ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について

ザイロリック(アロプリノール)による末梢動脈疾患リスクの減少について

 

ザイロリック(アロプリノール)の服用が高齢者の末梢動脈疾患リスクを低下することについて米国の研究チームが報告を行いました。

2006~2012年にアロプリノールを服用した患者さん2万5282人(2万6985件)を対象として末梢動脈疾患リスクに関する調査が行われました。その結果、3167件(12%)で末梢動脈疾患の発症が確認されました。アロプリノール服用群(全体)のハザード比は0.88、アロプリノール服用群(女性)のハザード比は0.84となっており、動脈疾患の発症リスクが12~16%低下していることが確認されました。(後ろ向きコホート研究)

アロプリノール服用による末梢動脈疾患リスクの低下

また、別の多変量調整モデルのデータでもアロプリノールを181日~2年間使用すると末梢動脈疾患リスクのハザード比が0.88(12%低下)するという報告が確認されています。2年以上の使用によりハザード比は0.75まで低下したと報告されております。

 

筆者らは「アロプリノールの使用は高齢者における末梢動脈疾患リスクの低下と関連しており、長期的なアロプリノールの使用が保護的効果をもたらす可能性がある。今後の研究で末梢動脈疾患抑制効果のメカニズムを解明する必要がある」としています。

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末梢動脈疾患(PAD)とは足の血管に動脈硬化が生じて、血管が細くなることで血流がとどこおり、足の十分な血液が流れなくなることで発症する疾患です。これにより歩行時の足のしびれや痛み・冷えなどの自覚症状が起こります。悪化すると足に潰瘍ができたり壊死したりするケースもあります。

アロプリノール服用による末梢動脈疾患リスクの低下

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ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業