モデルナ社が生後6カ月から2歳未満および2歳~6歳未満の乳幼児に対して、新型コロナワクチンの緊急使用承認を米国食品医薬品局(FDA)に申請をしました。
治験データによるとモデルナ社のワクチンを2回接種することで、生後6カ月から2歳未満の乳幼児では51%、2歳から6歳未満の幼児では37%の有効性が確認されとしています。
尚、ファイザー社のワクチンでも乳幼児に対しての使用許可についてFDAへ申請が行われていますが、ファイザー社の治験データによると、生後6カ月~2歳への免疫反応は有益であったものの、2歳~4歳へのワクチン接種では十分な免疫反応が得られなかったとして3回接種での効果が検証されている段階です。
厚生労労働省のホームページに5~11歳が新型コロナワクチンを接種した際の副反応と思われる疑い報告症例が記載されていましたので添付します。
新型コロナワクチンをお子さんに接種させるかどうか検討している方の判断材料となれば幸いです。
集計期間:2022年2月21日~3月20日
推定接種回数: 21万5,368回(1回目として)
副反応疑い報告:
医療機関報告数 6例(0.0028%)
製造販売業者報告数 2例(0.0009%)
重篤度:重い
・10歳女性:2022/3/19接種後に組織球性壊死性リンパ節炎→2022/3/22:回復
・7歳男性:2022/3/14接種後に心筋炎、心膜炎、ウイルス性咽頭炎の所見→2022/3/23:軽快
重篤度:重くない
5歳女性:嘔吐
10歳女性:胸痛、腕の痛み、痙攣、倦怠感→軽快
11歳男性:血管明世相神経反射→回復
11歳男性:血管迷走神経反射、異常感
11歳女性:血管迷走反射→回復
11歳男性:血管迷走神経反射→回復
11歳女性:血管迷走神経反射→回復
8歳男性:嘔吐→回復
10歳男性:苦悶感、異常感→回復
8歳女性:血管迷走神経反射→回復
11歳男性:血管迷走神経反射、けいれん→回復
2022年4月25日、厚生労働省はファイザー社およびモデルナ社の新型コロナワクチンについて、高齢者等を対象とした4回目の接種について添付文書の改定を了承しました。
具体的には以下の2点が変更となります。
・2回目の接種から3回目接種の間隔を「少なくとも5カ月経過した後」と改訂されます。
(「6カ月経過→5カ月経過」へ1カ月間短縮されます)
・4回目接種について、高齢者等を対象として3回目接種から少なくとも5カ月経過した後に判断できる
厚生労働省の記者会見によると「4回目の接種については、全体というよりも高齢者等が対象になるということ、接種間隔は2回目から3回目が5カ月とすることが問題ないということを前提に、(3回目から4回目までの接種間隔も)5カ月間隔で問題ないだろうといことが確認された」としています。
ノババックスが開発した新型コロナワクチン「ヌバキソビッド筋注」が2022年4月19日に医薬品として承認されます。
既存のワクチンでは、副反応がでたために投与できなかった方にとっては、選択肢が増えることになります。
ノババックス社が開発した新型コロナワクチン「ヌバキソビッド筋注」の特徴について、既存のワクチンとの違いについて記します。
既存のワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)は、いずれも注射をした後に、ヒトの体内で抗原(スパイクタンパク質の該当部分)を作り出した後、体に”異物”と認識させて免疫を高めるという手法をとっていました。(ファイザー・モデルナ:mRNAワクチン、アストラゼネカ:ウイルスベクターワクチン)
一方でノババックスワクチンは既に抗原(スパイクタンパク質の該当部分)を人工的に作り出して発売し、その抗原を直接体内に注射するタイプのワクチンです。
既存の「B型肝炎ワクチン」や「帯状疱疹ワクチン」と同じタイプです。タンパク質の発現には昆虫細胞を使用しています。
発現したスパイクタンパク質をナノ粒子化することで表面積を増やし免疫反応を高める工夫がなされています。またアジュバンドと呼ばれる免疫応答を高める成分も添加されています。
イギリスで行われた1万5000人規模の臨床試験では有効率が82.7%とされています。
他のワクチンで報告されているような血栓症や心筋炎などの副反応は報告されておりません。
副反応発現頻度(注射部位の圧痛:75.3%、注射部位の疼痛:62.2%、疲労:52.9%、筋肉痛:51%、頭痛:49.9%、倦怠感:41%、関節痛:23.9%、悪心嘔吐:14.5%)
ヌバキソビッド筋注は昆虫細胞によって目的となるタンパク質を作る製剤ですが、Sf9細胞(昆虫細胞)では、その遺伝子内に新たなウイルスであるSf-RV(ラブドウイルス)の混入が報告されています。メーカーはラブドウイルス混入の可能性について以下のように回答しています。
Sf-RV は、ラブドウイルス科に属するエンベロープを有する RNA ウイルスである。既知のラブドウイルスとは L(ラージポリメラーゼ)遺伝子のみに相同性が認められている(J Virol. 2014; 88: 6576-85)。Sf-RV の L タンパク質のアミノ酸配列は、昆虫をはじめとする無脊椎動物由来のラブドウイルスの L タンパク質と相同性が高かったことから、Sf-RV は昆虫細胞でのみ増殖するラブドウイルスと考えられる(J Virol. 2019; 93: 1-14)。Sf-RV の複製能について、哺乳類由来細胞及び昆虫由来細胞とそれぞれ共培養した結果、昆虫由来細胞では複製されるが、ヒト由来細胞を含む哺乳類由来細胞では複製されないことが示されている。
ヌバキソビッド筋注を昆虫細胞(Sf9細胞)で生成。ラブドウイルスの遺伝子混入についての回答
日本トレンドリサーチのホームページに日本人1200人を対象とした調査で、新型コロナワクチンの4回目を接種希望者の割合は53.7%であるという調査結果が掲載されていました。以下に概要を記します。
日本トレンドリサーチ「新型コロナワクチン4回目接種希望率は53.7%」
ワクチン接種率
3回接種:42.9%
2回接種:41.2%
1回接種:0.2%
接種していない:15.8%
4回目のワクチン接種が開始したら接種したいかどうか
4回目接種したい:53.7%
4回目は接種したくない:16.1%
どちらともいえない:30.2%
新型コロナウイルスに感染した率
感染した:4.8%
感染していない:95.2%
上記4.8%の方に対して「感染時期について」
ワクチン接種前に感染した:28.6%
ワクチン接種後に感染した:71.4%
新型コロナウイルス感染の症状は?
