FDAは基礎インスリン製剤トレシーバの添付文書に、ランタスと比較してトレシーバの主要心血管リスク軽減データ(非劣勢)および重大な低血糖発現リスクの軽減データについて添付文書への記載を認めました。
トレシーバとランタスの心血管系リスクを確認するために104週間(2年間)に渡って実施された試験です。心血管リスクの高い2型糖尿病患者を対象として実施され、基礎インスリン製剤であるトレシーバ群(3818人)またはランタス群(3819人)を使用した時の心血管リスクを評価しています。(日本人を含む)
米国食品医薬品局(FDA)がトレシーバの添付文書に心血管アウトカムと重大な低血糖についての試験結果を含めることを承認
結果
トレシーバ群とランタス群を比較した時のハザード比
主要心血管リスク:0.91
心血管死リスク:0.96
非致死性脳卒中:0.90
非致死性心筋梗塞:0.85
いずれの値もトレシーバ群で低い数値となっており、トレシーバ群はランタス群と比較して10%ほど心血管リスクが低いデータとなっています。
更に副次的評価項目としてトレシーバ群はランタス群と比較して、重大な低血糖の発現頻度が有意に低く(40%)、重大な夜間低血糖の発現頻度も有意に低い(53%)値となっています。
事後解析の結果、試験終了時のHbA1cの群間差の推定値は0.01%となっており両群での血糖コントロールは同レベルです。空腹時血糖値について、トレシーバ群はランタス群と比較して有意に低下していました。
(永続的な中止となる重篤な有害事象において、トレシーバ群5.2%、ランタス群5.8%)
上記のDEVOTE試験の結果をうけて、FDAはトレシーバの添付文書に心血管アウトカムと重大な低血糖リスク減少についての試験結果を記載することを承認しました。
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トレシーバについて
トレシーバは血糖降下作用が42時間(外国人データ)以上持続する1日1回タイプの基礎インスリン製剤です。1日1回、毎日一定のタイミングであればいつでも投与することが可能です。尚、注射時刻は原則として毎日一定としますが、やむを得ず投与時刻の調節が必要になった際には注射時刻を変更することが可能です。通常の注射時刻から変更する必要がある場合は、血糖値の変動に注意しながら通常の注射時刻の前後8時間以内に注射時刻を変更し、その後は通常の注射時刻に戻すよう指導する必要があります。
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