2019年1月30日に開催される薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)において再発を繰り返す単純疱疹に対してファムビル1回1000mg、1日2回の用量が追加となるかどうかが審議されることがわかりました。
追記:2019年1月30日の審議を経て承認することが了承されました。
再発を繰り返す単純疱疹(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)に対するファムビル錠1回1000mg、1日2回の用法については、すでに米国(FDA)で承認されている用法でありますので、今回は米国の用法・使用状況を確認してみました。
再発を繰り返す単純疱疹に対するファムビル1回1000mgの用法が追加となるかどうか(二部会)
・口唇ヘルペスの再発エピソード治療:ファムビル1回1000mg、1日2回
・性器ヘルペスの再発エピソード治療:ファムビル1回1000mg、1日2回
(性器ヘルペスの再発エピソード抑制治療:ファムビル1回250mg、1日2回:日本では未承認)
再発症状に関しては、症状または病変の発症後6時間を超えてからファムビル錠1000mgの服用を開始した場合においては、有効性は確率されていない。と記されておりますので、米国の場合は再発を確認したらすぐに病院へ行ってファムビルを飲む治療が推奨されています。(国内で再発治療の承認が得られた場合は、この文言が添付文書に記されるかどうかは不明です)
帯状疱疹の塗り薬は治ったら捨ててください(抗ヘルペスウイルス外用剤の注意点)
口唇ヘルペス・性器ヘルペスの再発に関しては、初期の徴候を見逃さないことが大切です。初期の徴候の例としては
・うずき
・かゆみ
・熱感
・痛み・
・発疹・病変
上記の症状があげられます。米国の治療としては上記の症状が出た場合6時間以内にファムビルの服用が推奨されています。
帯状疱疹の塗り薬は治ったら捨ててください(抗ヘルペスウイルス外用剤の注意点)
米国におけるファムビルの再発エピソードにおける投与量については、腎機能(クレアチニンクリアランス)が60ml/minの方に関しては1回1000mg、1日2回を推奨しており、それ以下の腎機能の方については減量の必要性が記されています。
米国における使用例
クレアチニンクリアランス60ml/min以上:1回1000mg、1日2回
クレアチニンクリアランス59~40ml/min以上:1回500mg、1日2回
クレアチニンクリアランス39~20m//min未満:250mg単回投与
透析患者:透析後に250mgを単回投与
腎機能に関しては日本国内の指標が添付文書に表記されることを希望します。
副作用
再発エピソード治療としてファムビル錠を1回1000mg服用した場合の副作用を確認したところ頭痛の副作用(17.8%)、吐き気(11.6%)、下痢(4.8%)などが記されています。
再発性単純ヘルペスに対するファムビル錠の効果についてマルホ・旭化成の見解
再発性単純ヘルパス(再発性口唇ヘルパス・再発性器ヘルペス)患者に対し、単純ヘルペスの再発の早い時期にファムシクロビルを1日2回投与したデータによると、主要評価項目「すべての単純ヘルペス病変部位が治癒するまでの時間」においてプラセボに対する有意差が示されたことが記されています(詳細データは開示されておりません)
有害事象はファムシクロビル19%、プラセボ11.6%
2019年1月30日にファムビル錠について「再発を繰り返す単純疱疹」に対する用法が検討されます。ファムビル錠には後発品も発売されておりますが、今回は先発品“ファムビル錠”についての適応症追加が検討されます。
FDA:ファムシクロビル添付文書