おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

糖尿病

長時間座っていると糖代謝に影響する。改善するには起立ではなくウォーキング

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長時間座っていると糖代謝に影響する。改善するには起立ではなくウォーキング

 

長時間座っている姿勢を続けると糖代謝の悪化をまねくだろうなぁというイメージは沸きます。

 

129人の被験者を対象として、6時間半の調査期間中

  • ずっと座っている群
  • 30分に1回、5分間の起立する群
  • 30分に1回、5分間のウォーキングをする群

に分けて、インスリン値と血糖値が測定した比較試験が行われいました。

長時間座っていると糖代謝に影響する。改善するには起立ではなくウォーキング

結果

食後インスリン値

1)ずっと座っている群:69.9mU/L

2)30分に1回、5分間の起立する群:75.9mU/L(ずっと座っている群と有意差なし)

3)30分に1回、5分間のウォーキングをする群:56.4mU/L(ずっと座っている群より有意に低い)

 

食後血糖値

1)ずっと座っている群:5.9mmol/L

2)30分に1回、5分間の起立する群:5.9mmol/L (ずっと座っている群と有意差なし)

3)30分に1回、5分間のウォーキングをする群:5.6mmol/L(ずっと座っている群より有意に低い)

 

食後平均血糖値の低下する率は男性よりも女性の方が高く、BMIが低い群よりも高い群の方がより大きく低下したことが報告されました。

 

長時間の坐位は血糖上昇につながることは何度も報告されておりましたが、坐位からの立位(起立)だけでは、血糖値低下作用はなく、立ち上がって動くことが大切であるという報告は非常に前向きな報告に思います。

 

メトグルコで「便の中にブドウ糖を出す」作用が発見される

神戸大学の研究チームはメトグルコ(メトホルミン)に「便の中にブドウ糖を排泄させる」効果があることを報告しました。

PET-MRIという日本国内に9台しかない放射線装診断装置を用い、血液中のブドウ糖が大腸から便の中に出ていく(排泄される)過程を調べています。

 

メトホルミンを飲んでいる糖尿病患者と飲んでいない糖尿病患者における体内のブドウ糖の動きを調査したところ、メトホルミンを飲んでいる患者でブドウ糖が腸に集まることが確認されました。さらに、腸の中において「腸の壁」と「腸の中(便やその他の内容物)」にわけて調べたところ、小腸の肛門に近い部分(回腸)から先の部分では、メトホルミンを飲んでいる患者の体内では「腸の中(便やその他の内容物)」にブドウ糖がたくさん集まっていることが確認されました。

(一方、「腸の壁」へのブドウ糖の集まり方に関しては、メトホルミンを飲んでいる群、飲んでいない群で差はありませんでした)

 

この結果から、メトホルミンを飲むと、血液中のブドウ糖が、腸から便の中へ出ていくことを示しています。SGLT2阻害剤は1日当たり数十グラムのブドウ糖を尿中に排泄させますが、メトホルミンによって便の中に何グラムのブドウ糖が出ていくかについて、量的な評価はできないということです。

メトホルミンによる腸内細菌叢の変化も血糖を下げる作用と関係していると考えられています。ブドウ糖などの栄養素の変化は細菌の増殖に影響を及ぼすため、便にブドウ糖を出すことと腸内細菌叢の変化は関係している可能性があると筆者らは考えています。

メトホルミンを服用すると便中へのブドウ糖排泄量が増える

メトグルコ服用と体重増減について(2017年11月15日)

アメリカではメトグルコが過体重または肥満患者さんへ肥満改善を目的として処方されるケースがあります。また2型糖尿病患者さんへは高血糖改善を目的として処方されています。今回は健常人または2型糖尿病患者さんへメトグルコが処方された際の体重変化に着目してみます。

 

肥満非糖尿病患者の集団を対象としてメトグルコ(850mg)を6か月間投与した時の効果を確認したデータでは、ある程度体重減少、体重減少傾向が認められたと報告しているデータはいくつかあります。

しかし、メトグルコによる体重減少効果を報告している複数のデータについて対照比較試験との解析を行った結果、体重に対する作用は体重コントロールそのものを目的とした治療に用いるほど大きくはないと結論づけられています。

メトグルコとアルコール多飲による乳酸アシドーシス症例

つまりメトグルコを服用しているというプラセボ効果なのか、メトグルコの腸管ブドウ糖嫌気性代謝作用、末梢での糖利用亢進作用などの働きのためかは不明ですが、メトグルコ服用により明確な体重減少効果は期待するほどでもないことが示唆されました。

2型糖尿病患者さんにおけるメトグルコと体重

2型糖尿病患者さんに処方される薬の中では、SU剤(アマリール、オイグルコン、グリミクロン)、インスリン製剤の働きは血中のブドウ糖を細胞内に取り込む効果を促進することで血糖値(血液中のブドウ糖量)を減少させることを目的として投与されます。つまりブドウ糖を体が蓄えるため体重増加はやむをえません。

平均年齢79歳の糖尿病患者さんを対照としてメトグルコとSU剤による体重増減を比較したデータではメトグルコ群では体重が平均2kg減少したのに対し、SU剤では1.6kg増加したとういデータがあります。報告されているデータの平均ではメトグルコ単剤服用群とSU剤単剤服用群での平均体重差は平均4kgであり、メトグルコ単剤の患者さん群で体重減少が示されています。

 

メトグルコと食事療法

2型糖尿病患者さんを対象としてメトグルコ単剤服用群と食事療法群とにわけて10年にわたり体重増減を確認したデータでは、この2群間に体重変動の差はみられなかった(2年間で2kg程度の増量)。つまりメトグルコ服用と食事療法は、いずれも体重変動に関して他の糖尿病治療薬よりも体重増加作用は少なく、治療をつづけることができることが明らかとなっています。

まとめ
メトグルコ単剤服用による体重減少効果(ダイエット効果)については、それを証明するデータはありません。あくまで体重減少に寄与する可能性がある程度にとどまりました。
一方、2型糖尿病患者さんに関しては、他の糖尿病薬では体重増加がやむを得ないのに対し、メトグルコでは体重減少効果がみとめられました。糖尿病治療は長きにわたり治療が続きますのでメトグルコによる体重管理は重要であると思われます。

メトグルコ服用により体重減少傾向が認められた例

 

-糖尿病
-メトグルコ, メトホルミン, 体重減少, 糖尿病治療

執筆者:ojiyaku


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