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処方箋受付1回あたり4点を加算(新型コロナウイルス感染症による特例的加算:2021年4月~9月末まで)

処方箋受付1回あたり4点を加算(新型コロナウイルス感染症による特例的加算:2021年4月~9月末まで)

2020年12月18日に開催された中央社会保険医療協議会の話し合いにより、厚生労働省は、調剤報酬に関して2021年4月から処方箋受け付け1回当たり4点を加算できるようにすることを提案し、委員はおおむね了承したことを公開しました。対象は全ての患者で2021年4月~9月末までの6か月間です。10月以降については延長しないことを基本の想定としつつ、感染状況や地域医療の実態を踏まえて、柔軟に対応するという方針がしめされました。算定に当たっては、以下の感染予防策を講じるように示されています。

• 全ての患者の診療において、状況に応じて必要な個人防護具を着用した上で、感染防止に十分配慮して患者への対応を実施する
• 新型コロナウイルス感染症の感染予防策に関する職員研修を行う
• 病室や施設等の運用について、感染防止に資するよう、変更等に係る検討を行う

6歳未満の乳幼児へ「調剤」は12点を特例的に算定できる(21年9月まで)

中医協は2020年12月14日、新型コロナ等の感染対策を講じた上で6歳未満の乳幼児に外来診察を行った場合、初診・再診に関わらず「医科」の診療報酬で100点を特例的に算定できる改定案を診療・支払側が了承した。同時に「歯科」は55点、調剤は「12点」に相当する点数を特例的に算定できます。「新型コロナ特例措置」については21年9月末まで継続することが決められ、10月以降は6点を加算することもおおむね了承されています。

 

新型コロナの感染拡大に伴う医療機関経営への影響では、特に小児科を標榜する医療機関の減収が目立つことから、必要な手当てを求める声が上がっていました。小児は成人にくらべて、親や医療従事者との濃厚接触機会が多く、感染予防の徹底が重要となります。さらに乳幼児の場合、訴えの聴取が難しいため「新型コロナウイルス感染症を念頭においた対策が必要となる」ため、必要な措置を診療報酬上で評価して賄うことが提案されました。

・COVID-19に特徴的な症状はなく、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できないことから、一人の患者ごとに手指消毒を実施すること。

・流行状況を踏まえ、家庭内・保育所内等に感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握すること。

・環境消毒については、手指の高頻度接触面と言われるドアノブ・手すり・椅子・スイッチ・タッチパネル・マウス・キーボードなどは定期的に70~95%アルコールか0.05%次亜塩素酸ナトリウムを用いて清拭消毒し、特に小児が触れる可能性が高い場所は重点的に行うこと.

 

周囲の感染徴候の確実な把握については、薬剤師の判断により、薬歴に記載しておくことが重要と言えそうだ。

 事務連絡ではこうした薬学的管理や指導に当たり、患者またはその家族等に対して、院内感染防止等に留意した対応を行っている旨を十分に説明し、同意を得ることとしている。

 

新型コロナが完治した方の17%がウイルスの保菌者(無症候性キャリア)?

イタリアの報告によると、新形コロナウイルスから完全回復して退院した患者131人を追跡調査した結果、22人が新型子オロなウイルス陽性を示したことが開示されました。

完全回復の定義としてはWHOが定めている以下の条件を満たした患者のことです。

・解熱剤の使用なしで3日間以上は発熱していない

・咳や息切れの軽減、新形コロナウイルス関連のすべての症状が改善

・発症後7日以上が経過している

・24時間以上の間隔で行われた2回のPT-PCR検査で新型コロナウイルス陰性

 

上記の条件を満たして退院した患者でも、17%が新型コロナウイするの無症候性キャリアである可能性が示唆されました。

筆者らは、患者の体内に残存する新形コロナウイルス断片に感染力があるかどうかを解明する必要があるが、ウイルスの断片や感染力までは判定することは難しいとしています。新形コロナウイルス関連症状(咳やのどの痛み)が続く患者に対しては、無症候性キャリアである可能性を踏まえ、他者との密を避け、マスク着用、追加検査をうけることを推奨しています。

