コロナ禍の現状で日常生活を送る中、外出先で手指消毒(アルコール消毒)をするケースが増えています。そこで今回は手指消毒を日常的に行うにあたっての安全性・注意点・リスクなどについて調べてみました。
消毒用アルコールの過剰使用による耐性化は起こりうるかについて調べてたところ、WHOのホームページには
「他の消毒薬や抗生物質とは異なり、消毒用アルコール使用によって耐性が生じたという報告はなされておらず、その可能性もない。実際、適切に使用することで抗生物質耐性菌が蔓延しにくい状況をつくることが可能です。」
と記されておりますので、消毒用アルコールを使い続けることで強い菌が生じる可能性はないと考えて良さそうです。
保湿剤入りの手指消毒薬を使用した場合、石鹸&水で手洗いした場合と比較して手荒れ・かさつきの頻度は低いことが報告されています。
消毒用エタノールに0.5~1.45%程度のグリセロールを加えると皮膚保護・軟化剤としての効果が上乗せされ皮膚の状態を良好に保つことができると報告されております。
(熱帯気候環境下では0.5%グリセロール入り消毒用エタノールが皮膚の状態を良好に保つようです)
グリセロールなしの消毒用エタノールと1.45%グリセロール入り消毒用エタノールの使用を比較した結果、使用者の自己評価としてグリセロールなし消毒用エタノールを最悪と評価しています。
「消毒用アルコールを〇回使用するたびに手を洗う必要がある」といったルールはありません。
(手を洗う必要があると感じた場合や、高温多湿の環境下であれば適宜手洗いを行うこと)
極端な例ですが、1日数十回も手を洗うと手の表面の油分が流れ落ち、手の乾燥・ひびわれの状態を呈します。その結果、ひびわれ部分から感染リスクが高まることになり本末転倒の結果を招く恐れもあります。
1日2回、10分間間隔で1時間消毒用アルコールまたは石鹸で皮膚を塗布した実験報告によると、5~11日目あたりで石鹸で皮膚を塗布した群の経表水分損失量・皮膚刺激が増加したという報告があります。
消毒用エタノールと石鹸の皮膚刺激性比較
就寝時は手を休める時間
就寝前にはハンドクリームをしっかりと塗って手の保湿・皮膚のケアを行うことが大切です。(ハンドクリーム塗布後に綿の手袋をはめることも有益です)
注意点
・消毒用エタノールの使用に際し、誤飲や火災には注意が必要です。