ワクチン接種前:とてもつらい(42.9%)、つらい(14.3%)、ややつらい(28.6%)
ワクチン接種後:とてもつらい(20%)、つらい(25.7%)、ややつらい(40%)
新型コロナワクチンを接種したあとは、副反応がでる可能性があるため安静にしましょう。体調変化があれば医療機関へ連絡してください。
というのが一般的な解釈であり、そのようにすべきだと思います。
今回は、ワクチン接種後に90分間の運動をすると免疫力があがったという話がでていたので、メモ書き程度に読んでみました。以下の内容を推奨するわけではないことをご留意ください。
米国でのデータです。
一週間に2回以上の頻度で中強度~強度の運動を定期的に行っている被験者を対象として、1回目のファイザー社の新型コロナワクチンを接種後に90分間の運動を行った群と行わなかった群とで抗体価にどの程度の違いがあるかを検証するという趣旨で調査が行われました。
運動の内容は軽度~中等度の運動で、ウォーキング、ジョギング、エルゴメーターを用いた有酸素トレーニングなどが行われました。
尚、2回目のワクチン接種後は全ての被験者が運動を控えるように指示がなされました。
結果は、1回目のワクチン接種から2週間が経過した時点における採血で、新型コロナスパイクタンパク質に対するIgG抗体価を比較したところ、90分間運動した群で有意な増加が確認され、2回目のワクチン接種から1週間後に採血したデータによると、具体的な数値は記載されていませんが、私の目測では、90分間運動した群における抗体価が非運動群と比較して1.25倍程度に上昇していることが読み取れます。
また、年齢におけるIgG抗体価の増加率も記されており、44歳以下の若者は44歳以上の群と比較して抗体産生量が高いことも記載されています。
(44歳以下、44歳以上どちらの群でも、90分間の運動をすることにより抗体産生量は増加しています)
この実験では「季節性インフルエンザワクチン」でも同様の運動と抗体価について検証が行われているのですが、運動時間に関して45分間、90分間という2つのグループ分けがなされていました。
その結果、ワクチン接種後45分間の運動では、有意な抗体量の増加は確認されなかったのに対して、90分間の運動では有意な抗体価の増加が確認されました。
このことから、ワクチン接種後に90分程度の有酸素運動を行うと、その後の抗体産生量の増加がもたらされる可能性が示されました。
とはいえ、ワクチン接種後は安静にすることが一般的な見解かと思います。
イスラエルにて、60歳以上の125万人を対象とした4回目のワクチン接種データが公開されました。以下に記します。
イスラエルでの情報です。新型コロナワクチン3回目を接種から4カ月以上を経過している60歳以上の被験者を対象としてファイザー製新型コロナワクチンの4回目接種が行われました。被験者:62万3355人
比較データとして、4回目接種から8日経過した群、4回目接種後3~7日経過した群、3回接種群としてデータをまとめています。
10万人あたりの新型コロナウイルス感染による重症例は
3回接種群:3.9例
4回接種後3~7日経過した群:4.2例
4回接種から8日経過した群:1.5例
4回接種から4週間が経過した時点における重症化率に関しては、3回接種群と比較して3.5倍低く(71%抑制)、4回接種後3~7日経過した群と比較して2.3倍低い(57%抑制)ことが示されました。また4回接種後6週間は重症化を予防する効果が低下しなかったことが報告されています。
10万人あたりの新型コロナウイルス感染者数は
3回接種群:361例
4回接種後3~7日経過した群:388例
4回接種から8日経過した群:177例
感染比率で表すと、4回接種を行うことで、3回接種群と比較して感染リスクが2倍低下(50%抑制)、4回接種後3~7日経過した群と比較して感染比率が1.8倍低下(44%抑制)することが示されました。ワクチン接種から5週目以降は効果が減弱したことを報告しています。
筆者らは、4回目のワクチン接種を行うことは重症化リスクを抑制することが出来る。5週目以降の感染抑制効果は減弱したとまとめています。
イスラエルの医療従事者に対して4回目のワクチン接種が行われ、そのデータが公開されていましたので以下に記します。
対象者:ファイ―ザー製又はモデルナ製のワクチンをこれまで3回接種した医療従事者
3回目の投与の4カ月後に4回目を投与して効果・安全性を比較しています。
4回目ワクチン接種者
ファイザー製:154人(平均年齢59歳:30~84歳)
モデルナ製:120人(平均年齢55.1歳:29~87歳)
対照群(ワクチンを打たなかった群)の抗体価は低下し続けているのに対して、4回目のワクチンを接種した群の抗体価は9~10倍に上昇しました。
ファイザー製・モデルナ製における有意差はありませんでした。
対照群がオミクロン変異株に感染した割合が25%であったのに対して、4回目ファイザー製接種群は18.3%、4回目モデルナ製接種群では20.7%の被験者がオミクロン変異株に感染しました。
対照群に対する有効性のデータとしては
4回目ファイザー製:30%有効
4回目モデルナ製:11%有効
と評価されます。
感染した医療従事者の多くは対照群と比較して、軽症であることが報告されています。しかし、感染者の多くは高いウイルス量を有しており、潜在的な感染力を有していることが報告されています。
(4回目ワクチンを受けた被験者は軽症ではあるものの、他社へコロナウイルスを感染させる力(感染力)は有している)
以上の結果より、筆者らはファイザー製、モデルナ製のワクチンによる免疫力は3回目で最大となり、4回目の接種は抗体レベルを回復させる可能性があると示唆しています。
医療従事者に対する4回目のワクチン接種の有効性は低く、4回目接種者が感染した場合は感染能(他者へ感染させる力)を有意していることが示されました。
筆者らは、健康な若い医療従事者への4回目ワクチン接種は、わずかな利益しか得られない可能性があるとまとめています。
(高齢者や免疫力低下者への4回目データではありません)
ファイザー社は新型コロナワクチンの4回目接種について米国食品医薬品局(FDA)に緊急使用承認を申請したこと同ホームページに公開しました。
対象となるのは3回目の接種を終えた65歳以上の成人を対象としています。
既に4回目接種を行ったイスラエルのデータを以下に記します。
ファイザーが4回目のワクチン接種(65歳以上対象)を緊急承認許可を申請
60歳以上の成人110万人を対象として3回目の新型コロナワクチン接種を終えてから少なくtも4カ月以上が経過した方を対象として4回目のワクチン接種が行われました。
4回目のワクチン接種を受けた後、2週間~3週間の時点における中和抗体価は、3回目接種から5カ月が経過した時点における中和抗体価と比較して7~8倍に増加していました。
オミクロン株に対する中和抗体価に関しても、4回目接種後、2~3週間の時点における中和抗体価が、3回目接種から5カ月経過した時点における中和抗体価と比較して8~10倍に増加していました。
上記の中和抗体価の増加により、4回接種を受けた方は、3回接種の方と比較して、感染率が2倍低く、重症化率が4倍低いことが示されています。
デンマーク・インド・フィリピン・スウェーデンなどでの感染が広まっているオミクロン株BA.2に対する既存の治療薬の有効性について、東京大学医科学研究所ウイルス感染部門が2022年3月9日にデータを公開しました。
以下のデータは培養細胞を用いてオミクロン株に薬剤を振りかけた時の増殖抑制効果を判定したデータです。
抗体薬
カクテル抗体薬:ロナプリーブ注射液セット(カシリビマブ・イムデビマブ)
オミクロンBA.2を中和するために必要な抗体濃度は?
カシリビマブ:1666.19ng/ml
イムデビマブ:68.65ng/ml
新形コロナウイルス(中国武漢:従来株)の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度を1としたときオミクロン株BA.2の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度は?
カシリビマブ:597.2倍
イムデビマブ:22.5倍
モノクロナール抗体薬:ゼビュディ点滴(ソトロビマブ)
オミクロンBA.2を中和するために必要な抗体濃度は?
ソトロビマブ:1359.05ng/ml
新形コロナウイルス(中国武漢:従来株)の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度を1としたときオミクロン株BA.2の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度は?
ソトロビマブ:49.7倍
上記の結果より、抗体薬はオミクロン株BA.2へ効果はあるものの、従来株に対する効果と比較すると低下することが示されました。
抗ウイルス薬
オミクロンBA.2の増殖抑制に必要な濃度は?
