イソバイドシロップを口に入れると酸味・苦みがひろがり刺激性があるため非常に飲みにくい液剤です。冷やして飲んでみたり、オレンジジュースと混ぜて飲んでみたりと、さまざまな工夫をして飲んでいる方が多い印象があります。今回はイソバイドシロップを飲みやすくする方法を検討します。
イソバイドシロップは酸味と苦みが共存し、さらに高濃度であるため粘膜への刺激性があり、そのうえ“とろみ”があるため舌に後味が残るという特徴がある飲み薬です。
イソバイドシロップ70%30mlを1本原液で飲んでみた私の感想としましては
・70%という濃度が濃すぎて喉の粘膜がヒリヒリする(刺激性):5割
・口の中がすっぱい(レモン汁を口の中に流し込んだ感覚):3割
・少し苦い:1割
・とろみがあるのでリフレッシュできない:1割
イソバイドシロップを飲んだ時の感想は十人十色ですので何とも言えないのですが、私としてはとにかく“濃い”ことが飲みにくさの主要因のように思われました。イソバイドシロップを製造販売している興和株式会社のホームページに記しているようにオレンジジュースとイソバイドを1:1で希釈する方法は液量こそ増えるものの、濃度を下げて、酸味を紛らわせるという観点では理にかなった飲み方と感じます。
イソバイドシロップの70%という“濃さ“に関しては薄めればいいとして、それ以外に私が試みた方法を記します。
イソバイドを飲む前に舌をまるごとオブラートで覆ってから飲んでみるという方法を試してみました。ブラート角形(9cm角)200枚入り(500円)を購入し、以下の図のように舌の上にオブラートを置きました。次に赤矢印の要領で舌の裏側にオブラートを入れこみ、舌全体をオブラートで覆いました。(舌の上からも下からもイソバイドが舌に触れないように覆います)
この状態でオレンジンジュースとイソバイドシロップ30mlを1:1で希釈した液(総量60ml)を飲みます。60mlの液体を一度に飲み干すことはできず、3回ほどに分けで飲みました。舌表面のオブラートは2回目を飲み込むあたりで溶けてしまい、3回目を飲むときには完全に舌表面からは姿を消してしまいました。
舌をオブラートで覆うと、イソバイドの味を10~20%ほどカットできるかなぁと感じました。1回に飲む液量によるのですが、トータル60mlほどの液量(オレンジジュース+イソバイド)を飲むのであれば、舌をオブラートで覆う状態をいかに維持するかが最大のポイントとなります。オブラートは2枚ほど用意しておき、舌の上からオブラートがなくなったら、次のオブラートで舌を覆うという作業を行うと心強いかもしれません。
上記の方法ですと、舌先から舌中間あたりまではオブラートで保護されているので、飲み終えた後の舌先にイソバイドの嫌な感じはありません。しかし、舌の奥部分と咽頭部分(喉の粘膜)はむき出しのため、ダイレクトにイソバイドの味や刺激を感じてしまうという難点がありました。そこで次の方法を試みました。
オリーブオイルをティースプーン半分ほど用意して、口に入れ、口腔内および喉のあたりまで広げます。その状態で舌をオブラートで覆い、オレンジジュース+イソバイド(60ml)を3回ほどに分けて飲みます。この方法ですと、オレンジジュース+イソバイドが喉を通過するときの嫌な感じが軽減したように感じます。さらに、私はオリーブオイルが好きなタイプなので、イソバイド液を飲み終えた時にオリーブオイルのうまみが口の中に広がりました。
(オリーブオイルや亜麻仁油など、口に入れてよいタイプの油で行うことをお勧めします)
・イソバイドをオレンジジュースで希釈
・舌をオブラートで保護
・舌奥から咽頭にかけてオリーブオイルで保護
1日3回イソバイドシロップを飲むために、上記のような労力が必要かどうかは不明ですが、直接イソバイドシロップを飲む作業に比べますと、口の中の刺激性・後味に関しては、かなり改善したように感じました。
また、上記の作業を終えた後、歯を磨くと、さっぱりした感じとなり、さらに良い気がします。
注意点)
舌の上にオブラートを乗せると、オブラート特有の“でんぷん粉”の感じが舌の上に残ります。具体的な表現は難しいのですが、舌全体に何かがくっついているような感じが30分ほど続くように私は感じました。イソバイドの後味の代わりにでんぷん粉の違和感が気になるかもしれません。舌表面を歯ブラシでブラッシングすると軽減するかもしれません。
・イソバイドシロップ70%を原液で飲む咽頭がピリピリした(刺激性)ので私は希釈して飲みます。
・多くの方が試しているようにオレンジジュース希釈すると後味がよい
・個人差はありますが、オブラートで舌を覆うとイソバイドの後味が弱まる
・オリーブオイルや亜麻仁油・ごま油などの油で口の中を覆うとイソバイドの味が弱まる
・乳脂肪分の多いもの(牛乳・ミルクティーなど)はイソバイドが分離するため避けること