生活保護受給者の医療扶助の抑制策として後発医薬品の使用を閣議決定
政府は2018年2月9日、生活保護法や生活困窮者自立支援法など改革法案を閣議決定しました。今国会に提出し、今年度内の成立を目指します。
政府が閣議決定した改正法案について
・子供の貧困対策
生活保護世帯の子供が大学や専門学校に進む場合、新生活準備のためとして10~30万円を支給する制度(2018年4月施行予定)
・ひとり親家族対策
ひとり親家族に支給する児童扶養手当に関して、既存ルールでは4か月ごとにまとめて年3回支給する仕組みでしたが、2か月ごとにまとめて年6回支給するルールへ変更
(2019年9月施行予定)
・無料低額宿泊所の改善
無料低額宿泊所に関して防火体制や部屋面積などの最低基準を設ける(2020年4月)
・生活保護受給者の後発医薬品使用
生活保護費の医療費にあたる「医療扶助」の抑制策として、後発医薬品の使用を原則にし、医師が医学的に問題ないと判断すれば、本人の希望に関わらず処方されるようになります。
(2018年10月施行予定)
施行予定時期は2018年10月と予定されていますが、2018年4月から改定される診療報酬改定により後発医薬品使用率のハードルがいままで以上に上がっていますので、医療機関がいつごろから後発医薬品の使用を前向きに考えるかがポイントになるかもしれません。
追記
2018年4月26日
衆院厚生労働委員会は生活保護受給者は原則として価格の安いジェネリック医薬品を使用するなどのあんを盛り込んだ生活保護法の改正案を自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決しました。働き方改革関連法案の審議入りを急ぐ与党は野党不在のまま採決を行い、5月にも成立する見通しです。
現行の医療扶助の方法を確認してみると、以下に示しますように「可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努めるものとする」という程度にとどまっておりました。
~医療扶助の方法(第三四条)~
前項に規定する医療の給付のうち、医療を担当する医師又は歯科医師が医学的知見に基づき後発医薬品(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認を受けた医薬品のうち、同法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有すると認められたものであつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を使用することができると認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことによりその給付を行うよう努めるものとする。