ベクルリー点滴(レムデシビル):2.85μM
ラゲブリオ(モルヌピラビル):0.67μM
パキロビッドパック(ニルマトレルビル・リトナビル):6.76μM
新形コロナウイルス(中国武漢:従来株)の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度を1としたときオミクロン株BA.2の増殖を抑制するのに必要な抗体濃度は?
ベクルリー点滴(レムデシビル):2.7倍
ラゲブリオ(モルヌピラビル):1.3倍
パキロビッドパック(ニルマトレルビル・リトナビル):1.9倍
抗ウイルス薬に関しては、いずれの薬剤もオミクロン株BA.2に対して増殖抑制効果が確認されました。
日本政府は新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を行う検討を行いました。
3回目の接種から6カ月以上の間隔をあけて、2022年夏にも開始することを想定しています。
2022年3月時点で、3回目の接種が行われており、医療従事者などの先行接種者も含めて30%程度の方で3回接種が終了しています。また5歳以上11歳以下の小児に対しての接種も開始されています。
他国の4回接種に関する情報としては、2021年12月~2022年1月にイスラエルにて60歳以上の方や医療従事者、免疫力が低下している方などの高リスク者を対象として、およそ100万人の方を対象として4回目のワクチン接種が行われています。(3回目接種から少なくとも4カ月経過している方です)
イスラエル保健省は、4回目のワクチン接種を行うことで感染に対する抵抗力が2倍に増加した。デルタ変異株に対して有効であるが、オミクロン株に対しては「感染を完全にふせぐことはおそらく不可能」と予備調査の結果をまとめています。
また、チリ、スウェーデン、ドイツでも新型コロナウイルスによる感染症状が重篤化するリスクの高い方を対象として4回目接種が推奨されています。
オミクロン株に対する4回目のワクチンの有効性は検討課題のように思えますが、その状況下において、モデルナジャパンの社長が「2価追加接種ワクチン」の開発を加速させることを表明しました。
2価追加接種ワクチンとは、既承認されているコロナウイルスワクチン(コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン)とオミクロン株用ワクチンを含有した製品です。
つまり現行ワクチンを半分、オミクロン用ワクチンを半分含有した2日ワクチンを2022年秋から冬にかけて開発を進めていることを開示しました。
現在、オミクロン株に特化した単味ワクチンの追加接種試験が実施されております。今後の予定としては米国で約375人を対象として、既ワクチン3回接種を終えた18歳以上の方を対象として、既存ワクチン+オミクロン特化ワクチンを合わせた2価ワクチンの臨床試験が行われる予定です。
イスラエルやアメリカなどのワクチン接種先進国ではオミクロン株の感染拡大がピークアウトして徐々に減少傾向にあります。日本国内においても増加数が上限を迎え、徐々にではありますが減少してきているように見て取れます。
そんな中、オミクロン株にはBA.1、BA.2、BA.3という3種類の株があり、BA.1の感染拡大が終わった後は、BA.2の感染が拡大するのでは?という報告を目にしましたので念のため以下に記します。
2021年11月に南アフリカで最初にオミクロン株が検出され、その後世界各国で感染を広めたわけですが、この株の名称はオミクロン株BA.1です。これまでのコロナウイルスと比較してスパイクタンパク質に30以上もの変異があるため、「全く違うタイプの株だ!」と報道され、その後感染が拡大している状況です。
2022年2月20日時点において、日本国内で感染を広めているのはオミクロン株BA.1です。BA.2に関しては、一部の海外において感染が広まっているとう段階です。
ではオミクロン株BA.2がこれまでの株とどのように違うのか、その報告を見てみます。
オミクロン株BA.2はBA.1と32の変異を共有しているものの、28の異なる変異が確認されている。人へ感染の経路である受容体結合ドメインの変異に関しては、BA.1と12の変異を共有しているものの、4つの特徴的な変異を獲得している株であることが報告されています。
既にイスラエルではオミクロン株BA.1に感染した患者が短期間のうちにBA.2に感染したという報告が数例報告されています。
そのため「一度オミクロン株に感染したら、もうオミクロン株には感染しない」という状態ではありません。オミクロン株は急速な変化を遂げていくことが確認されています。(BA.2の感染が重症化することはありませんでした)
感染力に関しては、オミクロンBA.2はBAS.1の薬1.5倍の感染力を有しており、過去に感染拡大したデルタ株と比較すると4.2倍の感染力であることが報告されています。
オミクロンBA.2という株がどの程度まで世界各国で感染を広めるか非常に注視したいと思います。
このページでは、ワクチン先進国であり、日本よりも1カ月程度感染拡大が早いと考えられているイスラエルやアメリカでの感染状況や新規感染株などの情報を定期的にフォローしています。
新形コロナウイルスのオミクロン株が日本国内で感染者数が増加している状態ですが、世界各国における感染拡大状況について確認した内容を以下に記します。
ワクチン先進国「イスラエル」
イスラエルでは2022年1月25日をピーク(101905人)として、その後は新規感染者数が減少しています。
(以下はイスラエルにおける新規感染者数がのグラフです)
アメリカ
アメリカでは2022年1月15日をピーク(803640人)として、その後は新規感染者数が減少しています。
(以下はアメリカにおける新規感染者数がのグラフです)
イギリス
一方でイギリスでは2022年1月5日に最初のピークを迎えて減少傾向を示したのですが、2022年2月3日に再び新規感染者数が上昇しています。
この背景には2022年1月28日以降、イギリス国内では公共の場におけるマスク着用の義務化が解除されたためです。一般的にオミクロン株の潜伏期間が3日前後であることを考慮すると、2022年1月28日以降にマスクをはずして外出する人数が増えることによりイギリス国内ので感染者数が増加したことが示唆されます。
日本
では最後に日本国内におけるオミクロン株の感染状況を確認します。
2022年1月5日の仕事始め以降、急速に感染拡大を広めています。イスラエルやアメリカでの感染拡大から新規感染者数の減少までの日数を確認してみると、40~50日程度で減少傾向に切り替わっていることが示唆されます、これらのデータを考慮すると、日本国内におけるオミクロン株の感染拡大のピークは2022年2月15に程度ではないか?と個人的には想像します。
(2月15日あたりで減少傾向に入ってほしいと願っています)
日本国内では新型コロナワクチンの3回目接種が医療従事者を中心に行われており、今後の予定としては高齢者から順番に3回目接種が実施される予定です。また5~11歳の子供に対してファイザー社の「コミナティ筋注(10μg)」の使用許可がおりましたので、小児への接種も進むことが示唆されます。
ワクチン先進国であるイスラエルでは、医療従事者や60歳以上の方や免疫抑制疾患を患っている方(合計で25万4000人)を対象としてに4回目のワクチン接種が行われました。2022年1月中旬にイスラエルのベネット首相は4回目のワクチン接種の有効性について「4回目のワクチン接種を行ういことで抗体量が5倍に増えた」と公表しましたが、その後ラジオにて「4回目のワクチン接種を行っても、抗体量は3回目のワクチン接種後のレベルまで戻り、それ以上は増えない」と発言を訂正しました。