新形コロナウイルスから回復した患者の17%が無症候性キャリアである可能性

 

新型コロナ感染症における重症化の原因として「PAI-1」が関与

 

大阪大学の研究グループは新型コロナウイルス感染症における重症化として、感染症に対する全身の炎症反応によって誘導される合併症「サイトカインストーム」の原因蛋白質「PAI-1」を発見したことをPNASに報告しています

新型コロナウイルス感染症における重症化タンパク「PAI-1」

 

新型コロナウイルス感染症における重症例として「サイトカインストーム」(免疫の異常暴走)がたびたび報告されております。サイトカインストームとは新型コロナウイルス感染症において肺で過剰炎症がおこり、免疫細胞がウイルスと戦うために作るサイトカインが制御不能となり血液中に放出し続けた結果、血管内での血液凝固が生じて多臓器不全となり死亡に至るような症状です。

 

このサイトカインストームに関係する免疫応答として、IL-6(インターロイキン6)が放出するPAI-1(蛋白質)が関与していることを発見されました。著者らは血清中のIL-6レベルと他のサイトカインに対するPAI-1の相関を調べた結果、血清中のIL-6はIL-8、MCP-1およびPAI-1と正の相関を示すことを解明しました。

 

covid-pai-1

PAI-1(プラスミノーゲン活性化因子阻害剤1)は血管内皮細胞や血小板、脂肪細胞などに存在し、血管がきずつけられたり、血小板が壊れたりすると血液中に放出される因子です。PAI-1が血液中に放出され続けると、形成された血栓を溶解することができなくなり血管が詰まり続ける危険因子となります。

 

細胞レベルでの実験において、内皮細胞は損傷を認識するとIL-6を大量に放出することが報告されており、そこに可溶性IL-6受容体が存在するとPAI-1の放出が増強されることが見出されています。

 

新型コロナウイルス感染症の重症患者の中に重度の肺機能障害を来す例が報告されており、該当患者の血液中からは肺血症や急性呼吸窮迫症候群と同様にPAI-1が上昇していることが確認され、全身の炎症症状から血液凝固が生じていることが示唆されました。

 

新型コロナウイルス感染症の重症例に対して抗IL-6受容体抗体“アクテムラ”を投与された7例において、PAI-1濃度およびCRP値の低下が確認され、全例で発熱や倦怠感などの症状が軽減していることが報告されています。

 

アクテムラはIL-6がIL-6受容体に結合(くっつくこと)を妨げる作用があります。そのためアクテムラを投与された患者さんの血液中ではIL-6とIL-6受容体との結合が妨げられ、PAI-1の放出量が減少したことが示唆されます。

著者らはこれらの結果をもとに、新型コロナウイルス感染症における重症例「サイトカインストーム」の原因として、肺血症や急性呼吸窮迫症候群と同様にIL-6に起因するPAI-1増加が主因であることを見出し、内皮細胞障害や凝固障害を引き起こすことを示唆しています。

アクテムラ投与により新形コロナウイルス関連肺炎による人工呼吸器を必要とする割合が低下する

アクテムラを製造しているロシュは9月18日に新型コロナウイルス感染症で肺炎により入院している患者に対して、アクテムラを投与することで人工呼吸器を装着する割合が低下することを報告しました。

被験者は新型コロナ関連で入院した肺炎患者389名(SpO2<94%、人工呼吸器をつけていない)を対象とし、28日目までに人工呼吸器を必要としたか、または死亡となる患者の割合を報告しています。

試験開始から28日目までの死亡+人工呼吸器を必要とする患者割合

アクテムラ投与群:12.2%

投与しなかった群:19.3%

(2群を相対的に比較するとアクテムラ投与群で44%の低下が認められた。有意差あり)

また、2群間での死亡率、退院までの期間、臨床状態の改善までの期間については有意差は確認されておりません。

 

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業