Press "Enter" to skip to content

アンヒバ坐剤を入れたのに出てきた/アンヒバ坐剤が溶けて吸収されるまでの時間

ojiyaku 0
Pocket
このエントリーを Google ブックマーク に追加

アンヒバ坐剤を入れたのに出てきた/アンヒバ坐剤が溶けて吸収されるまでの時間

 

先日、小児科の門前で勤務していときに「アンヒバ坐剤を子供につかったら10分ほどで便意があり、アンヒバ坐剤が半分ほどでてきてしいまった。」という親御さんからの電話を受けました。その場は医師に報告をして4時間ほど経過してから新しい1本使用しましょうということをお伝えしました。小児の坐剤の場合、このような事例は多々あるかと思いましたので、今回はアンヒバ坐剤を入れてから、溶けて吸収されるまでの時間、内服薬と効き目の比較について調べてみました。

痛み止めとして小児に対するカロナール(アセトアミノフェン)を使用する場合の量15mg/kgについて

モーラステープを子供に貼って大丈夫ですか?

 

アンヒバ坐剤を使用してから溶けるまでの時間

 

アンヒバ坐剤はハードファットと呼ばれるロウソクのロウのような成分にアセトアミノフェンという解熱剤の粉を練り込んで座薬の形に整形した薬です。ハードファットは33〜38℃で溶ける性質があるため、おしりに入れたアンヒバ坐剤は10分後には50%程度が溶け、20分後には90%程度が溶けるような製剤となっております(全量が溶けるまでには40分程度かかります)。同じアセトアミノフェンを含有する座薬の溶出時間をしらべてみたところ、カロナール坐剤(先発)、パラセタ坐剤(後発)もアンヒバ坐剤と、ほぼ同じ速度で溶けることが報告されています(2015年アセトアミノフェン坐剤の比較より)

 

アンヒバ100mg坐剤は1本1g程度の坐剤ですので、熱冷まし成分(アセトアミノフェン)100mgとハードファットと呼ばれるロウ900mgから構成されております。イメージとしては、おしりに入れたアンヒバ坐剤は、20分ほどで9割を占めるロウが溶け、1割の薬が溶けたロウと一緒に広がるようなイメージです。

 

アンヒバ坐剤が吸収されて血液中を流れるまでの時間

 

坐剤は薬の成分によって飲み薬よりも吸収が速いか遅いかが異なるのですが、アンヒバ坐剤は同じ量の飲み薬(粉・錠剤)に比べて吸収される“速度が遅い“という特徴があります。おしりに入れたアンヒバ100mg坐剤は20分ほどで9割り程度が溶けますが、大腸ではゆっくりと吸収が行われますので挿入後1時間20分あたりで50%が吸収される計算です。アンヒバ100mg挿入から2時間あたりで70%が吸収され、3時間後には8〜9割が吸収されてアンヒバ坐剤の解熱成分が血液中を流れることになります。

小児がステロイド軟膏をなめる、少量食べるとどうなるか?

軟膏が皮膚から吸収されるまでの時間について

 

アンヒバ坐剤が効く時間

 

アンヒバ坐剤を小児に使用して約1時間後から熱冷ましの効果がでてきて、使用してから4時間あたりまで効き目が続く計算となります(解熱効果が持続する時間は3〜4時間程度)。(注:個人差はあります)。

 

同じ量のアセトアミノフェン(カロナールなど)錠剤または粉薬を口から飲んだ場合は、胃腸から急速に吸収されますので、効き目は坐剤に比べると早いです。薬を飲んでから30分後には熱冷ましの効果がでてきて、投与から1〜3時間あたりで解熱作用が一番でるという報告があります(平均して1.6℃ほど熱を下げるという報告あり)

 

イメージとしましては、アセトアミノフェンの錠剤・粉薬は効き目が早いかわりに持続時間が2〜3時間程度、アセトアミノフェン製剤の坐剤(アンヒバ坐剤)は効き目がでるまでに1時間ほどかかりますが、効果持続時間は3〜4時間程度と内服に比べ長くなる印象です。

 

