ジェネリック医薬品の普及に伴い、これまでは銘柄別収載となっていたジェネリック医薬品が段階的に統一名収載へと収束しています。厚生労働省ホームページの薬価基準収載品目には統一名に該当する医薬品名が表示されません(統一名収載品は銘柄ごとに薬価がつけられないため薬価収載品目には記載されません)。そこで今回は統一名収載リストを作る方法について調べてみました。
厚生労働省のホームページの「薬価基準収載品目リスト」には医薬品ごとの薬価が記されており、銘柄ごとの薬価と統一名に対する薬価がしるされています。
例えばフリバス錠75mgとそのジェネリック医薬品を例に見てみますと
薬価基準収載品目リストには以下のように記されています
ナフトピジル75mg錠(1)
フリバス錠75mg
ナフトピジル錠75mg「EE」
ナフトピジル錠75mg「JG」
ナフトピジル錠75mg「TCK」
ナフトピジル錠75mg「YD」
ナフトピジル錠75mg「あすか」
ナフトピジル錠75mg「杏林」
ナフトピジル錠75mg「トーワ」
ナフトピジル錠75mg「日医工」
ナフトピジル錠75mg「ファイザー」
後発医薬品を医療機関が選ぶ際の採用基準(ジェネリック医薬品の選定理由)
上記の記載内容は
ナフトピジル75mg錠(1)=統一名収載
フリバス錠75mg=先発品
ナフトピジル錠75mg「EE」~ナフトピジル錠「ファイザー」まで=銘柄別収載品
という解釈となります。
(注:ナフトピジル75mg錠(1)の(1)は普通錠という意味です)
銘柄別収載品とは医薬品の個々の銘柄ごとに「薬価」が制定されている品目のことです。厚生労働省の薬価基準収載品目リストには医薬品の正式名称が記されます。
例:ナフトピジル錠75mg「EE」
AG薬またはそれ以外のジェネリックを服用後に再び先発品へ戻る割合
統一名収載とは成分、剤形、規格および薬価によって統一名として収載される品目のことです。統一名収載に含まれる医薬品については、厚生労働省の薬価基準収載品目リストには医薬品の正式名称が記されません。
例:ナフトピジル75mg錠(1)という統一名の中には
ナフトピジル錠75mg「KN」
ナフトピジル錠75mg「タカタ」
という2つの品目が含まれているのですが、薬価基準収載品目リストには「KN」「タカタ」という薬品名称は記されません。
厚生労働省のホームページには2018年8月時点で16826品目(銘柄名収載と統一名収載の合計)が記されていますが、実際に医薬品として名称登録されているリストを見ると20800品目(一般名称含む)あることがわかります。ざっくりと言いますと、3000品目ほどの医薬品(主に後発医薬品)が統一名収載に該当するため厚生労働省のホームページの薬価基準収載品目リストには記されていないことがわかります。
値引き率が大きいと薬価が引き下げられる薬価改定の仕組みを考慮して後発医薬品を選定する方法
というホームページの「医薬品マスター」をダウンロードすると「y.csv」というcsvファイルをエクセルで開くことができます。厚生労働省のホームページの薬価基準収載品目リストでは統一名収載として表示されていなかった銘柄を含むすべての医薬品名が、y.csvファイルには記されています。
y.csvファイルのレイアウトは
A列:変更区分
B列:マスター種別
C列:医薬品コード
D列:漢字有効桁数
↓
AG列:公表順序番号
AH列:経過措置年月日
AI列:基本漢字名称
までの35列となっているのですが、統一名収載リストを作成するためには列Wの情報が有用となります。
y.csvファイルの列Wには“商品名関連”という情報が記されています。
列Wに“0”と記されている品目=薬価基準収載品目に銘柄別収載されている
列Wに6から始まる9桁の数字がしるされている品目=統一名収載リスト
という意味ですので、エクセルデータの列Wを基準として並び替えを行うと銘柄収載品と統一名収載品に分けて表示することが可能です。
エクセルの並び替え方法については以下の図をご参照ください。
統一名収載品リストを作成するのであれば、列Wに9桁の数字が記されている部分選択した後に、列E(漢字名称)を基準に並び替えを行うと、統一名品目だけが医薬品名順に並んだ閲覧しやすい表になるかと思います。
一番初めの例で記しましたナフトピジル錠75mgについて銘柄収載品と統一名収載品について確認してみると、下図のように銘柄収載品と統一名収載品とを分けて表示することができることが確認できました。