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医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応

医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応

日本環境感染学会は”医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドライン”を公開しました。

医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドライン

新型コロナウイルスの特徴

・MERSやSARSよりも病原性は低い

・中国湖北省において致死率2%と言われているが、実際にはそれよりも低い数値となっている

・空気感染は否定的で、飛沫感染および接触感染を起こすと考えられている。1人の感染者から2~3人程度に感染させるといわれている

病態・症状

新型コロナウイルスは呼吸器系の感染が主体で、の主な感染部位によって上気道炎・気管支炎・肺炎を派生する。

発熱・咳・筋肉痛・倦怠感・呼吸困難などの症状が多くみられる(頭痛・喀痰・下痢を伴う場合あり)

患者のほぼ半数が60歳以上

平均潜伏期間:5.2日

発症から約3日までの間のウイルス排泄量が多い

発症から1週間程度、急性上気道炎様の症状と強い倦怠感が続くが、この期間は肺炎の典型的な所見があまり現れない

リンパ数が減少しているという特徴がある

軽微な感冒様症状が1週間程度続いた後に、呼吸苦や咳などの症状を呈し、この時期は肺炎の典型的な所見が現れない。

治療・予防

新型コロナウイルス感染症に対して、現在、有効性が証明された治療法はありません。ただし、抗 HIV 薬などの投与が有効であったという報告があり、特にロピナビル/リトナビルについては今後さらに治療効果が検証されれば治療薬としての可能性が期待できるものと思われます。

現時点における治療の基本は対症療法です。肺炎を認める症例などでは、必要に応じて輸液や酸素投与、昇圧剤等の全身管理を行います。細菌性肺炎の合併が考えられる場合は、細菌学的検査の実施とともに抗菌薬の投与が必要と思われます。肺炎例や重症例に対して、副腎皮質ステロイドの投与については、現時点では有効性を示すデータは無く、推奨されません。

新型コロナウイルスのワクチンは存在しません。

感染対策

擦式アルコール手指消毒薬は新型コロナウイルスの消毒にも有効です。手指衛生は適切なタイミングで実施してください

呼吸器衛生/咳エチケットを含む標準予防策の徹底です

新型コロナウイルスの人から人への感染について

武漢の疫学調査によると、425人を対象としたデータが公開されました。平均潜伏期間は5.2日、基本再生産数の推定値は2.2、早期段階で7.4日ごとに感染者数が倍増していることが公開されました。(年齢中央値:59歳、男性56%)

新型コロナウイルスにおける人-人感染率

新型コロナウイルスについて、海外での症状回復例

 

新型コロナウイルス(2019年新型コロナウイルス急性呼吸器病)について、海外にて薬剤投与により症状が快方に向かった症例が報告されましたのでメモします。

アメリカCDC(疾病対策センター)

新型コロナウイルスに感染した男性に対して、入院7日目にエボラ出血熱の治療薬として開発された抗ウイルス薬を投与したところ、翌日以降、酸素吸入の必要がなくなり、発熱も収まった。

 

タイの保健省

70歳代の女性が新型コロナウイルスによる肺炎が重症化したが、エイズ治療薬「リトナビル」「ロピナビル」およびインフルエンザ治療薬の「タミフル」を投与したところ、48時間後の消滅が確認されたと報道しています。

 

コロナウイルスには通常の「風邪」を引き起こすタイプの4種類(HCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-L63、HCoV-HKU1)と重症肺炎を引き起こすタイプ2種類(SARS-CoV、MERS-CoV)が知られています。(重症肺炎を引き起こすタイプのコロナウイルスは動物から人に感染したものです)

 

既存のコロナウイルスに対して、既存の治療薬(タミフルやリトナビルなど)で効果があるという情報は耳にしたことがないため、ここ数日、海外で報告されている“治療薬”については、何とも表現が難しいのが事実です。

Coronavirus

おそらく現場の判断として、「何もしないよりは、ウイルスに効きそうな薬を飲んでみよう」という試みだったのかなぁと想像します。

 

風邪を引き起こすコロナウイルス効く薬はないが、動物から人に感染したコロナウイルス(重症化するタイプ)に対して効果的な薬があるのであれば、これは奇跡的なことなのですが、あまり期待せずに情報開示を待ちたいと思います。

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業