添付文書の記載要領改正によって「原則禁忌」という項目がなくなりますが、それに伴いこれまで「原則禁忌」としていた薬剤について、5項目については「禁忌」と設定することが厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会によって検討がすすめられております
“禁忌”:急性間歇性ポルフィリン症の患者
禁忌理由
海外添付文書において禁忌・類薬添付文書において禁忌・ガイドラインにおいて禁忌
“禁忌”:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人で片頭痛発作の発症抑制に対して使用する場合は禁忌
(各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療)「躁病及び躁うつ病の躁状態の治療」に対して使用する場合は禁忌としない)
禁忌理由
海外添付文書において禁忌
“禁忌”:発疹等過敏症の既往歴のある患者
禁忌理由
類薬添付文書において禁忌
“禁忌”:関節リウマチで骨髄機能の低下している患者
禁忌理由
海外添付文書において禁忌・類薬添付文書において禁忌
“禁忌”:「本剤の成分」に対し過敏症の既往歴のある患者については禁忌
禁忌理由
海外添付文書において禁忌・類薬添付文書において禁忌
上記の禁忌リストを見て、デパケンを妊婦に使用する際は「てんかん」では使用できるのに対して、「片頭痛」では禁忌となった部分について、詳細を見てみました。
妊婦への投与に関する米国添付文書
複雑部分発作及び欠神発作の単剤又は併用療法:妊婦への投与は禁忌でない
双極性障害の躁病の治療:妊婦への投与は禁忌ではない
片頭痛の予防:妊婦への投与は禁忌
妊婦への投与に関する欧州添付文書
各種てんかん:代替療法がある場合は妊婦への投与は禁忌
リチウムが禁忌又は容認できない双極性障害の躁病の治療:妊婦への投与は禁忌
片頭痛の予防:妊婦絵への投与は禁忌
上記のように、妊婦に対するデパケンの使用方法については国や地域によって対応が異なることがわかります。この背景をもとに、公益社団法人日本精神神経学会は「妊婦における躁病および躁うつ病の躁状態」でデパケンを使用する際の見解として
諸外国において、一律に禁忌とんされているわけではない。てんかんも含めて双極性障害は若年で発症される方が非常に多く、必然的に発症後に妊娠や出産を迎えるケースが多々あり、そういった場合に、妊娠が判明したからといって急に薬剤を切り替えることが不可能な場合が多いこと
結論としては、海外添付文書(主にアメリカの添付文書)と同じ対応とすることが適切と判断した感じでしょうか。