ninpu
炭酸リチウムは躁病時の気分を安定させるために処方される薬です。しかし胎児における心臓奇形や催奇形作用(動物実験)が報告されているため妊婦には禁忌となっている製剤です。臨床で妊婦に対して使用した報告がいくつか上がっていましたので、妊婦に対する炭酸リチウムの使用状況につて確認してみました。
海外では双極性障害の治療薬として炭酸リチウムが処方されることがあります。妊婦への炭酸リチウム投与に関しては出生児における心臓奇形のリスクがあるため国内では禁忌とされていますが、疫学研究の結果では、炭酸リチウムにより催奇形性が生じるリスクについて、過去の報告が過大評価されている(心臓の催奇形性について、それほど頻度が多くない)と記されている報告もチラホラ目にしました。
以下に妊婦が炭酸リチウムを服用したときの妊婦および新生児についての報告を記します。
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妊娠最初の三ヶ月に炭酸リチウムを使用すると催奇形性リスクが上がる?
炭酸リチウム製剤のインタビューフォームには
妊婦に対する薬剤の使用状況に関しては「免疫抑制剤の禁忌が解除」された例がありましたので、ほかの薬についてはどうかなぁと思いまして、海外で使用例がいくつかあがっていた「炭酸リチウム」について調べてみました。妊娠初期で「催奇形性」のリスクが上昇するという報告例がありましたので、日本で妊婦に禁忌解除となることは難しいかもしれません。
(厚生労働省の見解によると「催奇形性のリスクに有意差がない」ことが妊婦禁忌を解除するポイントなんだろうなぁと私は認識しております。)