スギ薬局「調剤ミス」を認めて遺族に4200万円を支払い和解(2024/11/23)
スギ薬局で調剤ミスが発生し、女性が死亡した事件で、遺族とスギ薬局が和解しました。
事件の概要:
東京都内の女性(当時74歳)が、スギ薬局で調剤された薬を服用後、意識不明となり死亡しました。
死亡原因は、薬剤師のミスで、処方されたはずのない糖尿病の薬による低血糖後脳症による心不全と判明してます。該当する糖尿病薬は「メトホルミン」と「グリメピリド」です。
遺族は、スギ薬局に対し、約3800万円の損害賠償を求める訴訟を提起していました。
和解の内容:
- スギ薬局側は、ミスを認め、遺族に謝罪。
- スギホールディングスの会長も、遺族に直接謝罪。
- 遺族の請求額を全額支払うことで合意。
病院職員の処方薬を服薬指導せずに配達していた「さいた薬局」が閉店(2024/11/6)
秋田県の私立横手病院のスタッフや家族の処方薬を適切な服薬指導をせずに、直接病院へ配達していた問題をうけて、クオール傘下の「さいた薬局」が2024年11月末で閉店
新日本薬品とサンライズメディカルが破産(2024/10/24)
新日本薬品株式会社とサンライズメディカル株式会社は、2024年9月27日に岐阜地裁より破産開始決定を受け、経営破綻にいたりました。負債総額は約8億5000万円に上ります。
破産に至った主な原因は、新日本薬品の代表者らが新型コロナウイルス検査キットの仕入価格を水増しし、大阪府から補助金をだまし取った事件が発覚したことによるものです。この事件を受けて、両社の事業継続が困難となり、最終的に破産に至りました。
新日本薬品は、ジェネリック薬品や新薬の販売、住宅型有料老人ホームの運営を行っていました。サンライズメディカルは、岐阜県内で調剤薬局を運営していましたが、新日本薬品の経営悪化に伴い、連鎖倒産となりました。
- 企業名: 新日本薬品、サンライズメディカル
- 破産日: 2024年9月27日
- 負債総額: 約8億5000万円
- 破産原因: 新型コロナウイルス検査キットの不正事件
- 事業内容: ジェネリック薬品販売、住宅型有料老人ホーム運営、調剤薬局運営
阪神調剤(I&H)が23億円を不正受給(2024/9/4)
阪神調剤薬局などを全国展開しているI&Hは、関連会社との間で架空の医薬品取引を行い、あたかも売り上げが多いように見せかけることで、消費税の還付額を不正に増やしていました。この不正行為は、札幌国税局が北海道内の関連会社で疑いを見つけ、全国規模で調査が行われた結果、発覚しました。
不正が行われた背景
消費税の還付制度として、 事業者は、仕入れた商品の税金と売った商品の税金の差額を納付・還付します。調剤薬局の特殊性なのですが、処方薬の販売は非課税で、企業などへの販売は課税となるんですよね。I&Hは、関連会社や取引先との間で、実態のない医薬品の売買を行い、架空取引で課税取引の割合を増やし、税務署から不正に還付を受けました。
I&Hは「指摘を受けた取引は、消費税の不正還付を意図していたわけではないが、 真摯 に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。
補足
- スギホールディングスの子会社化: I&Hは、今回の事件発覚後、スギホールディングスの傘下に入りました。スギホールディングスは、この買収によってI&Hの問題をどのように解決していくのか、今後の動向が注目されます。
- 業界全体の課題: 今回の事件は、調剤薬局業界全体が抱える課題を浮き彫りにしました。薬価の透明化や、薬局間の競争の激化など、業界を取り巻く環境は変化しており、各社は適正な経営が求められます。
アインファーマシーズの敷地内薬局問題で初公判(2023/11/14)
KKR札幌医療センターの敷地内に薬局を不正受注した問題で、札幌医療センター元事務部長の藤井氏、アインファーマシーズ社長の酒井氏、同取締役の新山氏の初公判が行われました。
3人は起訴内容を認めましたが、酒井氏、新山氏の弁護士は「公募型プロポーザル方式の企画競争は罪名上の“入札”に当たらない」として争う姿勢を示しました。
札幌医療センター元事務部長の藤井氏が新山氏に対して、他社の提案内容をリークし、月額400万円と提示されていた土地賃料を750万円に差し替えて再提示させていたことが焦点となっています。
警察側:入札を巡り2回にわたり、病院側がアインファーマシーズに対して、他社の入札状況を伝えていた
藤井氏:アイン側からの見返りは否定。コロナ禍で経営が苦しく、赤字解消が目的。資金豊富なアインが最適
新山氏:ルール違反は明確だが、再提出が認められ、違法には当たらないかもしれないと思った
アイン側の弁護人は今回の公募は「公募型プロポーザル方式の企画競争で随意契約の一種」として「過去の判例もなく、競売妨害罪に当たるかは明らかではない、法解釈上成立するか否か問題にせざるを得ない」
として法解釈を争う姿勢をしめしました。
尚、アインホールディングスは一身上の都合として酒井氏、新山氏の取締役辞任を発表しています。
アインファーマシーズは20年契約25億円で敷地内薬局を受注
KKR札幌医療センターの敷地内薬局受注問題について、入札妨害問題となっていますが、当初、アインホールディングスがの20年契約で十数億円提示を行い、別の大手チェーンが20年契約で総額20億円以上の支払い提案があったことがわかりました。
しかし、KKR医療千センターの元事務部長がアイン側へ情報を漏洩さて、結果としてアインファーマシーズが20年契約で総額25億円の入札を行い、敷地内薬局の権利を受注したことが開示されました。
アインファーマシーズ社長が敷地内薬局の入札情報漏洩で逮捕(2023/9/1)
北海道札幌市の総合病院「KKR札幌医療センター」が発注した敷地内薬局の事業入札を巡り、特定の会社に受注させようと公募に関する競合他社の情報を漏洩したとして、KKR札幌医療センターの当時の事務部長 藤井浩之容疑者が逮捕されました。
また、敷地内薬局を受注したアインファーマシーズの当時の北海道支店長 新山典義容疑者と親会社のアインホールディングスの当時の取締役開発統括本部長 酒井雅人容疑者(現在アインファーマシーズの社長)も同容疑で逮捕されました。
北海道警察によりますと、2020年12月藤井浩之容疑者は公募が行われた医療センターの敷地内に薬局を設置する事業をめぐり、アイン側に便宜を図るために、競合他社の情報を漏洩した疑いがあるとしています。企画書提案書の提出期限後に情報をアイン側に伝え、アインは提案書を再提出し、事業を受注しています。
敷地内薬局は2021年12月に開店しています。
KKR札幌医療センターはホームページに以下の内容を掲載しています。
当院の元事務部長の逮捕について
本日、当院元事務部長が、公契約関係競売入札妨害の容疑で逮捕されたとの報道がありました。
当院在職中の行為に関して逮捕されたことは、誠に遺憾であり、患者様をはじめ関係各位には多大なるご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。
詳細について確認中ではありますが、捜査機関の捜査に全面的に協力してまいります。
また、KKRが開設する名城病院、立川病院、大手前病院、横浜栄共済病院などにもアインHDが敷地内薬局を出店していることから、状況に応じて 調査する考えを示しています。