地域支援体制加算の算定要件について、本来であれば令和3年3月31日までが経過措置となっており、令和3年4月1日からは実績に係る要件を満たした薬局が算定可能となりますが、一部臨時的な取り扱い(日本薬剤師会が資料作成)として、平成31年3月1日から令和2年2月末までの実績を用いることができることについて、日本薬剤師会が公開しました。
新型コロナウイルス対応を行った保険医療機関等は臨時的な取扱いとして、新型コロナウイルス対応期間又は緊急事態宣言が発令された月の診療実績等については控除・遡及
が認めてられており、地域支援体制加算もこの取扱いの対象となります。
今般、令和2年8月 31 日保険局医療課事務連絡の取扱いを行ってもなお、実績要件を満たさない場合は、令和3年9月 30 日までの間、新型コロナウイルスの対応の有無にかかわらず、令和元
年(平成 31 年)実績を用いても差し支えないこととなりました。また、本取扱いについては在宅患者調剤加算の実績要件も対象となります。
.実績等に係る要件の取扱い
1.Ⅱ-(2)に該当する場合
(1)実績を控除・遡及する場合
令和2年8月 31 日保険局医療課事務連絡(その 26)の1.(2)①又は②に当てはまる期間
(※)については、同連絡の2.(2)①に基づき、実績要件にかかる期間(令和2年3月1日から令和3年2月末)から控除した上で、控除した期間と同等の期間を遡及して加え、当該期間
における実績として使用します。
地域支援体制加算及び在宅患者調剤加算の年間実績(患者の診療実績等に係るものに限る)について、令和3年4月1日以降の算定に当たって「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取り扱い(その26)2(2)の取り扱いをした上でなお、実績要件を満たさない場合、令和3年9月30日までの間、平成31年3月1日から令和2年2月末までの実績を用いることが可能であり、その際の報告に用いるエクセル様式が厚生労働省のホームページに公開されておりました(年間実績に係る要件を満たすこととなる保険薬局)
2020年度診療報酬改定において、ルール変更があった改定項目について、本来であれば経過措置を経て令和3年4月1日から新基準適用となるはずでしたが、コロナ禍により新基準実績が達成できなかった医療機関があることを受けて、厚生労働省は経過措置を令和3年4月1日から令和3年9月30日まで延長する提案を行いました。
令和2年度診療報酬改定における経過措置への対応
○ 令和2年度診療報酬改定に係る経過措置について、令和2年9月30日まで講じられていたもののうち、実績要件に係る項目を令和3年3月31日まで延長している。このため、
・ 令和3年4月1日に、該当する入院料等を算定している医療機関すべてに、新たな基準が適用される。
・ ただし、現在得られている重症度、医療・看護必要度等の分布を見ても、コロナ対応等の違いのみで分布の違いを説明しきれるわけではなく、コロナ補正を講じた場合であっても一斉の新基準適用は医療提供体制に大きな影響を与える可能性がある。
○ また、診療報酬において、大部分の点数に対して設けられている算定要件及び施設基準については、前年の年間実績をもって翌1年間の算定の可否等が定まってしまうこととなる運用をしているものが多く、その場合、一斉に令和3年4月1日に算定の可否等が変更となる。このため、
・ コロナによる影響を受けている令和2年の1年間の実績により、令和3年度1年間の算定の可否が決定する。
・ 救急搬送件数等、全国的に影響を受けている項目が存在しているものの、医療機関単位や地域単位での影響の把握は困難。
・ また、実績要件を含む全ての報酬項目に係る算定状況及び要件に含まれる実績の増減に関して、個別に分析を実施することは、現時点では不可能。
・ したがって、コロナ補正を講じた場合であっても、一斉に令和3年4月1日に算定の可否等が変更となることは、医療提供体制に大きな影響を与える可能性がある。
上記の課題を受けて、経過措置の取り扱いについて以下の案が検討されております。
1.令和2年度診療報酬改定に係る経過措置
①急性期一般入院料等における重症度、医療・看護必要度の該当患者割合の引き上げ
②回復期リハビリテーション料における実績指数の水準引き上げ
③地域包括ケア病棟入院料等における診療実績の水準引き上げ
本来であれば令和3年4月1日より新基準→令和3年9月30まで延長してはどうか
2.施設基準等において年間実績を使用
例)①地域医療体制確保加算における救急搬送受け入れ件数
②処置・手術等の時間外加算における手術等の件数
③個別の処置、手術等(腹腔鏡下胃切除術、経皮的僧帽弁クリップ術など)
本来であれば令和3年4月1日より令和2年の実績を適用して判定→令和3年9月30まで令和元年の実績値で判定可能としてはどうか
3.DPCの係数の改定
①機能評価係数Ⅱにおける前年実績による改定
②激変緩和係数の撤廃
本来であれば、機能評価係数Ⅱは令和3年4月1日より令和元年10月~2年9月の実績を適用して判定→令和3年度の機能評価係数Ⅱは据え置き、激変緩和係数は撤廃
○ 医療機関等の実情を適切に把握する観点から、新たに、医療機関等において実績を記録することを求めた上で、該当入院料等が下がる場合や基準を満たさなくなる等の場合には、実績の届出(※)を求めることとする。
※ 届出の記載事項
例)・基準を満たさなくなった項目及びその実績値
・新型コロナウイルス感染症への対応等の有無
・基準を満たさなくなった理由
○ また、現在実施しているコロナ特例に関する検証は、引き続き実施することとし、上記の届出状況も併せて中医協へ報告を行い、令和3年度後半の措置についてご議論いただくこととする
尚、調剤報酬改定における地域支援体制加算(38点)の経過措置は従来通り2021年3月31日までとなっており、新基準は2021年4月1日より適用されます。
(臨時的な取り扱いが認められました:2021年3月26日)