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平成29年4月1日から適用となる「調剤基本料を100分の50とする」を回避するために

平成29年4月1日から適用となる「調剤基本料を100分の50とする」を回避するために

2016年(平成28年)4月から施行される調剤報酬改定では、保険薬局が超えるべきハードルがいくつか設けられました。その中で、「かかりつけ薬局としての基本的な機能」を行っていなければ、1年後に調剤基本料を半減するというルールがあります。

具体的には
「かかりつけ薬局の基本的な機能に係る業務を1年実施していない保険薬局は所定点数の 100 分の50に相当する点数により算定する。(ただし、処方せんの受付回数が1月に600回以下の保険薬局を除く。)」

というものです。この調剤基本料の半減措置は2017年(平成29年)4月1日から適用となります。この具体的な要件が公開されました。

「平成28年度調剤報酬改定及び 薬剤関連の診療報酬改定の概要」と題して、全99ページにわたる大作です。ななめ読みしたくなるところですが、要所要所に重要個所が隠れているため見逃せない資料となっています。

P.64 かかりつけ機能に係る業務を行っていない薬局の評価の見直し
[要件]
下記項目の算定回数の合計が1年間(※)に10回未満の保険薬局が対象
(※前年3月~当年2月末までの期間の算定回数)
・調剤料の時間外加算等、夜間・休日等加算
・かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料
・外来服薬支援料、服薬情報等提供料
・薬剤服用歴管理指導料の麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算
・在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、退院時共同指導料、在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料
・介護予防居宅療養管理指導費、居宅療養管理指導費

1年間で上記加算を10回算定することが必要条件となっています。
上記6項目の要件を加算するための難易度は薬局の現状ごとに異なると思いますが、それぞれの条件を具体的に確認してみます。

~調剤料の時間外加算等、夜間・休日等加算~
算定可能な時間帯は
・平日:午前0時~午前8時、午後7時~午後0時
・土曜日:午前0時~午前8時、午後1時~午前0時
・休日加算:日曜日および国民の祝日

薬局の開局時間や立地条件によるかとは思うのですが、この要件だけで年10回算定を満たしている薬局は十分あると思います。

 

~かかりつけ薬剤師指導料、かかりつけ薬剤師包括管理料~
新たに設けられた加算であり、患者さんの同意を得る必要があるため、予測できません。

~外来服薬支援料、服薬情報等提供料~
・外来服薬支援料:求めに応じて服薬管理支援をする。または、持参薬を整理し、その結果を医療機関に情報提供する。
・服薬情報等提供料:求めに応じて、または必要性を認めたうえで服用薬の情報について把握し、必要な情報提供・指導を行う

自宅を訪問して残薬を確認するほど認知機能が低下していない患者さんには、残薬を薬局に持ってきてもらって「外来服薬支援料」を算定することは医療費削減にもつながり、国の方針に沿った業務かと思います。薬局主導で推進すべき加算だと思います。

~薬剤服用歴管理指導料の麻薬管理指導加算、重複投薬・相互作用等防止加算~
重複投薬・相互作用等防止加算:併用薬の重複・併用薬やサプリメントとの相互作用、残薬調節、薬学的観点から必要と認める事項

重複・相互加算で行うことができる範囲が拡大されましたので、算定回数が増えるイメージです。麻薬加算に関してはこれまでの実績である程度の回数が把握できるかと思います。

~在宅・居宅療養に関する加算~
これまでの実績である程度の回数が把握できるかと思います。

上記加算の合計が1年間に10回を超えればよいわけです。年間を通じて意識を持ちながら業務に取り組めば早い段階で10回を超えることも可能かと思います。そのためにも患者さんの服用状況の把握と加算要件(疑義解釈も含めて)を知ることが、薬局経営を守ることにつながると感じます。

yakkyoku

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業