rheumatoid
「最近、関節が痛む…」「なんだか体が以前より疲れやすい…」
もしかしたら、それは関節リウマチ(RA)のサインかもしれません。
関節リウマチは、免疫システムが自分の関節を攻撃してしまう自己免疫疾患です。原因はまだはっきりとはわかっていませんが、最新の研究で、免疫システムの老化がRAの発症に関わっている可能性が示唆されました。
私たちの免疫システムは、年齢とともに少しずつ弱まっていきます。これは自然な現象ですが、老化が進むと、
新しい免疫細胞が作られにくくなる
炎症を起こしやすい免疫細胞が増える
体の細胞を誤って攻撃してしまう
といったことが起こりやすくなります。
イギリス・バーミンガム大学の研究チームは、RAの初期段階にある人たちを対象に、免疫システムの老化の兆候がないか調べました。その結果、
関節痛や関節炎が疑われる人、RAを発症したばかりの人では、免疫細胞の種類に変化が見られた
特に、新しい免疫細胞が減少し、炎症を起こしやすい免疫細胞が増加していた
RAを発症する前から、免疫システムの老化が進んでいる兆候が見られた
ということがわかりました。
つまり、RAは、免疫システムの老化がきっかけで発症する可能性があるのです。
この研究結果は、RAの予防につながる可能性があります。
研究チームは、
免疫システムの老化を遅らせる治療法
体の細胞をきれいに掃除する機能を高める治療法
などを開発することで、RAの発症を防いだり、進行を遅らせたりできるかもしれないと考えています。
現在、既存の薬で免疫の老化を防げるかどうか、RAのリスクが高い人たちを対象とした研究が進められています。
関節リウマチは、免疫システムの老化が原因の一つである可能性が示唆されています。早期発見と予防のためには、
関節の痛みや体の不調を感じたら、早めに医療機関を受診する
バランスの取れた食事や適度な運動で、免疫システムを健康に保つ
ことが大切です。
今後の研究に期待しつつ、日々の生活でできることから始めてみましょう。
日本人を対象とした報告によると、関節リウマチ患者84名と健常人42名の腸内微生物叢をゲノム解析で情報解析した結果、関節リウマチ患者で有意に増加している菌種がいることが同定されました。
rheumatoid
健常人と比較して関節リウマチ患者で有意に増加しいていた腸内細菌
Prevotella(プラボテラ)属に属する以下の様な菌種で有意な増加が確認されました。
一方で、健常人と比較してリウマチ患者で有意に減少していたメタゲノムデータ(全微生物のゲノム情報の集合データ)としては、酸化還元反応に関連する遺伝子の一つR6FCZ7が健常人データと比較して有意に減少していることが確認されました。
腸管内で生息する腸内微生物叢は第二の免疫などともいわれますが、関節リウマチのような自己免疫疾患にどの程度の影響があるかについては、まだまだ未知の分野かと思います。