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ナウゼリン錠(ドンペリドン錠)について、妊婦への使用禁忌が解除されました。
ドンペリドンは日本で消化器症状の治療薬として承認されていますが、ラットで高用量投与(200㎎/㎏/日)により催奇形性が見られたことから、従来は「妊婦または妊娠の可能性のある女性」への投与が禁忌とされていました。
しかし、日本産科婦人科学会などの要望を受けてWG(ワーキンググループ)が再検討を行い、以下の理由から禁忌を解除し、
「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り使用できる」
との注意書きに変更する方針がまとめられました
– ラットに対して、臨床用量の200㎎/㎏/日(65倍量)では催奇形性が見られたが、70㎎/㎏/日(23倍量)での試験では催奇形性が確認されていないこと
– 妊娠初期の使用による先天異常リスク増加を示す疫学的証拠が存在しないこと
– 国内外のガイドラインにおいて、妊婦への使用が全面的に禁忌とされているわけではないこと
また、妊娠に気づかず本薬を服用し、その後に妊娠継続への不安から中絶を選ぶケースもあるため、禁忌記載の見直しは臨床上意義があるとされています。
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