睡眠薬(眠剤)の使用量ランキング(エクセルファイルダウンロードあり)

睡眠薬(眠剤)の使用量ランキング(エクセルファイルダウンロードあり)

一昔前、睡眠薬といえば「ベンゾジアゼピン系」が主流の睡眠薬でした。しかし、現在は「睡眠薬の習慣性」を回避する目的で、ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬へ切り替えていきましょうという流れができています。

具体的にはロゼレム(ラメルテオン)やデエビゴ、ベルソムラ、クービビックといった非ベンゾジアゼピン系の薬剤が「クセになりにくい眠剤」として、切替が推奨されています。

そこで、令和4年度の院外処方せんに関して、睡眠薬の処方状況やロゼレム・デエビゴ・ベルソムラといった薬剤の使用率がどの程度となっているかについて調べてみることにしました。

データベースはNDBオープンデータ活用しており、先発・後発をミックスして使用量を計算しています。

例:ブロチゾラム錠0.25mgの使用量は

レンドルミン錠0.25mg+レンドルミンD錠0.25mg+ブロチゾラムOD0.25mg「屋号」+ブロチゾラム錠0.25mg「屋号」の合計数して算出しております。

トップテンの結果を示しますと

ブロチゾラム0.25 83,111,918
ゾルピデム酒石酸塩5 69,478,757
アルプラゾラム0.4 58,179,004
ゾルピデム酒石酸塩10 41,100,383
トリアゾラム0.25 34,075,268
ロラゼパム0.5 29,386,759
デエビゴ5 24,580,498
フルニトラゼパム1 24,307,742
ベルソムラ15 24,086,169
ジアゼパム2 20,374,652

レンドルミン(ブロチゾラム)0.25mgが1位、マイスリー(ゾルピデム)5mgが2位となりました。

ソラナックス(アルプラゾラム0.4mg)やワイパックス(ロラゼパム0.5mg)、ジアゼパム2mg(ホリゾン2mg)などは眠剤というよりは安定剤の部類であり、1日3回服用するケースもある薬剤ですので、このランクインにいれることが適切かどうかはわかりませんが、ベンゾジアゼピン系薬剤ということろで、NBDオープンデータで区分されている医薬品をそのまま記載しております。

興味深い点としては、デエビゴ5mgが7位、ベルソムラ15mgが9位にランクインしていることで、「クセになりにくい眠剤」がトップ10に2品目もランクインしていることは、眠剤に関する国の指針が重要視されていることが伺えます。

クセになりにくい眠剤「ロゼレム(ラメルテオン)やデエビゴ、ベルソムラ」の全体に占める使用率は令和4年のNBDオープンデータの集計によると12.3%と算出されました。この記事を記載しているのが令和7年5月ですので、いまから2年前の時点で、どうでしょう、想像よりは切り替えが進んでいるように感じませんか?

令和5年以降のNBDオープンデータが公開されれば、さらなる進展があるように期待されます。

睡眠薬(眠剤)の使用量ランキングのデータをエクセルファイルにまとめましたので、興味があるかたは以下よりダウロードしてください。

ブラウザはgoogle  chromeを推奨いたします。

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ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業