2017年末に医薬品として承認されたレキサルティ錠について、オーストラリアの研究グループがアカシジアの発現頻度が低い可能性についてレビューを行っています。
報告内容
エビリファイ錠もレキサルティ錠もドーパミンD2やセロトニン5HT1Aに対する部分アゴニスト、セロトニン5HT2Aやノルアドレナリンα1B受容体に対してアンタゴニスト作用を示す医薬品ですが、この2剤は各受容体への力価が有意に異なります。
レキサルティ錠の抗精神病薬としての作用はエビリファイと同等であると示唆されますが、アカシジア・錐体外路系副作用・賦活化に関してはエビリファイと比較して少ない可能性があります。
筆者らは、レキサルティ錠に関してより多くの臨床データが必要としながらも、レキサルティ錠はエビリファイ錠とは異なる作用機序と捉え、精神病および気分障害の治療のための有望な医薬品となりうると記しています。
アカシジア症状は治療早期に発現する症状なのですが、国内の添付文書を確認する限りではエビリファイ錠もレキサルティ錠もアカシジアの副作用率は5%以上という報告となっています。今回の報告はあくまでレビューであるため、今後の研究における“展望的な報告”という認識になるかもしれません。