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新型真菌カンジダ・アウリス“Candida auris”について

新型真菌カンジダ・アウリス“Candida auris”について

 

カンジダ・アウリス(Candida auris)は2005年に発見された新種のカンジダです。2009年時点では日本国内での検出数は1例とされていましてが、その後、国内での検出数は5件9株まで増加しています。海外ではインド・アメリカで200件を超える報告数がなされております。

新型真菌カンジダ・アウリスとは

 

既存の抗真菌薬に対して耐性を獲得しやすく、感染後の粗致死率が30%と極めて高く、病院のカンジダ検出キットに“カンジダ・アウリス”が含まれていないため同定することが難しい真菌です。患者の多くは血流感染症を発症します。

カンジダ・アウリスの薬剤耐性について

1:カンジダ・アウリスとして同定された多くの株はジフルカン(フルコナゾール)に耐性を獲得している。薬剤耐性率44.29%

 

2:アゾール系抗真菌薬イトリゾール(イトラコナゾール)、ブイフェンド(ボリコナゾール)につても地域によっては耐性が報告されております(2016年ブラジルで耐性株)。耐性発現率はブイフェンドの方が高い傾向にあります。

ブイフェンドの薬剤耐性率:12.67%という報告あり

 

3:ファンギゾン(アムホテリシンB)については30〜40%の薬剤耐性が報告されています。

 

4:アンコチル(フルシトシン)、ファンガード(ミカファギン)、カンサイダス(カスポファギン)対する薬剤耐性率は10%以下と報告されており、治療選択肢とされています。

カンサイダスの薬剤耐性3.48%という報告あり

 

カンジダ・アウリスの感染地域・致死率

2013〜2017年までほう報告ではインド(243人)、アメリカ(232人)、イギリス(103人)、スペイン(42人)という順で報告されています。感染者の64.76%が男性であり、感染者の67.48%は血液から検体が同定されています(血流感染症)。実質的な祖致死率が29.75%と非常に高い値を示すことが特徴です。

カンジダ・アウリスの検出方法

カンジダ検出同定キットには判別リストにカンジダ・アウリスが載っていないため同定することができない。生物学的方法で同定する方法はあるが、誤同定例も報告されているため、カンジダ・アウリスを同定する方法が求められるとされています。

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ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業