SNS上の広告で「ほくろ、いぼ、シミが取れる」といううたい文句でインターネット販売されていた中国製の軟膏「点痣膏」を強いようして皮膚壊死、皮膚潰瘍となった事例が国民センターに報告されました。
hokuro
顔面のほくろに「点痣膏」を塗ったところ、直後に熱くなって痛みを感じた事例です。
皮膚科を受診し、熱傷で治療見込みは1年以上との診断でした。
同様に、鼻周辺のしみ・ほくろ3か所に強めに擦るように塗り広げた事例では薄く皮がむけてビリビリと痛みを感じ、塗ってから1分弱で同梱のジェルをつけたら痛みは消えたが、塗った個所は赤紫色の熱傷となった事例も報告されています。
問題となっている「点痣膏」の有効成分は「酢酸クロルヘキシジン」という殺菌剤で、犬猫のシャンプーなどに含有されている成分です。
しかし、その他の成分として「酸化カルシウム」が濃度不明で含まれており、点痣膏のpHを調べた結果「14」と強アルカリ性であることが調査結果で明らかとなっています。
強いアルカリ性の物質は人の皮膚などの蛋白質を変性させます。目に入ると失明の危険もあります。
酸化カルシウムは皮膚上の水分と発熱反応を起こして水酸化カルシウムを生成します。この発熱反応で皮膚がただれます。さらに生成された水酸化カルシウムはアルカリ性ですので、皮膚表面を溶かします。2段階で皮膚にダメージを与えるような印象です。
点痣膏の使い方には「つまようじを使って、ほくろに少量のクリームをつけ、1~2分ほおどで皮膚がヒリヒリといたみだしたら、綿棒でクリームをきれいにふき取る。かさぶたができて剥がれるのを辛抱強く待つ」
という謎の使い方が記されていたようです。
皮膚表面の痣やシミ・ほくろをとるのは医療行為ですので、インターネットで購入できる品目で、なにかできることではないことを知り、皮膚科医や形成外科を受診することが解決策となります。