Categories: 停電在庫管理

停電時における薬局業務について

停電時における薬局業務について

 

先日、2日間ほど市内全域の停電を経験しました。自家発電を備えている会社や病院では電気が点灯していましたが、それ以外の建物からは明かりが消えました。今回は停電時における薬局業務について私が感じたことを記してみます。

 

停電によりパソコン・電話・分包機・粉の計量機・冷蔵庫などが使えなくなりました。私が勤務する薬局では電子薬歴を利用していましたので、患者様の服用歴を確認する方法は“お薬手帳”しかありませんでした。電子お薬手帳を持参される患者様がおりましたが、スマートフォンのバッテリーがなくなる前に紙に書き写しました。

停電時の調剤方法

・調剤室に窓がない店舗でしたので、懐中電灯をつけて調剤しました。

 

・お薬手帳がある場合は先発または後発医薬品の服用状況を確認しながら在庫している品目を選びました。お薬手帳がない場合は患者様の希望を確認して調剤しました。

 

・半錠の調剤は、錠剤を半分に割ってから、ジップロックのようなチャック付きの小さいビニール袋に錠剤を入れました。半分に割った錠剤を軟膏容器(10gくらい)に入れても良かったかなぁと思いました。

 

・小児の粉薬は調剤できませんでした。クラバモックス小児用配合ドライシロップの分包品のような商品であればドライシロップを水に溶かして液量で軽量することは可能かと思われます。または、錠剤を半錠または1/4錠にしてから粉砕・簡易懸濁するという方法であれば、調剤は可能かと思われました。

 

・冷所品の取り扱いについては、メーカーの学術に確認してから調剤しました。トルリシティなどはいったん常温になってしまうと使用できないそうです。

 

・薬袋・薬情は印刷できません。薬袋は氏名、用法(1日〇回、1回〇錠、〇日分)を手書きしました。

Excelとレセコンデータで調剤薬局の発注点を出力する

Blackout

停電時の発注について

私が所属している店舗の電話は“ひかり電話”でしたので電話を使用することはできませんでした。固定電話だったとしても電源を必要とする通常の電話(親機と子機があるタイプ)では電話をすることができず、昔ながらの“黒電話“であれば電話をすることができるという状況でした。(店舗の近くにある公衆電話が無料開放されました)

 

スマートフォン・携帯電話から医薬品卸へ電話をしたところ、「電話での薬の発注は可能」という回答を得ましたので、電話発注を行いました。スマートフォンの電波については、停電から12時間ほど経過した段階で携帯基地局からの電波が弱くなったようで4G・LTEの電波が1本~2本しかなく、つながりにくい状況となりました。電波は電気の復旧とともに回復しました。

 

郵送対応の良し悪し

 

停電当日、薬の在庫状況を勘案して14日処方であったとしても7日分だけその日にお渡しして、残りを郵送するという対応を取りました。停電翌日以降は医薬品卸からの納品が正常化しましたので、処方日数通りお渡ししました。その後、ゆうパックやクロネコヤマトといった宅急便が「受付停止」「再開未定」であったことがわかり、対応の難しさを知りました。

 

停電時の会計について

 

レセコンが立ち上がりませんでしたので、会計を行うことはできませんでした。店舗の機能が正常化した段階で患者様へ電話連絡を行い、会計方法を相談しました。

 

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業