コーラを飲むと睾丸が大きくなるというマウスの実験データ

コーラを飲むと睾丸が大きくなるというマウスの実験データ

コカコーラ・ペプシコーラは男性ホルモン(テストステロン)の分泌を増加させることが過去に報告されておりました。一方で卵巣の質量の減少や卵巣皮質の厚さを減少させることで卵胞の発育を低下させることも同時に報告されております。

つまり、コカコーラやペプシコーラを連日にわたって摂取し続けると、哺乳類のオスとしての性分化、二次的特徴の形成に促されることが示唆されております。

今回、マウスにコカコーラ・ペプシコーラを15日間連続で自由に飲ませた後、体調変化に関する報告がありましたので読んでみました。

対象

非繁殖の雄マウス150匹を5つのグループに振り分け、以下の飲料水を自由に飲める環境で15日間育成しています。(水は自由に飲めます)

ペプシコーラと水を1:1で希釈した飲料:PEP1

ペプシコーラ100%飲料:PEP2

コカコーラと水を1:1で希釈した飲料:COC1

コカコーラ100%飲料:COC2

対照群(水道水):コントロール群

 

上記飲料を15日間摂取したマウスを解剖し、精巣(睾丸)の成長・発達を確認したところ、PEP2(ペプシ100%)、COC2(コカ100%)を摂取した群の睾丸は、PEP1、COC1、コントロール群の睾丸よりも有意に重量が増加していたことが報告されました。

(睾丸(精巣)の縦径、横径ともに大きくなっていました)

PEP2、COC2を飲んだマウスの群では、睾丸が大きくなっていましたので、睾丸で作られる男性ホルモンの一つテストステロンの血液中濃度を測定した結果、他群と比較して血液中のテストステロン濃度が上昇していたことが報告されました。

特にペプシコーラでのテストステロン濃度の上昇が高いように感じられます。

この背景として、コカコーラ、ペプシコーラを飲み続けると、男性ホルモンをつくるために大切なアンドロゲン受容体の蛋白質発現レベルが上昇することが要因と記載されており、コントロール群と比較して、コカ・コーラやペプシコーラ100%を飲んだマウスではコントロール群と比較して、アンドロゲン受容体蛋白質の発現量が1.5倍程度まで増加していることが見て取れます。

 

コーラを飲み続けると、睾丸が大きくなる(マウスデータ)

ここからが、本題なのです。

コカコーラやペプシコーラを飲んで睾丸が大きくなり、男性ホルモンの放出量が多くなることが「いいことか?」と言われると答えはNOだと私は考えます。

これまでも炭酸飲料に関する報告は多数あがっており、炭酸飲料の過剰摂取は体重増加、肥満、糖尿病、内分泌疾患の悪化と関連していることが報告されています。

また、コカコーラ、ペプシコーラを1日1L飲み続けた男性2500人を調査したデータによると、精子の量が30%減少していたことが報告されています。精子の量が減少していた要因としては炭酸飲料に含まれている酸化剤がタンパク質の酸化、細胞損傷、精子の運動性低下をもたらしたのでは?と考えられています。

また、マウスでの報告ですが、ペプシコーラ・コカコーラを飲み続けた雌マウスは卵巣重量の低下、卵胞と卵子の発達障害が生じて雌マウスの妊娠率および胎児数の減少が報告されています。この要因としてはコーラを摂取したことにより女性ホルモンが低下し、男性ホルモン増加が要因と考えられます。

 

話を今回のマウスにコーラを与えたデータに戻します。

マウスのコーラを与えると、男性ホルモン量が増回し、睾丸が大きくなったという報告ですが、本質的な要因としてはコーラなどの炭酸飲料を長期的に大量摂取すると精子の量が減少する(精子の運動性が低下する)可能性があり、それを補うためかどうかは不明ですが、睾丸が大きくなった・・・といのが今回の報告で垣間見えたようです。

筆者らは、炭酸飲料摂取による男性ホルモン分泌増加が前立腺機能障害や前立腺がんの予防にも役立つと考え研究しています。

tab3

 

 

 

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業

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ojiyaku