さらに、4回目のワクチン接種は、ワクチンに対して比較的耐性を獲得しているオミクロン株に対しては、部分的にしか有効がないと主任研究員( Gili Regev-Yochay)が述べています。さらに同氏は3回目のワクチン接種は2回目接種と比して「非常に高く良質な中和抗体を獲得できる」と述べていますが、4回目のワクチン接種では有意な抗体の増加は認められなかったと述べています。
加えて4回目のワクチン接種を受けた病院関係者と4回目のワクチン接種を受けなかった人とでは、ウイルス感染割合が同程度であることも述べられています。
欧州医薬品庁(EMA)は4回目のワクチン接種を支持する証拠はないと警告したうえで、4カ月ごとにワクチン接種を繰り返すことは、人々の免疫力を低下させる可能性があると指摘しています。
以上を踏まえると、日本国内における既存製剤のワクチン接種に関しては3回目がラスト接種となるものと私は示唆します。一方でファイザー社などの製薬会社が新たに「○○株対応ワクチン」を製品化した場合は、ワクチン接種が再開されるのではと感じています。
ちなみにですが、イスラエルの報告による3回目のワクチン接種の有用性についてのデータを以下に示します。
被験者:1928人(医療従事者)、年齢中央値44歳(36~52歳)
2回目のワクチン接種から3回目接種までの期間の中央値210日
上記1928名のうち1650人が3回目ワクチン接種を行い、278名は受けませんでした。
その後、中央値39日間の追跡調査期間中に新型コロナウイルスに感染した割合は
3回接種群:5例(12.8/10万人年)
3回目をうたなかった群:39例(116/10万人年)
ということで、3回目のワクチン接種を行うことが新型コロナウイルス感染を予防できることが示唆されています。
以下は2022年1月21日時点における全世界の新形コロナウイルス新規感染者数です。
2021年初めに先進国を中心としてワクチン接種が開始されて新規感染者数が減少し始めましたが、その後に新型の株が次々の現れて感染者が増加しました。
2021年9月にワクチン先進国のイスラエルにて3回目のワクチン接種が試験的に行われて再び新規感染者が減少するかに見えましたが、感染力が強いオミクロン株があらわれて、一気にウイルスが拡散されました。4回目のワクチン接種は効果がない現状を踏まえると、「薬(ワクチン)で感染を予防する」ことは難しいのかもしれません。
ただし、ワクチンを接種することで「感染後の悪化」を防ぐ効果は認められていますので、ワクチン接種は引き続き有益であると私は考えます。
以下は、同期間におけるコロナウイルスによる全世界における死者数(グレー)とワクチン接種率(緑)です。
2021年1月にワクチンが開発され徐々にワクチン接種が進んでおり全世界78億人中45億5000万人が1回目のワクチン接種を終えている状況です。(61%)
ワクチン接種の拡大により新形コロナウイルスによる死者数は、少しずつ減少しているようにも見えます。ただ、イスラエルによる先行接種により「既存のワクチン接種は3回でおしまい」というフラグが出来てしまいましたので、猛威を振るっているオミクロン株や今後新たに出てくる変異株に対しては、次の一手が望まれます。
ワクチン先進国イスラエルにおける新型コロナウイする感染状況を毎週確認しています。
新規感染者数は9月中旬の”平均1万人”をピークとして徐々に減少傾向にあるようです。
また、各年代の感染者数に関しても3回目のワクチン接種が功を奏しているのか、どの年代についても少しずつ減少している様です。
となると、ワクチン接種を受けることができない5~11歳の小児はどうなっているのかが気になるところです。
報道によると、新型コロナウイルス新規感染者の大部分がワクチン接種を受けていない学童児であり、2021年9月23日時点におけるCOVID症例のうち3万6822例(全症例の56%)が学童児であると市営ます。
イスラエル保健省は、教師の中でワクチン接種を受けておらず、定期検査を拒否している人に関しては、教室へ立ち入り禁止と通達をだすとともに、リモート授業の禁止と給料を支払わない措置をとることとしています。
ワクチン先進国イスラエルにおける新型コロナウイルスの感染状況を毎週確認しております。
以下は2021年9月11日時点における年代別新規感染者数のデータです。
全体的に下降傾向にあります。20218月から60歳以上を対象に3回目のワクチン接種が開始され、その3週間後(8月20日前後)をピークとして、まず60~79歳、80歳以上の新規感染者数が減少を示しています。
さらにイスラエル政府はその後、ワクチン接種を3回行う対象範囲を30歳以上に拡大しました。すると、40~59歳の新規感染者数が8月28日をピークとして減少を示し、次いで20~39歳の新規感染者数が9月4日をピークとして減少に転じています。
以上がイスラエルにおける年代別新規感染者数の直近の推移です。ワクチン接種を3回を行う政府判断がなされて以降、各年代で新規感染者数の減少が確認されています。
次いで、イスラエル国全体の新規感染者数を見てみます。
上記は直近1カ月(2021年8月中旬から9月中旬)における、イスラエル国での新規感染者数の推移です。
7000~8000人前後で推移していましたが、9月7日をピーク(20000人越え)として、横ばいまたは徐々に減少している?ようにも見えます。
ここで、イスラエル保健省が開示した最新データを確認し、イスラエルにおいて、どの年代、どのような方が新規感染・重症化しているのかを確認してみます。
イスラエルの人口は約900万人であり、そのうち300万人以上が3回目のワクチン接種を終えています。
一方で、ワクチン接種の対象である12歳以上のイスラエル国民のうち150万人が(自分の意志で)ワクチン接種をしていないという状況です。
では、上記のワクチン接種状況下において、新形コロナウイルスに感染した際に重症化する割合を確認してみます。
~60歳以上の重症化率~
ワクチンを一度も受けていない:60%(222人/369人)
ワクチン接種を2回受けた:27.5%(101人/369人)
ワクチン接種を3回受けた:12.5%(46人/369人)
~60歳未満の重症例~
ワクチンを一度も受けていない:78%(200人/256人)
ワクチン接種を2回受けた:19%(49人/256人)
ワクチン接種を3回受けた:3%(7人/256人)
死者数に関しては、2021年8月に亡くなったイスラエル国民703人のうち、その322人(46%)がワクチン未接種者でした。
つまり、イスラエル国民のうち”ワクチン接種をしない”選択をしている17%の国民が8月の死者数46%を占めており、感染者数全体の65%を占めているというデータが開示さてれています。
また、ワクチンを3回接種することの有益性に関するデータを確認してみるとワクチンを3回接種することは、2回接種と比較して感染率を1/10、重症化リスクを1/20に減らすことができると報告しているデータもあります。
次に、イスラエル国における小児に関するコロナウイルス報告を確認してみます。
新型コロナウイルス感染から回復した1万3864人(3~18歳)の小児を対象に追跡調査を行った結果、11.2%が長期的なコロナ症状に苦しんでいることをが報告されました。
コロナ感染から回復してから6か月後も息切れや倦怠感などの症状で苦しんでおり、睡眠障害や集中力低下などを報告もあがっています。
ワクチン先進国イスラエルにおける新型コロナウイルスの感染状況を毎週確認しております。
2021ね9月9日時点の新規感染状況を確認してると以下の図のように2021年9月2日をピークとして減少傾向にあることがわかります。
まだまだ予断は許されませんが、2021年9月2日時点における新規感染者数が1万3000人を超えていたのに対して、1週間後の2021年9月9日時点では新規感染者数が6000~7000人程度まで減少していました。
8月1日から60歳以上を対象にスタートしている3回目のワクチン接種を、30代以上に拡大して接種を勧めたことが要因として考えられます。
8月後半における年齢ごとの新規感染者数のデータを示します。
