厚生労働省・中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第140回)において平成30年度薬価改定(案)である薬価制度の抜本改革(案)が公開されました。
以下にその主な変更点を記します。
・年4回の新薬収載の機会を最大限活用して薬価を見直す
・現在2年に1回行われている薬価調査に加えて、その間の年においても全品を対象に薬価調査を行い、その結果に基づき、価格乖離の大きな品目について薬価改定を実施
・医薬品の流通に関しては単品単価契約、早期妥結、一時売差マイナスの是正等を積極的に推進し、流通改善に取り組む
・効能追加等がなされた医薬品について、350億円いじょうの市場拡大があった場合、新薬収載の機会(年4回)を活用して薬価を見直すこととする。
・新薬創出等加算の見直し:画期性・有用性・希少疾病・開発公募・新規作用機序、企業としての新薬創出実績、世界に先駆けた新薬の開発、ドラッグラグ解消の実績等を考慮して新薬創出等加算を対象とする医薬品を選定する
・新規作用機序医薬品の収載から1年以内に収載された薬理作用類似薬については、3番手以内であれば、有用性と革新性が初回発売品と同程度であると認められる場合に限り新薬創出等加算の対象となる
平成33年(2021年)から市場規模350億円以上の医薬品は薬価が見直される
・長期収載品の薬価の見直し
後発品の発売から10年が経過した長期収載品の薬価は後発品価格へと引き下げが行われる
後発品置換率80%以上の長期収載品の薬価は
当初:後発品の2.5倍
2年目:後発品の2倍
4年目:後発品の1.5倍
6年目:後発品の1倍
へと薬価が引き下げられます
後発品置換率80%未満の長期収載品の薬価は
当初:後発品の2.5倍
2年目:後発品の2.3倍
4年目:後発品の2.1倍
6年目:後発品の1.9倍
8年目:後発品の1.7倍
10年目:後発品の1.5倍
へと薬価が引き下げられます
すでに長期収載品の薬価が後発品の2.5倍以下である場合
後発品置換率が80%未満60%以上:-1.5%
後発品置換率が60%未満40%以上:-1.75%
後発品置換率が40%未満:-2%
・後発医薬品の薬価等の見直し
先行発売のAG薬(先発品の薬価の0.5倍)は、遅れて発売された後発医薬品(先発品の薬価の0.4倍)の価格帯に集約させる
・後発品の価格帯は後発品収載から12年経過したものについては原則として1価格帯とする。長期収載品が撤退した場合は2価格帯とする
・用法用量変化再算定の見直し;主たる効能効果の変化に伴い用法・用量も変化した医薬品については用法用量変化再算定の対象とする。1日薬価が変更する場合、市場規模が10倍、100億円をこえるばあいにのみてきようすることとする。
・薬価調査の正確性見直し
販売側データ(卸)と購入側データ(医療機関)との個別取引での突合を可能とさせるため、調査票に購入した卸業者(営業署名)を記載する欄を設ける。
・医療用医薬品の流通改善への対応:ガイドラインを作成し、未妥結減産制度に取り入れる。