新しい抗ヘルペスウイルス治療薬“アメナリーフ錠200mg”について

新しい抗ヘルペスウイルス治療薬“アメナリーフ錠200mg”について

平成29年5月30日 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会にて新薬5品目が審議されることとなりました。

審議される新薬5成分と、その適応症は

・アメナリーフ200mg:抗ヘルペス薬
・ソマチュリン皮下注120mg:膵臓・消化管神経内分泌腫瘍
・イストダックス点滴静注10mg:末梢性T細胞リンパ腫
・オルミエント錠2mg/4mg:関節リウマチ
・プラリア皮下注60mgシリンジ:関節リウマチに伴う骨びらんの進行抑制

となっています。

アメナリーフ(ASP2151)の作用機序

新しい作用機序の抗ヘルペス薬“アメナリーフ(アメナメビル)”について調べてみました。

アメナリーフは、既存の抗ヘルペス薬であるバルトレックス・ゾビラックス・ファムビルとは薬理作用が異なる新作用機序の抗ヘルペス薬です。

アメナリーフ200mg錠は、ヘルペスウイルスが増殖する際のDNA合成にかかわる“ヘリカーゼ・プライマーゼ”というタンパクを阻害することにより抗ウイルス作用を示します。
その薬理作用から、ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬(HPI)と呼ばれます。

既存のバルトレックスなどの抗ヘルペス薬は”チミジンキナーゼ“や”DNAポリメラーゼ“をターゲットとしていました。既存の抗ウイルス薬に耐性を有するヘルペスウイルスに対してもアメナリーフ200mgは有効な治療薬となります。

アメナリーフ200mgは1日1回の投与で十分な抗ヘルペス活性を示す薬物動態を有します。バルトレックスやファムビルとは作用機序がことなるため、併用により相乗効果を示します。

単純ヘルペスウイルスおよび水痘帯状疱疹ウイルスに対して有効な抗ウイルス活性を有しています。

治験段階での名称:ASP2121

アメナリーフ(ASP2151)の作用機序

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業