2021年4月6日、添付文書の電子化に伴うGS1コードの読み取りアプリとして「添付ナビ」が公開されました。
一般財団法人流通システム開発センターのホームページには、添付文書電子化とGS1標準のかかわりと題して、添付文書の電子化とバーコード表示の義務化に関する日程およびGS1コード読み取りアプリ「添付ナビ」に関する情報が公開されています。
添付文書の電子化は2021年8月1日からスタートします。(2年間の猶予期間あり)
読み取りバーコード表示の義務化は2022年12月1日が期限となっています。
添付文書閲覧アプリ「添付ナビ」
「添付ナビ」は日本製薬団体連合会、医療機器産業連合会、GS1Japanが共同開発した医療従事者用アプリケーションです。
医薬品・医療機器等の包装上のGS1バーコードを読み取り、PMDAのホームページの添付文書情報等を閲覧できるシステムとなっています。
モバイル端末に「添付ナビ」をインストールして利用します。
2021年8月から、医薬品と一緒に同梱されていた紙の添付文書は原則として廃止され、電子媒体を通した読み込みにより添付文書を閲覧することとなります。
具体的には、医薬品が入っている箱につけられた符号(バーコードリーダーやQRコードなど)をスマホやタブレットなどを使用して読み取り、インターネット経由で添付文書にアクセスして閲覧することが基本となります。
医薬日医療機器総合機能のホームページに「添付文書電子化における外箱の符号からのリンクに関する技術的情報(業者向け)」のPDFファイルが公開されておりましたので添付いたします。
添付文書電子化における外箱の符号 からのリンクに関する技術的情報 (業者向け)
2018年11月8日、厚生科学審議会において、医薬品の購入時に同梱される紙の添付文書は廃止する方向性で話し合いが行われました。審議会での方向性としては「最新の情報を提供するために添付文書に記載されている情報を電子的な方法により提供することを基本とする」ということです。
現状では、医薬品の箱(外箱)を開封すると「医薬品と添付文書」が同梱されているわけですが、今後は「医薬品だけ」が入っている状態となり、添付文書は医薬品の箱(外箱)にQRコード等を表記することになります。また製造販売業者または卸売販売業者により紙媒体の提供も行われるということです。
添付文書を電子化したとしても、「現状の添付文書の様式を維持する方向で検討する」と厚生労働省担当者は回答しています。また、紙媒体での添付文書の情報提供に関しては「情報提供の責任はメーカーにあるが、どのように確実に届けるかはメーカーと医薬品卸の両社が考えていくことになる。添付文書が改訂されたときには医薬品医療機器情報配信サービスなどで情報提供することになる」と説明しています。
現状、添付文書が改訂されたときは「添付文書改訂のお知らせ」といった感じの封筒が医療機関に送られてきます。このような「プッシュ型」のお知らせスタイルは引き続き継続していただきたいところです。
私の場合、業務中に「紙の添付文書を見ること」は1日に1回あるかどうかです。患者様とのお話の中で「半減期が知りたいなぁ」「服用後〇時間後の血中濃度は・・」「副作用発現頻度は・・・」といった内容を患者様と一緒に確認する際に紙の添付文書を使用することがあります。また、電子薬歴を使用している場合は、添付文書(PDF)を閲覧することも可能かと思います。
私としては、新発売の医薬品には添付文書が同梱されているとありがたいです。発売から数年経過して添付文書を見る回数が減った医薬品に関しては“添付文書は捨てるだけ”というケースが多いのでQRコードで印字されている程度でよいのかなぁと感じます。
尚、「医薬品、医療機器等の適正使用が損なわれることがないよう、今回の制度改正にあたっては、十分な経過措置を設けることとする」としています。