2021年8月28日時点のイスラエルにおける年齢別感染者数の割合です。
60~79歳および80歳以上で感染者数が減少していることに加えて、40~59歳における感染者数増加の傾きが緩やかになっていることがポイントと私は考えます。
イスラエル政府が8月中旬に3回目のワクチン接種者の年齢を30代以降と拡大したわけですが、その結果がでるのは9月上旬~と私は考えます。
そのため今後とも年齢別感染者数の割合を定期的に確認していき、20~39歳、40~59歳における新規感染者数が減少に転じるかを確認していきたいと感がています。
とはいえ、0~19歳のイスラエル国民に関しては、感染者数の増加が引き続き懸念されています。現在、新型コロナワクチンの接種年齢は12歳以上とされています。12歳未満の小児に関する接種は認められておりません。
ワクチンを製造しているファイザー社の見解によると、2021年8月末の時点において「5~11歳の小児に関するワクチン試験のデータが2021年9月末までの入手できる見込み。2~5歳の小児に関するデータも入手できる可能性がある」としています。
ワクチン接種に関するレスポンスが非常に速いイスラエル国ですので、2021年9月末のファイザー社のデータ公開次第では、5~11歳への小児への接種が開始されるかもしれません。
2021年9月4日、イスラエル国における新型コロナウイルス感染者数が過去最高人数を記録しました。1日の感染者数が13900人、1週間平均の感染者数が9801人です。
死者数および入院患者数に関しては、2021年1月のピーク時と比較して半数ほどではあるものの、予断を許さない状況です。
イスラエル政府は12歳以上の国民を対象として3回目のワクチン接種(ブースターショット)の提供を開始しました。
また、イスラエル保健省はファイザー社のワクチンに関して、2回目接種後の有効性は6カ月程度であり、その後は有効性がよわまるため追加接種(3回目の接種)が必要であると述べました。「3回目のワクチンを接種することで、感染リスクを1/10に抑えることができる」とイスラエル保健省は述べています。
イスラエルの人口構成比率は
0~14歳:27%
15~24歳:16%
25~64歳:47%
65歳以上:10%
と全人口に対する14歳以下の割合が多い国であるという特徴があります。
日本のような高齢化社会の国とは異なり、イスラエルは0~12歳の人口比率が高いため、、12歳以上を対象とした国民全体のワクチン接種率を見てみると60%以上は、なかなか上がりにくいという特徴があります。
イスラエルは人口920万人の国ですが、2021年9月時点でコロナワクチン2回接種を終えた人数は540万人、3回目の接種を置いた人数は210万人です。
ワクチンを2回接種してもデルタ株感染を抑えることはできない現状ですが、ワクチンを3回接種すると、一定の効果が得られることが示されています。
イスラエル政府のブレインであるEranSegal教授の見解では、ワクチン接種後は90%以上の有効性をしめすものの、半年ほど経過するころには30~40%程度まで有効率が低下することが示唆される。と述べています。
週に1回、このページではワクチン先進国であるイスラエルにおける新型コロナウイルス感染状況およびワクチン接種状況・政府の対応について最新情報を記しています。
ファイザー社ワクチン3回目接種(ブースターショット)に一定の効果あり!
上図は2021年8月21日時点におけるイスラエル国の新形コロナウイルス年代別感染者数のデータです。
イスラエル政府は2021年8月1日より60歳以上を対象として3回目のワクチン接種を開始していました。ワクチン接種後に一定数の抗体が体内にできるまでには3週間を要します。3回目のワクチン接種から3週間が経過したわけですが、上図の年代別感染者数を確認してみると、60~79歳、80歳以上における感染者数が減少していることが確認できます。
60代以上の3回目ワクチン接種人数は8月16日時点でおよそ100万人、8月27日時点で187万人が3回目接種を終えているとしています。さらにイスラエル政府は3回目ワクチン接種者の年齢を60代以上→30代以上へと引き下げました。これにより、今後は各年代における感染者数の減少が期待されます。
60代以上の感染者数が減少している期間(2021年8月15日~8月27日)におけるイスラエル国の感染者数を確認してみると、2021年8月27日時点の感染者数は、2021年1月のピーク時と同等数の感染者数が報告されています。一方で、死者数(下の図)を確認してみると、2021年8月27日時点の平均死者数は、2021年1月のピーク時と比較して半数程度の人数となっています。
2021年9月に小中学校の新学期を迎えるため、イスラエル政府は若年者間にける感染者数の増加を懸念しています。
上記1週間の情報をまとめます。
・60代以上で3回目のワクチン接種(ブースターショット)を受けた年代では感染者数の減少が確認されました。
・30代以上の3回目ワクチン接種が開始されました。2021年9月中旬以降に30代の感染者数減少が期待されます。
・イスラエル国全体の感染者数は1週間平均で8000人を超えており、この人数は2021年1月(ワクチン接種が始まるころ)のピークと同程度です。
・全感染者数における0~19歳の年代の割合が依然として一番高く、2021年9月以降に新学期を迎えると、若年者間におけるさらなる感染拡大が懸念されます。
・死者数の割合は、2021年1月のピーク時と比較して半数程度となっており、ワクチン接種率が60%を超えていることが重症化リスクを低減
週に1回、このページではワクチン先進国であるイスラエルにおける新型コロナウイルス感染状況および政府の対応について最新情報を記します。
新型コロナウイルスに新たに感染した人数は週平均で6500人を超えました。1週間前が5000人前後でしたので、確実に感染者数が増加しています。2021年1月のピーク時(8000人前後)に迫る勢いです。
一方で、死者数に関しては週平均死者数が21人と記されており、2021年1月のピーク時(週平均60人)と比較すると1/3程度となっています。感染者数の増加に対して死者数が1/3に抑えられている要因はワクチン接種を行っているためと解釈できます。
2021年8月20日時点で、イスラエル政府の発表によると12歳以上のイスラエル国民のうち78%が2回のワクチン接種を終えている状況でありながら、人口100万人あたり毎日650人近くの新規感染者が発生している状況です(イスラエル人口は930万人です)。新規感染者のうち半数以上が2回のワクチン接種を終えた人であることから、デルタ型の感染力の強さが際立っているといえます。
MHS研究部に所属する医師(Tal Patalon)の見解では、イスラエルは世界に先駆けて2021年1月にワクチン接種を開始したわけですが、1月にワクチンを接種した人は、4月に接種した人と比較すると感染リスクが2.26倍高くなることが示されたと調査報告をまとめています。
上記の報告と過去にファイザー社からの報告は合致しており、ワクチンの効果は接種から半年ほどで減弱していくことを意味していると思われます。
イスラエル政府は2021年8月1日より60歳以上を対象として3回目のワクチン接種を開始していますが、先日よりその対象者を50歳以上のイスラエル国民へ拡大しました。2021年8月16日時点で100万人近くのイスラエル国民が3回目のワクチン接種を終えたことになります。
☆:ファイザー・バイオンテック社が3回目の接種(ブースターショット)の臨床データを米国食品医薬品局(FDA)へ提出しました。(2021/8/16)
2回目のワクチン接種を終えてから8~9カ月後の被験者を対象として、30㎍(1回目・2回目と同じ量)の追加接種を行った結果、3回目の接種を終えたグループは新型コロナウイルス(野生型)だけでなく、感染性の高いデルタ株に対しても、2回接種者と比較して、有意に高い中和抗体が体内にできていることが確認されたとしています。
