ラミクタール錠のジェネリック医薬品が2018年6月に5社から発売されます。先発品とジェネリック医薬品との違い・ジェネリック医薬品の特徴について以下にまとめました。
・適応症
ラミクタール錠には「定型欠神発作」という適応症がありますが、ジェネリック医薬品には、その適応症はありません。先発品と後発品でのいわゆる“適応症不一致“に該当します。
・包装
ラミクタール錠には「スターターパック」という包装がありますが、ジェネリック医薬品にはスターターパック包装を販売するメーカーはありません。
ラミクタール錠には「バラ錠包装」はありませんが、トーワ薬品がバラ錠包装を販売します。
・ラミクタール錠と同様にラモトリギン錠(5社とも)は“チュアブル・ディスパーシブル錠”となっております。そのため服用時は水でそのまま飲むこともできますし、かみくだいて(咀嚼して)から水で飲むこともできます。
・ラモトリギン錠「日医工」
添加物リストがラミクタール錠と同じです。いわゆる「添加物の違いによる副作用」を回避するのであれば日医工製品は安心と思えます。ラミクタール錠の副作用には皮膚発疹(5%)というのがありますので、ジェネリック医薬品への切り替えを検討するのであれば“添加物”は一つのポイントになるかもしれません。
錠剤の刻印:英語・数字
剤形:25mgは先発よりも一回り小さい、100mgは先発とほぼ同じ(誤差0.1mm)
グレープ風味
・ラモトリギン錠「JG」/ラモトリギン錠「アメル」
「JG」製品と「アメル」製品は薬物動態・剤形が全く同じですので、同一製品と考えられます。添加物リストは先発品の甘みが「サッカリンNa」を使用しているのに対して、JG/アメル製品の甘みは「アセスルファムKとスクラーロース」を使用しています。それ以外は同じリストとなっています。
錠剤の刻印:カタカナ
剤形:先発とほぼ同じ(誤差0.1mm)
グレープ風味
・ラモトリギン錠「サワイ」
剤形が先発品とまったく同じであることがメリットです。添加物組成を確認してみますと先発品にはない「バニリン・エチルバニリン」が香料として含まれています。そのため「バニラの香り」を感じることができそうです。さらに「プロピレングリコール」(チュアブル錠によく含まれる)も添加されています。
錠剤の刻印:英語・数字
剤形:先発と同じサイズ
カシス様芳香
先発と同じサイズ、形を採用
・ラモトリギン錠「トーワ」
25mg/100mgともにバラ錠を発売することが一番のメリットです。バラ錠を発売するメーカーは「トーワ」しかありませんので、一包化の使用量が多い店舗には有用な規格となります。先発のラミクタール錠の剤形が四角いのに対して、「トーワ」製品は丸い形をしています。錠剤分包機での流用を考えての剤形であるとするとバラ錠での市場を意識した剤形のように感じます(錠剤分包機のカセットは丸剤形のカセットが多いため)。添加物リストは先発品と大きく異なります。
錠剤の刻印:カタカナ・数字
剤形:丸い形
2018年4月現在のラミクタール錠の薬価は
ラミクタール錠100mg:231.6円
ラミクタール錠25mg:86.8円
となっていますので、2018年6月に発売されるジェネリック医薬品は50%OFFの薬価となる見込みです。
ラモトリギン錠「日医工」品を私の所属する店舗は採用してみました。発売開始当初、安定供給に不安があり、なかなか納品できない時期もありましたが、1ヶ月たった現在では安定供給が可能となっているようです。応需する処方箋の中には医師の指示により「ラミクタール」だけは後発品への変更不可となっている処方箋を何度か目にしました。それ以外の患者様でジェネリック医薬品をご希望の方にはラモトリギン「日医工」をお渡ししておりますが、今のところ特に患者様からの不具合はでておりません。