おじさん薬剤師の日記

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麻薬

医療用大麻の実用化について(2021/6/2)

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医療用大麻の実用化について(2021/6/2)

 

2021年に入り、日本国内でも医療用大麻の実用化に向けた議論が進展しています。

このままのペースで議論が進めば、2022年以降に法整備が行われ、日本国内でも治験などの臨床試験において医療用麻薬の使用が認めれるものと個人的には推測しています。

 

2021年に入り、厚生労働省で話し合われている“医療用大麻”とは、乳幼児や小児期に発症する「難治性のてんかん(遺伝性疾患)治療薬の実用へ向けて」という案件がメインテーマだと私は考えています。

 

米国では2021年に入り、嗜好品として「嗜好用大麻」が多くの州で合法化されていますが、日本国内における「医療用大麻の実用化」と「米国における嗜好用大麻の解禁」は意味合いが大きく異なりますのでご留意ください。

 

注)「米国における嗜好用麻薬の解禁」は、コロナショックによる経済打撃の緩和策として多額の公的資金(国のお金)が給付金として国民や市場に流れました。その公的資金の回収策の一環として嗜好用大麻を解禁し、嗜好用大麻販売における税収を見込んだものと個人的には考えています。(日本におけるタバコ税のようなものです)

大麻規制のありかたについて

話を日本国内の「医療用大麻の実用化」へ話を戻します。

2018年6月29日に米国にて大麻由来の成分で作られた医薬品「カンナビジオール経口液剤」が医薬品として認可されました。適応症は小児・乳幼児時に発症する「難治性てんかんであるレノックスガストー症候群およびドラベ症候群です。

カンナビジオール経口液剤はドラベ症候群に対する唯一の治療薬です。

 

2021年6月時点において、日本の「大麻取締法第4条第1項」において、大麻から製造した医薬品の使用は禁止さてれいます。唯一、大麻研究者は厚生労働大臣の許可を受けた場合のみ「大麻」を輸入することができると明記されていますが、実質的には不可能なレベルです。

 

米国にてドラベ症候群に対する治療薬が開発されたにも関わらず、日本国内での販売はもとより、治験(臨床試験)すらも難しい現在の「大麻取締法」はいかがなものか?という昨今の実情を踏まえて、「大麻規制のありかた」についての国内ルールを見直してみようという感じが今の厚生労働省の流れです。

 

具体的な見直し案としては「大麻がダメ」というこれまでの考えから「大麻に含まれているTHCという有害物質がダメ」というルールに変えましょうという感じです。

 

注)THCとはテトラヒドロカンナビノールという一般名称で、いわゆる高揚感・多幸感などの精神作用が強い作用を有する成分です。

ハンマーでも破砕できない“オキシコンチンTR錠”が2017年12月8日発売

厚生労働省における「麻薬規制のありかた」についての議論は今後とも続くわけですが、「麻薬はダメ」というこれまでの知見は古いですよ、2020年にWHOが「麻薬単一条約において医療上の有用性が認められる」という見解をしめしており、「大麻から製造された医薬品がG7諸国において難治性てんかん治療薬として認可されている」実情を踏まえて日本国内の「麻薬及び向精神薬取締法」をちょっとだけ見直しましょうといった感じの内容であると私は認識しております。

 

 

 

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-カンナビジオール経口液剤, 医療用大麻, 難治性てんかん, 麻薬

執筆者:ojiyaku


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