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溶連菌感染症の再発について(自分まとめ)

溶連菌感染症の再発について(自分まとめ)

3カ月連続で溶連菌に感染してお子さんがおりましたので、溶連菌に感染して抗生剤を指示通り飲み切ったにも関わらず、1カ月以内に再感染した状況について、自分用のまとめを記します。

溶連菌感染症とは

溶血性レンサ球菌(A群β溶血性レンサ球菌)による感染症で、喉の痛み、発熱、扁桃腺の発赤、等の症状があります。軟口蓋に点状出血が生じたり、扁桃腺が白い滲出液で覆われることもあります。

この病原体はA群・B群・C群・G群・H群というグループに分類できつと同時に、α溶血性(赤血球の細胞膜が残るタイプの溶血)、β溶血性(赤血球の細胞膜を完全の分解するタイプの溶血)、溶血しないγ溶血性に分類することができます。

溶連菌感染症で90%を占めるのがA群β溶血性連鎖球菌による感染です。

一応ですが、A群以外の溶連菌について少しまとめます。

B群:新生児や高齢者に対して肺炎や髄膜炎を引き起こし全身性の感染症を引き起こすことがあります。妊娠中に乳児へ感染することがあり、新生児B群溶連菌感染症は死亡率が20%と言われています。

C群:咽頭炎や化膿性感染症を引き起こす可能性があります。人獣共通感染病原体であるため動物から人へ感染する可能性があります。

G群:ヒトの鼻咽頭,皮膚,生殖器および腸管内に常在しています。人獣共通感染症の病原体であるため動物から人へ感染する可能性があります。

H群:中型犬に感染症を引き起こす連鎖球菌です。ヒトが犬の口に直接触れない限り、ヒトが感染するリスクは非常に低いです。ヒトと犬との口から口への接触または、犬がヒトの手をなめるなどの感染経路が考えられます。

cough

ということですので、人が感染する溶連菌の9割はA群β溶血性レンサ球菌なんですね。

では、1カ月以内に溶連菌が再発する要因についてまとめてみます。

溶連菌は感染者からの呼吸器からの飛沫感染よって感染が広がるほか、会話・咳・くしゃみになどの飛沫のついたものにふれてから、口・鼻・目にふれることでも感染がする可能性があります。感染した傷にふれることで直接感染する場合もあります。

家庭内感染を予防するためには、こまめな手洗い、うがい、マスク着用、食器を共有しないなどの対策が挙げられます。

溶連菌感染症にかかった方で、1カ月以内に再発した方のうち9割は除菌がうまくいかなかったことが陽医院と考えらえれます。その要因は処方された抗生剤を10日間、正しく服用できなかったことが要因と考えられます。

発熱・咽頭痛が改善したからといって抗生剤を自己判断で中止・調節しないことが大切です。

一般的に、溶連菌は抗生剤に対して弱く、薬剤耐性(薬が効きにくくなる状態)は生じにくい菌と考えられています。そのため抗生剤を服用すると1~2日程度で、発熱・咽頭痛は軽減するケースが多い印象です。しかし、この状態の抗生剤の服用を中止して

“次回、同様の症状が出た時のために抗生剤を飲まずに保存しておこう”

と考えて、指定された服用期間を守らないことが再発につながると考えます。

溶連菌の治療を途中で中断してしまうと、溶連菌感染後急性糸球体腎炎を発症するリスクがありますので、要注意と考えます。

 

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業

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ojiyaku