(世界保健機関WHOは世界の人口の多くが1回目のワクチン接種さえ受けていない状況であるため、3回目のワクチン接種は控えるように訴えています)
イスラエル保健省が開示したデータによると、3回目のワクチン接種を終えた60以上の方は、2回接種の方と比較して、コロナ感染による入院リスクが半減したという予備データを開示しています。
具体的には、14万9144人を対象としてファイザー社のワクチンを3回接種した場合、2回接種者(67万5630人)と比較して86%の有効性を報告してます。
また3回目のワクチン接種を終えた4500人以上の被験者の副作用報告によると、副作用発現状況は2回目接種と比較して悪化はない、場合によっては軽いと報告されています。
上記内容を踏まえて、イスラエル国民にとってのコロナ対策は?と問われますと「半年に1回、最新のワクチンを打ち続けること」という回答になってしまいそうで恐ろしいです。
イスラエル国は新形コロナウイルスに対して、臨床データがない戦いをしている国であり、イスラエル保健省の開示データをもとに、ドイツやアメリカも3回目のワクチン接種に着手する方針を打ち出しています。
では、最後に今週のイスラエル国民の年代別感染者数を確認します。
2021年8月14日時点において、0~19歳お感染者数が一番多く、次いで60~79歳、80歳以上という順番で新規感染者数が増えている状況です。
この年代別感染者数の人数推移データは、2021年8月14日のデータです。ページトップに記した「イスラエルの感染者数データ」は2021年8月19日のデータです。最新データで5日間のズレがあります。
この5日間でイスラエル国内の感染者数は増加の一途をたどっていますので、8月1日から60歳以上を対象として3回目のワクチン接種を行っており、接種から3週間後に体内の抗体量が増えると考えたとしても、感染者数の伸びに歯止めがかからないように思われます。
引き続き週に1回、最新データを確認していく予定です。
2021年8月15日時点におけるワクチン先進国イスラエルでの感染状況を確認しました。
新規感染者数は2021年8月13日時点で、週平均5000人を超えており、2020年12月末のワクチン接種開始前のピーク(週平均8000人)と比較して60%にまで上昇しています。
2020年12月に関しては、その後にワクチン接種が開始され、急速に感染者数が減少した経緯がありました。
現状については、2021年8月1日から60歳以上の被験者を対象に3回目のワクチン接種(ブースターショット)が開始されました。ワクチン接種後、体内に抗体ができるまでには3週間ほどの期間を要しますので、8月末以降に60歳以上の方の感染者数が減少するかどうかがポイントとなります。
2021年8月15日時点における年齢別感染者数の割合は以下の通りです。
感染者の重症例報告に関して、イスラエル政府の報道によると、
60歳以上のワクチン未接種者が重症となる割合は10万人あたり85.6例
60歳以上でワクチンを2回接種した方が重症となる割合は10万人あたり16.3例
ワクチンをうたなければ5倍以上の割合で重症化することが報告されています。
60歳未満の方に関しては、ワクチン未接種者が重症化する割合は1.4例
60歳未満の方でワクチンを2回接種後に重症化する割合は0.5例
とされており、ワクチンをうたなければ2.8倍の割合で重症化することが報告されています。
2021年8月1日からイスラエルでは60歳以上の国民に対するブースターショット(3回目のワクチン接種)が開始されました。
これに続きドイツ・スウェーデン・英国でも9月以降に3回目のワクチン接種が予定されています。
(日本では2022年に3回目のワクチン接種をするかもしれないと大臣が発言しています)
・イスラエルにおける新たな感染者数:平均3100人/日(2021年8月6日時点):2021年1月ピーク時の30%程度の人数です
・イスラエルにおける死亡者数:平均7人/日:2021年1月ピーク時の10%程度の人数です
・イスラエルにおけるCOVID入院患者数:平均500人/日:2021年1月ピーク時の45%ほどの人数です
上記のデータを見る限り、国民ワクチン接種率が60%のイスラエルでさえ、新型コロナウイルス感染が拡大していることがわかります。
感染拡大(ピーク比30%)・入院患者数(ピーク比45%)と徐々に拡大していますが、死者数に関してはピーク比10%程度に抑えられています。
この背景にはワクチン接種により重症化例が少ないことや、若年者感染が多い事、また迅速な医療体制が背景にあるかと思います。
イスラエル保険種によると、60歳以上の25万人以上の方がブースターショット(3回目ワクチン接種)を摂取したとしています。(イスラエル国民の2%程度)
デルタ株の感染拡大をうけてイスラエル政府は2021年8月8日から
「ワクチンを接種したかどうか」「コロナ感染から回復し方どうか」「過去72時間以内に新型コロナ感染が陰性であったかどうか」を示す
”グリーンパス”を屋内・屋外のイベントに参加する際に必要というルールを設けました。
さらに、100人以上が参加する野外イベとではマスクが必要というルールも設けています。
他国に先立って、2020年末から2021年初めにワクチン接種したイスラエルでは、ワクチンの効果が低下している可能性があり、ブースターショット(3回目ワクチン接種)を行うことで、どの程度感染率が低下するかが今後の焦点となります。2021年8月末から9月中旬には、ブースターショットを終えた被験者の体内に抗体がつくられますので、コロナ感染が縮小されればと祈っています。
尚、全世界のワクチン接種状況を見てみると、世界全体でワクチンを2回接種した人の割合は2021年8月時点で約15%、1回以上ワクチンを接種した人の割合は約30%にとどまっています。
WHOの見解としては、世界のワクチン供給の不均衡が生じているため、少なくともブースターショット接種に関しては9月末まで見合わせるよう要求しています。
一方で、イスラエル政府は、現在治験中段階にあるブースターショットを、治験に先駆けてイスラエル国で実施している実情についてい「世界に大きく貢献している」と2021年8月5日に主張しています。
新型コロナウイルス”デルタ株”の感染拡大が広がるイスラエルでは、政府が「60歳以上を対象にファイザー社ワクチンの3回目接種を8月1日より実施する」と感染拡大を防止するための対策を表明しました。
国民の60%がワクチン接種をおえているイスラエルの7月末時点における現状を記します。
2021年6月までは1日に平均感染者数を10~20人程度にコントロールしていましたが、2021年7月に入り感染が拡大し7月末時点では1日平均感染者数が1700~1800人程度まで増加しています。
年齢層別感染者の割合としては「0~19歳」が最も多く、次いで「60~79歳」、「80歳以上」という順になっています。
入院患者数に関しても増加傾向にあり、6月時点では50人前後であったが、7月末時点では270人程度まで増加しています。
1日死者数に関しては2021年6月~2021年7月末まで、平均死者数は0~2人の間で推移しており、大きな変化はありません。
この実情を踏まえますと、「デルタ株の感染は広まっているものの、ワクチン2回接種者や若者での感染が多いため、重症化する例はそれほど多くない」と解釈できるかもしれません。
ではなぜ、イスラエル政府がファイザー社の臨床試験結果を待たずして「3回目のワクチン接種の実施」を決めたのか。
その理由は「ワクチン接種から半年が経過して効果が減弱しているため」です。
ファイザー社はワクチン接種と時間経過に関して「ワクチンの有効性について、接種から4~6カ月経過すると、その有効性は84%に低下した。2カ月ごとに6%低下した」ことを2021年7月28日に公開しました。