熱冷ましとして使用する頓服の坐剤・内服薬(錠剤・粉)の使用感は個人差があるためなんとも言えないところはありますが、0〜3歳くらいの小児では発熱による不穏感に耐えられずにぐずったりすることがよくあり、その子を看病する親の不穏感も助長しかねません。このような場合はアンヒバ坐剤のような効き目が長く続く坐薬というのは有用な手段に思います。

 

一方で、6歳以上の小児では、発熱による倦怠感を自覚できます。その場合は効き目が早いタイプの内服薬(錠剤・粉)を飲んで倦怠感を軽減することが本人にとって有用に思います。

軟膏を塗る順番で皮膚からの吸収率は変わらない2つの理由

痛み止めとして小児に対するカロナール(アセトアミノフェン)を使用する場合の量15mg/kgについて

アンヒバ坐剤を入れたのに出てきてしまった場合

 

アンヒバ坐剤を使用しても、お尻がむずむずして出てきてしまう場合があります。薬局にもそのような電話を受けることがあります。上記の薬物動態を考慮して、私の想像する血中濃度の理論値を記します。

 

  • アンヒバ坐剤を使用したら、すぐにおしりから出てきた場合

→その薬をもう一度いれなおしてください。坐薬をいれたらおしりから出てこないようにお尻の穴をティッシュなどでおさえてください。

 

  • アンヒバ坐剤を使用して10分後くらいに、おしりから坐薬(固形)が半分くらいでてきた

→半分がでてきており、残り半分のうち、どの程度が腸管内に残っているか不明な状態です。アンヒバ坐剤の一般的な使用量は体重1kgあたり10mg程度なのですが、小児において、この半分の量しか投与することができない場合、血液中のアセトアミノフェン濃度が5μg/mlを超えるか超えないかギリギリの濃度となります。血液中のアセトアミノフェン濃度が4.63μg/mlを超えると解熱作用を示すというデータを報告しているチームがありますので、その値を参考値として考察を続けますと、まずは「どの程度坐薬が体内に残っているかわかりません。半分程度残っていればギリギリ熱冷ましとしての効果が短時間ですが現れることがあります。そのため坐薬を使用してから1時間〜1時間半後の熱を測ってみてください」

とお伝えします。

 

ここで、0.5℃程度でも熱が下がっていれば5μg/ml程度の血中濃度があるかもなぁと推測します。熱がさがっていなければそれ以下の血中濃度なのかなぁと推測します。

(医師の指示通りのアンヒバ坐剤が全て投与された場合は最大で8〜10μg/ml程度の血中濃度となりますので熱冷ましとして有効な量となります)

 

計算上ですが、アセトアミノフェンが5μg/ml程度の血中濃度にある場合、3時間ほど経過すれば血液濃度が十分低下するため追加使用が可能と私は考えます(カロナール錠インタビューフォームの定常状態グラフより考察)。

 

以上より、坐薬が半分ほどおしりから出てきてしまった場合は、坐薬を入れて1時間〜1時間半ほど経過した段階で検温し、薬が効く量が体に残っていたか否かを熱の下がり具合から判断することが1点目のポイントです。2点目は熱が下がっていないのであれば、薬物動態的に考えて坐薬をいれてから4時間ほど経過すれば追加で使用することができると考えられます。

 

まとめ

 

  • アンヒバ坐剤を使用すると20分で90%ほどが腸管内で溶けます

 

  • アンヒバ坐剤を使用後は1時間ほど経過すると熱冷ましの効果がでてきます。その効果は3〜4時間ほど継続します。同じ成分の飲み薬(カロナール)は効き目が早い反面効果持続時間は坐剤にくらべて1時間ほど短い間印象があります。(インタビューフォームの薬物データより)

 

  • アンヒバ坐剤を使用後、10〜40分後の排便時にお尻から坐薬成分が出てきた場合は、アンヒバ坐剤を使用した時間から1〜1時間半後の検温にて、解熱作用がでているかどうかをチェックします。熱が下がっていれ、6時間間隔を開けて次回分を使用することができます。熱がさがっていなければ、どれだけおしりから坐薬成分がでたか確認することができませんが、4時間間隔をあけて次回分を使用することは薬物動態から考えると差し支えないと私は思います。

小児がステロイド軟膏をなめる、少量食べるとどうなるか?

小児に対するアセトアミノフェンの使用量について(鎮痛量・解熱量)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。