価が維持、それ以外は80社以上が減額となる見通しです。
平成26年度の加算額が790億円だったのに対して、平成28年度の加算額が1060億円と大幅に増加しております。C型肝炎治療薬やオプジーボなどの画期的新薬の登場により新薬を使用する頻度が増えたことが、その背景にある気がします。
11月29日の中医協薬価専門部会において、製薬業界側が平成30年度薬価制度骨子案についての意見を述べる場が設けられていますが、革新的新薬創出促進制度に対する反論がでることは必至ではないでしょうか。