イスラエルでは2020年12月末から1回目のにワクチン接種を開始しています。上記のワクチン有効性低下率から推測すると、イスラエルにて最初にワクチン接種を行った方は2021年7月末時点での有効性は70%まで低下していることが示唆されます。イスラエル保健省は、イスラエルにおけるファイザー社ワクチンの有効性について2021年7月時点で「39%」と公表しています。
以下にファイザー社のワクチン接種と時間経過に関するデータを記します。
ファイザー社のワクチンは接種後2~4カ月がピーク。その後は2カ月で6%減弱
被験者:2020年10月15~2021年1月12日にファイザー社ワクチンを2回接種した4万2094人を対象としたデータです。
ワクチン接種後の有効性について(カッコ内が有効性を示しています)
1回目のワクチン接種後11日以内:18.2%
1回目のワクチン接種後11日目~2回目接種前まで:91.7%
2回目ワクチン接種後から7日以内:91.5%
2回目のワクチン接種から7日以降:91.2%
2回目のワクチン接種後7日目~2カ月以内:96.2%
2回目のワクチン接種後2カ月経過~4カ月経過:90.1%
2回目のワクチン接種後4カ月以降:83.7%
上記のデータを見ると、2回目のワクチン接種から4カ月を経過すると、感染予防率(ワクチン有効性)が80%まで低下することがわかります。
イスラエル政府はこの報告をうけて「2回目のワクチン接種から少なくとも5カ月が経過した60歳以上の市民に対して、3回目のワクチン接種を開始する」ことを発表しました。
3回目のワクチン接種に関しては現在ファイザー社が治験を行っているものの、臨床データは公開されておりません。2021年9月に61歳の誕生日を迎えるアイザック・ヘルツォーク大統領が7月30日に、まず最初のブースターショット(3回目のワクチン接種)を行っています。
イスラエル政府がどの程度のファイザー社ワクチンを入荷できるかは不明ですが、ワクチンの有効性・持続時間だけを考えるのであれば、90%以上の有効性を維持するためには半年に1回のワクチン接種が必要になる計算となります。まずは3回目のワクチン接種を60歳以上に行った場合の有効性・安全性についてデータをフォローしていこうと思います。ワクチン接種から2~3週間で体内での抗体価が上昇することを踏まえますと、8月~9月時点におけるイスラエルでの「60~79歳」感染者数がどの程度減少するかという点が、3回目ワクチン接種後の有効性の指標になるか私は考えます。
2021年7月28日、ファイザー社は決算報告会議にて3回接種によりデルタ変異株への中和抗体価が大幅に増強されるデータを公表しました。
2回接種後6~12か月後以内に3回目のブースター接種を行ったデータについて被験者(18~55歳:11名、65~85歳:12例)を対象に行った臨床データによると、デルタ株への中和抗体価は2回接種と比較して、18~55歳では5倍以上、65~85歳では11倍以上に上昇したと報告しました。
ファイザー社の抗体は2回接種から6か月以上経過するとワクチンの有効性が低下し始めるため、2回接種から6カ月以上経過した段階でに3回目のブースター接種が必要になる可能性が高いと述べています。
毎週日曜日、ワクチン先進国であるイスラエルでの新型コロナウイルス感染状況をフォローしています。
世界中で、新型コロナウイルスのデルタ株が蔓延していますが、ワクチン先進国の「イスラエル」における、年代別の感染状況を確認してみました。
年代別の感染状況を見るにあたり、比較データがあればわかりやすいと感じましたので、ワクチン接種を行う前(2021年1月)に感染拡大した第3波のデータと現在のデルタ株感染状況を比較してみます。
私の個人的な知見ですが、このデータからわかることは、1回目のワクチンを接種して3週間が経過した段階で体の中には抗体がつくられますので、1回目のワクチン接種を終えた高齢者を中心に新規感染がみるみる低下しているということです。0~19歳、20~39歳のグラフを見ると2月上旬に新規感染者が軽度に増加しているものの、ワクチン接種を終えたであろう高齢者ではそのようなピークは見られません。
以上のことから、ワクチン接種が新規感染者を大幅に減少させていることが示唆されます。実際、2021年3月以降にイスラエルにおける新規感染者は非常に減少していきます。
では、次に2021年7月3日時点における年代別感染状況を確認してみます。
2021年6~7月デルタ株感染状況を確認してみると、0~19歳の感染者数が一番多く、次に60~79歳の感染者数が増加しています。
イスラエル政府はデルタ株が若者で感染拡大を広げていることを受けて、12歳以上の若者を対象にワクチン接種を行う方針を示し、現在実行中です。
以下は、私個人的な知見です。
おそらく、10代に対するワクチン接種が広まれば、0~19歳の新規感染者数はある程度収束するかと思います。
では、「60~79歳」の伸び率はどのように食い止めればよいでしょうか。デルタ株の感染拡大は、既にワクチン2回接種を終えている「60~79歳」をどのように抑え込むかです。
ここで、少し話題を変えます。
イスラエルでは2021年5月~7月3日までの2カ月間において、新型コロナウイするによる平均死者数は0~1人となっており、死者数を非常に低く抑え込んでいます。
その背景としては、もちろん感染者数が非常に少なかった(1日平均50人前後)こともさることながら、感染者の多くが0~19歳と若者中心であり、感染後の重症化が非常に低かったことも要因として考えられます。一つの考えですが、ワクチン接種ができない若者を中心に、一定数の感染者数は出てしまうものの、「重症化せずに快方に向かい、死者数はでない」という状況はコロナとヒトが共存すう姿だったのかもしれません。
しかし、デルタ株の出現により「0~19歳」に加えてワクチンの2回接種を終えた「60~79歳」の感染者数が増加しています。
私の個人的な着目点ですが、
”「60~79歳」の死者数が伸びなければよい”
という知見で、この先1~2週間の状況を見ていきます。
0~19歳は感染しても重症化しにくい。という実態があるように、「2回ワクチン接種を行った60~79歳」についても感染しても「重症化しにくいために死者数は増えない」
という状況が確認できれば、コロナウイルスとヒトとの共存に近づけるかもしれません。
引き続き、上記の考察が、この先1~2週間後に、どのような結果となるかフォローを続けます。
上記の図をは2021年1月~7月までの期間における、イスラエルのワクチン接種率と新型コロナウイルス新規感染者数のグラフです。
グラフの緑色の部分がワクチン接種率、青線部分が新規感染者数を表しています。
2021年7月8日時点でワクチンを2回接種した人の割合は57.3%となっております。
図ではワクチン接種率のパーセンテージは記載されておりませんが、2021年3月に入り、ワクチン2回接種率が40%を上回り、それに伴って新規感染者数(青線グラフ)がグイグイと下がっていることがわかります。(ワクチン接種から3週間後に体内に抗体ができます。)
概算ですが、ワクチン接種者が50%を超え、3週間が経過した当たり(4月中旬)に新規感染者数が非常に低くなり、現在に至っています。
イスラエルでは、2021年4月から5月にかけて、新規感染者数が2桁で推移していたのですが、7月に入り1日感染感染者数が500人台に到達しています。新規感染者数増加の理由は日によって情報が少しずつアップデートされており、単発的な新規情報をくみ取って、その情報のソースを調べている状態です。
理由Ⅰ:ワクチン接種を行っていない10代でデルタ株が感染拡大しているため
6月18日以降、イスラエル複数の学校でクラスターが報告されています。
この状況に対して、イスラエル政府は10代へのワクチン接種を開始しています。
