携帯電話のヘビーユーザーは精子濃度が減少する(2023/11/27)

携帯電話のヘビーユーザーは精子濃度が減少する(2023/11/27)

男性の精子濃度は環境要因(放射線・農薬など)・生活習慣(食事・アルコール・ストレス・喫煙)などによって影響をうけ、減少すると考えられています。

ではスマートフォンの使用は精子濃度に影響するのでしょうか?という疑問にたいして調査が行われました。

スイスの研究チームは2005年~2018年の間、スイスの徴兵センターで募集した18歳~22歳の男性(2886人)を対象として、携帯電話の使用頻度と精液の質について調査を行いました。

結果

携帯電話の使用頻度が週に1回未満の男性(中央値)

精子濃度:5650万個/mL

総精子数:1億5370万個

 

携帯電話の使用頻度が1日20回以上の男性(中央値)

精子濃度:4450万個/mL

総精子数:1億2000万個

 

という結果となり、WHOが定める健康男性の精液基準と比較すると、精子濃度が30%低下、総精子数が21%低下するリスクが増えることが示唆されました。

一方で、携帯電話の使用と正詩の形状や運動能力との間に関連は認められませんでした。また、携帯電話をズボンのポケットに入れておくことで、精液濃度が低下するとこについても関連は認められませんでした。

WHOが定める男性不妊症の精子濃度は1500万個/mLとされており、今回のヘビーユーザーのデータと比較するとヘビーユーザーの濃度は2倍以上の数値であることから、携帯電話の使用が原因で不妊症となるリスクは低いとも述べています。また携帯電話の精子濃度に対する影響は可逆的であり、精子は睾丸で持続的に生成されているため、この結果に恐れを抱くことは無いとしています。

携帯電話の使用頻度と精子濃度の関係

1992年から2021年までの29年間で勃起時の陰茎長が24%増加した解析

The World Journal of Men’s HEALTHという雑誌に興味深いデータが公開されていましたので下記します。

1992年~2021年までの29年間について、男性器(陰茎)の長さに関する報告を調査した結果、勃起時の陰茎長が24%増加していたという報告です。

調査対象

1942年~2021までの期間に発表された5万5761人の男性器に関する報告をまとめたデータです。

全データの平均値としては

弛緩長:8.7cm(8.16~9.23cm)

伸展長:12.93cm(12.48~13.39cm)

勃起長:13.93cm(13.2~14.65cm)

とされていました。

測定値は地域によりバラツキがみられました。

29年間でペニスの勃起長が24%増加

例えばですが、アジア地区の平均データを見てみると

弛緩長:7.23cm(6.31~8.14cm)

伸展長:11.6cm(11.02~12.17cm)

勃起長:11.74cm(10.18~13.29cm)

という感じで、全地域の中で一番小さい値となりました。

 

一方で、弛緩長が一番大きな値となったのは南アメリカ地区の平均データで

弛緩長:11.00cm(7.72~14.28cm)

伸展長:14.34cm(11.02~16.86cm)

勃起長:14.50cm(11.4~17.60cm)

という感じです。地域差が大きいことがわかります。

勃起時の平均値のイメージとしては

アジア<ヨーロッパ<北南アメリカ<アフリカ<オセアニア

という感じでしょうか。

 

ここまではある意味でイメージ通りかなぁと思うのですが、今回の方向で興味深い点は全地域において報告された期間が最近であればあるほど勃起時の平均長がUPしているという点です。

1990年~1999年の平均勃起長:13.12cm(11.15~15.09)

2000年~2009年の平均勃起長:13.56cm(12.44~14.67)

2010年~2021年の平均勃起長:14.55(13.86~15.23)

地域や年齢、人口を調整した結果、勃起時の陰茎長は過去29年間で24%増加していたことが報告されました。

この理由については不明なのですが、筆者らの見解では「思春期を迎える時期が若年化していることが、関連しているのではないか?」と述べています。

より早い思春期の成長が、陰茎長を含む体格の増大と関連している可能性を示唆しています。

実際、精子数や血清テストステロン値の減少、精巣腫瘍の割合などは環境、生活習慣への暴露に起因することが過去に報告されています

tab6

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業

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ojiyaku