2020年6月に各社から発売される予定となっておりますメマリーOD錠のジェネリック医薬品について各社の特徴をまとめ見ました。
DSEP:メマリーOD錠と全く同じ薬(原薬や添加物が同じ薬“AG薬”)を発売します。
これまでのジェネリック医薬品の販売実績を勘案しますと、原薬や添加物、薬物動態が先発品と全くと同じで値段が半額という観点から、AG薬が一定のシェアを広げることが多い印象です。しかし、AG薬は他社と比較して、値引き率が低いという特徴があるため、経営面を主因に考える病院や薬局の場合は、AG薬以外を採用検討するケースも往々にして起こりえます。
日本国内で発売されるジェネリック医薬品は非常に精度が高く、薬物動態を先発と比較した場合、そん色のない製品が多い印象です。一応ですが、各社から発売されるメマンチン塩酸塩OD錠の薬物動態(AUC、Cmax、Tmax、T1/2)について先発比を表にしてみました。
厚生労働省が後発医薬品の認可に使用している判断判断基準としてはAUC、Cmaxのデータを使用しているのですが、各社から発売される品目は先発比で97%~105%の間に入っており、非常に均整のとれた製品であることわかります。
(データはOD錠を水で服用した場合の薬物動態をエクセルファイルで作成しました)
〇〇社から発売される薬と△△社から発売される薬の薬物動態の数値が全く同じ場合、同一製品であることがわかります。沢井製薬は共同開発情報を開示しているのですが、それ以外のメーカーは開示していないケースもありますので薬物動態の数値を確認して共同開発製品かどうかを調べてみました。
・メマンチン塩酸塩OD「クラシエ」、「ケミファ」、「サンド」、「日新」
・メマンチン塩酸塩OD「JG」、「タカタ」
・メマンチン塩酸塩OD「杏林」、「YD」
・メマンチン塩酸塩OD「KMP」、「KN」
・メマンチン塩酸塩OD「ニプロ」、「ZE」
各社から発売されるメマンチン塩酸塩ODの薬物動態を確認する限り、上記のメーカーがそれぞれ共同開発していることが示唆されます。
先発品にはOD15mgという規格はありませんが、後発品ではOD15mgを発売するメーカーがあります。
OD15mgを発売するメーカー
・クラシエ
・ケミファ
・サンド
・日新
上記4社からはOD15mgが発売されます。
(上記4社は共同開発製品ですので、同一製剤となります)
(錠剤分包機カセットの流用可能)
錠剤分包機を使用している薬局では、後発医薬品が発売した際にカセットを流用できるかどうかが気になるところです。一般的には錠剤径および錠剤の厚みが0.2㎜以内であればカセットを使いまわすことができる(流用できる)という解釈かと思います。そこで先発のメマリーOD5mg/10mg/20mgと錠剤径・厚みが0.2㎜以内のメマンチンOD錠を発売するメーカーを調べてみました。
・DSEP(AG薬)
・トーワ
・クラシエ
・ケミファ
・サンド
・日新
・サワイ
・明治
・アメル
・YD
・杏林
・KMP
・KN
・ニプロ
・ZE
OD錠を半錠に割る作業は、錠剤が欠けやすいため非常に難しいのですが、割線が入っていると非常に作業がしやすく感じます。各社から発売されるOD20mgには割線が入っているのですが、OD10mgにも割線をいれているメーカーは以下の3社です。
・トーワ
・サワイ
・日医工
各社から発売される販売規格(PTP56錠、バラ100錠)等の情報や、錠剤の刻印(カタカナ印字)等の情報はエクセルファイル(ダウンロード可能)にまとめました。