2018年11月3日追記
トアラセット配合錠のジェネリックメーカー比較データ(トラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態)を作成しました。
2018年12月に発売予定となっているトアラセット配合錠についてメーカーごとの特徴についてまとめてみました。トラムセット配合錠のAG薬は発売されませんので、メーカーごとの特色を把握してジェネリック医薬品を選定する感じになるかと思われます。配合錠ですので、全商品とも割線は入っておりません。
「DSEP」「ファイザー」「杏林」「マルイシ」「三笠」
上記5製品はトラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態が同じであることから同一製品と思われます。添付文書上の添加物リストは先発品と同じものが記されております。そのため患者様へジェネリック医薬品の説明をする際に「添加物が異なりますので」といった文言は不要になるかなぁ思われます。また、先発品から後発品へ変更した際に添加物由来で生じる副作用も起こりにくいかと思われます。(AG薬ではありませんので、原薬は先発とは異なりますし、添加物の配合割合も先発とは異なります。)錠剤のサイズを確認したところ先発と比較して長径・短径が0.1mm長く、厚さが0.3mm薄いサイズとなっています。カタカナ印字。
「Me」「ケミファ」「サンド」
上記3製品はトラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態が同じであることから同一製品と思われます。添加物は“プロピレングリコール、タルク”が含まれているため先発品とは異なります。錠剤のサイズを確認したところ厚さが先発品と比較して0.1mm薄いのですが、それ以外のサイズ(長径・短径・重さ)が先発品と同じ錠剤形となっております。そのため先発品から後発品への1包化カセットの流用が可能なサイズかと思われます。「ケミファ」「サンド」からはバラ500錠包装が発売される予定ですので、1包化にも適した製品かと思われます。カタカナ印字
慢性腰痛に対するミオナール錠とテルネリン錠の効果および副作用の比較
発売されるジェネリック医薬品の薬物動態のAUC(体に入って作用する薬物量)を確認したところ、トラマドール・アセトアミノフェンともに先発と比較して98~101%の間に含まれていることを、すべての製品で確認しました。AUC以外のパラメーターに関しては、トラマドール・アセトアミノフェン両剤に関する薬物動態をチェックしながら確認する感じになりそうです。
「YD」「日医工」「TCK」
上記3製品はトラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態が同じであることから同一製品と思われます。
「EE」「共創未来」「オーハラ」「日本臓器」
上記4製品はトラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態が同じであることから同一製品と思われます。
「TC」「あすか」
上記2製品はトラマドール・アセトアミノフェンの薬物動態が同じであることから同一製品と思われます。
2018年8月15日承認、12月発売予定の後発医薬品リスト(2018年8月15日承認)
トアラセット配合錠「武田テバ」
バラ100 錠という包装を販売しますので、バラ錠の在庫管理が容易となりそうです。また錠剤サイズの長径が15.1mmとなっており、先発品も含めて錠剤の長さが一番短いという特徴があります。(短い変わりに短径が長い製剤です)。さらに錠剤の厚みが5 mmとなっており、発売される品目の中で一番薄い製品という特徴もあります。
トアラセット配合錠「トーワ」
薬物動態を確認した結果、トラマドール・アセトアミノフェンのAUCおよびCmaxの値が先発品より1〜2%ほど高いというデータとなっております。さらに、Tmaxが先発と比較して小さいため効き目がピークを迎える時間が短い=効き目が早いというデータが開示されています。錠剤のサイズ・重さが一番大きい(長径15.6mm/短径6.9mm/厚さ5.3mm/重量475mg)という特徴があります。
トアラセット配合錠「JG」
トーワについで重量が大きい製剤です。バラ200錠包装を発売します。トーワと同じようにTmaxが先発よりも小さいため効き目が早いという印象です。
薬物動態を確認したところ、トラマドール・アセトアミノフェンともに先発品をほんの少しだけ下回る効果が示されています。
後発医薬品を選定する際は、上記しました内容に加えて、外観(PTPシート)や錠剤は入っている箱、値引率、流通状況などをトータルで考えて採用品目を検討することになるかと思われます。