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平成33年(2021年)から市場規模350億円以上の医薬品は薬価が見直される

平成33年(2021年)から市場規模350億円以上の医薬品は薬価が見直される

 

厚生労働省の中央社会保険医療協議会 薬価専門部会において薬価制度の抜本改革についての骨子(案)が公開されました。

1.効能追加等による市場拡大への速やかな対応

○ 保険収載後の状況の変化に対応できるよう、効能追加等があった医薬品は全て、NDB(ナショナルデータベース)により使用量を把握し、その結果、市場規模が 350 億円を超えたものは、年4回の新薬の保険収載の機会に市場拡大再算定のルールに従い、速やかに薬価を改定する。

 

2.毎年薬価調査、毎年薬価改定

○ 市場実勢価格を適時に薬価に反映して国民負担を抑制するため、2年に1度の薬価改定の間の年度(薬価改定年度)において、全ての医薬品卸から、大手事業者を含め調査対象を抽出し、全品目の薬価調査を実施することとし、その結果に基づき、薬価を改定する。

薬価制度の抜本改革骨子(案)

○ 対象品目の範囲については、平成 33 年度(2021 年度)に向けて※、安定的な医薬品流通が確保されるよう、国が主導し、単品単価契約、早期妥結、一次売差マイナスの是正等を積極的に推進し、流通改善に取り組むことにより、薬価調査が適切に実施される環境整備を図りつつ、国民負担の軽減の観点から、できる限り広くすることが適当である。

 

○ 平成 30 年度(2018 年度)から平成 32 年度(2020 年度)までの3年間継続して、全品目の薬価改定が行われることから、この間の市場実勢価格の推移、薬価差の状況、医薬品卸・医療機関・薬局等の経営への影響等を把握した上で、平成 32 年(2020 年)中にこれらを総合的に勘案して、具体的な範囲を設定する。

○ 薬価調査については、平成 30 年度(2018 年度)に行う調査より、購入側の調査において、購入先卸の名称を記載し、販売側の調査との突合を行いデータの検証を行う仕組みとするなど正確性の確保と効率化を図る。

さらに、効能追加等による市場拡大への速やかな対応として

○ 効能追加等により市場規模が急激に拡大した医薬品について、2年に1回の改定を待たず、迅速かつ機動的に対応するため、下記の要件に該当する医薬品について、NDB(ナショナルデータベース)により2年間使用量を把握し、市場規模が350億円を超えたものは、年4回の新薬の保険収載の機会に、市場拡大再算定のルールに従い薬価を改定する。

 

① 効能追加等がなされた医薬品

② 収載時に、2年度目の販売予想額が100億円(原価計算方式)又は150

億円(類似薬効比較方式)以上とされたもの

 

○ あわせて、用法用量変化再算定についても、新薬収載の機会(年4回)を活用する。

というルールが追加されています。

効能追加等による市場拡大への対応

2016年度で年間350億円以上の売り上げがある医薬品:単位(億円)

ハーボニー:1647

オプジーボ:1039

ミカルディス含配合剤:932

アバスチン:921

リリカ:862

ネキシウム:840

ソバルディ:713

ジャヌビア:709

オルメテック:694

イグザレルト:672

アジルバ含配合剤:669

レミケード:668

ミカルディス単剤:576

ネスプ:563

プログラフ含グラセプター:488

フォルテオ:488

リュープリン:486

ジプレキサ:477

セレコックス:476

メマリー:469

アイリーア:452

プラビックス:445

クレストール:431

サインバルタ:416

エンブレル:404

シムビコート:393

トラゼンタ:385

ヒュミラ:377

ロキソニン:374

アリムタ:373

 

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業