おじさん薬剤師の日記

調剤薬局で勤務するおじさんです。お薬のはたらきを患者様へお伝えします

糖尿病

2型糖尿病治療薬“グルコキナーゼ活性化薬”の効果について

投稿日:2019年1月31日 更新日:

2型糖尿病治療薬“グルコキナーゼ活性化薬”の効果について

 

2型糖尿病について、新しい作用をもった治療薬“グルコキナーゼ活性化薬”に関する第2相試験の報告がなされました。

グルコキナーゼ(GK)とはグルコースの恒常性を調節するために重要な因子であり、体内では膵臓のランゲルハンス島や肝臓、腸内のL細胞・K細胞、中枢神経系のニューロン(主に視床下部)において発現している酵素です。

glucokinase

glucokinase

今回、報告された治療薬“TTP339”は肝臓のグルコキナーゼのみを標的として活性化する働きがあることが非常にポイントとなっており、肝臓におけるグルコキナーゼの活性化は急激な低血糖を引き起こすことなく血糖値を低下させる作用が期待されます。(膵臓のランゲルハンス島のグルコキナーゼを活性化させてしまうと急激な低血糖が生じてしまい薬としての実用性が難しいと考えられていました)

2型糖尿病治療薬“肝臓選択的グルコキナーゼ活性化薬”について

第2相臨床試験

 

2型糖尿病患者190人を対象として

 

メトホルミン + TTP399(1日800mg)服用群

メトホルミン + プラセボ服用群

メトホルミン + ジャヌビア服用群

スーグラ錠の適応症に「1型糖尿病」が追加となる

上記の糖尿病治療薬を6か月間服用した結果、メトホルミン + TTP399服用群においてHbA1cの大幅な低下作用が確認されました。

(ベースラインからのHbA1cの減少量が:―-0.9%)

「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。

さらに、重篤な低血糖や、トリグリセライド値の上昇や肝臓酵素に対する有害な影響は認められませんでした。血圧上昇も確認されませんでした。

 

空腹時血漿グルカゴンの減少(-20pg/ml)、体重100kg以上群における体重減少(-3.4kg)が確認されました。

 

肝臓選択的グルコキナーゼを活性化薬は新しい分野の糖尿病治療薬ですので、有効性や安全性に関する今後の報告に期待したところです。

 

 

-糖尿病
-2型糖尿病, TTP339, グルコキナーゼ活性化薬, 肝臓

執筆者:ojiyaku


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

insulin-resistance

「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。

目次 「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。脳がインスリン抵抗性を指示している血液中の脂肪酸濃度が高いとインスリン抵抗性がUPする説まとめ 「インスリン抵抗性」の意味を調べてみました。 &nbs …

oral-semaglutide-1

糖尿病治療薬オゼンピック皮下注の飲み薬バージョン“経口セマグルチド”を承認申請

目次 糖尿病治療薬オゼンピック皮下注の飲み薬バージョン“経口セマグルチド”を承認申請経口セマグルチド製剤について経口セマグルチドの第三相臨床試験データ心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性脳卒中の複合リ …

statin-DM-T2d

コレステロールの薬を飲み続けて大丈夫ですか?

目次 コレステロールの薬を飲み続けて大丈夫ですか?スタチン製剤を服用すると大腸がん患者の死亡リスクが下がる?(2019年5月)スタチン製剤を飲み続けた場合のリスクについて国内で使用されているコレステロ …

LANTUS-TRESIBA

ランタスと比較してトレシーバの心血管リスク軽減(非劣勢)を添付文書に記載(FDA)

目次 ランタスと比較してトレシーバの心血管リスク軽減(非劣勢)を添付文書に記載(FDA)~トレシーバとランタスの効果を比較したDEVOTE試験について~ ランタスと比較してトレシーバの心血管リスク軽減 …

2型糖尿病患者におけるSGLT阻害剤、GLP-1作用薬、DPP-4阻害剤の心血管疾患イベントへの影響について

2型糖尿病患者におけるSGLT阻害剤、GLP-1作用薬、DPP-4阻害剤の心血管疾患イベントへの影響について

2型糖尿病患者におけるSGLT阻害剤、GLP-1作用薬、DPP-4阻害剤の心血管疾患イベントへの影響について   2型糖尿病患者さんに対する血糖降剤“SGLT2阻害剤、GLP-1作用薬、DP …