ファイザー社のワクチンは12歳~接種可能なのに対して、モデルナ社のワクチンは16歳以上でないと接種できないルールがあることに加えて、イスラエル政府が保管しているファイザー社のワクチンが7月で期限切れとなるため、ファイザー社のワクチン接種が先送りとなる見通しです。そのため、10代へのワクチン接種は思うようには進んでいないようです。
イスラエル政府は若者のたまり場であるビーチサイドにてワクチン接種会場を臨時で設けて、ワクチン接種を促しています。
理由Ⅱ:ワクチンを2回接種した人でも42%が感染している
イスラエル政府の報道によると、現在感染拡大を続けている「デルタ株」「デルタプラス株」について、新規感染者数の42%が「ワクチンの予防接種を2回終えた人である」という報道を行いました。
ファイザー社のワクチン有効率が95%→60%台に低下したとも報道しています。
この件については、追加情報・臨床データを見つけることができず、あくまで「報道・発表」レベルですので、信ぴょう性については、引き続き開示されるであろうデータをフォーローする必要があります。
イスラエルでの感染拡大について、理由Ⅰであれば、3週間後には鎮静化されると私は思います。一方で理由Ⅱであれば、今後急速に感染が拡大していくことが予想されます。
今後イスラエル政府からの報道を見るにあたり、一つの目安となるのは
「感染者の平均年齢」です。
新規感染者が「ワクチンを打っていない若者(10代)」であれば、ワクチン接種にしたがい鎮静化されるでしょう。おそらくはイスラエル国内における新規感染者数は再び2桁台に収束されると思います。
「平均年齢が高い」場合は要注意です。ワクチンを2回接種した人でも関係なく、新規感染することが示唆されます。
2021年7月時点では、ワクチンを2回接種することが最善の防衛策であり、それを超える手段としては「抗体カクテル」を注射すること?くらいしか浮かびません。
ファイザー社が新規ワクチンおよび3回目の予防接種をFDAに申請していますが、認可されるには時間がかかりそうです。なにより、ファイザー社のワクチンが手に入りません。
このような状況を考えると、ワクチン先進国であるイスラエルの状況というのは、今後の日本および世界の近い未来を示唆しているように私には思えますので、経時的フォローしていく考えでおります。
2021年7月10日時点、新型コロナ感染ではデルタ株が広がりを見せていますが、米国の疾病管理予防センター所長の会見によると、
「直近数カ月の米国各州で得られた予備データでは、新型コロナ感染で死亡した人の99.5%がワクチンを一度も接種していない人であったことが示唆される」と述べました。
ワクチン接種を受けていない人は、特に感染性の高いデルタ株からの影響を受けやすく、重症化や死亡リスクが高いと報道しています。
米国では2021年7月時点でワクチン接種率が55%となっていますが、ワクチン接種率が低い群では患者数や入院数が増加している実態があります。予防接種率が低い173の群では米国平均の3倍の感染者数が報告されています。
ワクチン接種率が60%を超えているイスラエルの報告では、2021年5月2日~6月5日までの期間における、ワクチンの有効性率は94.3%であったのに対して、イスラエル政府がコロナウイルス制限を解除して「マスク着用が不要」と宣言して以降、6月6日~7月上旬までの期間に関してはワクチンの有効性が64%に急落したとイスラエル政府がコメントしています。
さらにイスラエル保健省は「ファイザー社のワクチンの有効性はワクチン接種後6カ月で低下し、デルタ変異株が国内で主流な変異株になりつつある」とコメントしています。
結果的には、「マスクをはずしてよい」というイスラエル政府の政治方針が時期尚早だったという解釈もできますが、私としてはデルタ株の感染力の高さがイスラエル政府の予想を上回ったと解釈しています。
デルタ株に対する対抗手段として「ファイザー社」は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の必要性について言及し、米国食品医薬品局(FDA)に対して、3回目の接種に関する承認申請を行うことを発表しました。
2回接種と比較して、3回接種を行うことで「ベータ株」に対する抗体レベルが5~10倍高くなることが進行中の臨床試験初期データで示されたとしています。3回目のワクチンを接種する時期に関しては、2回目のワクチン接種をおえてから6~12カ月以内に接種するとしています。
更に、デルタ株に特に効果があるワクチン(ブースターショット)を開発中としており、2021年8月には臨床試験を開始する予定としています。
ファイザー社が「デルタ株ワクチン」ブースターショットを開発へ
2021年7月時点における「新型コロナウイルス感染症の“いま”」(厚生労働省)
以下は私の個人的な見解です。
ワクチンをたくさん作って、世界中に配布することで「全世界で新型コロナに対抗しよう」としてワクチン開発がすすんでいるわけですが、結果的にはワクチン先進国の米国・イスラエルにて「感染力の非常に高いデルタ株」が広まりつつあり、「3回目のワクチンを打ちましょう」「デルタ株ワクチンを急いで作ってます」という流れとなっています。まさに「ワクチンの漆塗り」、ワクチンにワクチンを塗り重ねていかなければならない状態です。
当初は「米国民の60~70%がワクチンを2回接種すれば「集団免疫」を獲得できるので、コロナに打ち勝つことができる」と考えられていたわけですが、現時点ではワクチンを打っていない人を中心として「強力なデルタ株」が広がりつつあり「ワクチン3回目を打った方がいいかも」という流れになりつつあります。
こうなってくると、米国・欧州でのワクチン需要がさらに高まりますので、ワクチンを生産できない日本には「ファイザー社・モデルナ社」のワクチンが入荷できないことになります。(←ここが2021年7月10日時点と私は考えています)
2021年7月8日時点では、「デルタ株」「デルタプラス株(デルタ株より変異した株)」がイスラエルにて感染拡大を広げており、新規感染者のうち42%が「ワクチン接種を2回終えている人」であると報道されていることから、既存のワクチンでは感染リスクを軽減できないのでは?という可能性が示唆されます。
(イスラエル政府はワクチンの効果が95%→60%に減っているとコメントしています)
さて、どこまで「ワクチン」を打ち続ければよいものか。
イスラエルの速報を見る限り、ワクチンを2回接種しても「新型コロナのデルタ株・デルタプラス株」に対しては60%程度しか有効性が見出されておりません。
米国で「新型コロナ感染症で死亡した人の99.5%はワクチンを1度も打っていない人でした」(1カ月前のデータ)
と報道がありましたが、これは1カ月前のデータです。2021年6月の時点では「ワクチンを2回接種すれば95%の確率でコロナに感染しない」という状況でしたからね。
最新の情報は常に更新されており、「ワクチン接種有無による1カ月間の死亡率の違い」は、既に過去のデータである可能性すらあります。
それほど、新型コロナウイルスの変異・進化の速度が速いことが示唆されます。
ワクチンを打つことの有益性・意義が時間経過とともに相対的に薄れてきているようにも見て取れますが、ワクチン接種をするのであれば「今後とも接種し続ける」ことが求められるように思います。
2021年2月17日~6月18日までの期間でワクチン接種後に死亡した人数:355人
死亡者内訳
90代:93名
80代:139名
70代:68名
60代:34名
50代:6名
40代:8名
30代:3名
20代:4名
10代:0名
日本国民を対象として、新型コロナワクチンを接種したくない人の特徴が調査されました。
2021年1月時点、世界的にワクチン接種が開始された段階においては37.9%の方が「ワクチンを接種したくない」と報告されていました。2021年当初はワクチンが開発された直後であり、ワクチンの有効性と安全性に対する懸念が払しょくされておりませんでした。そのため37.9%の方がワクチンを接種することを躊躇すると報告していました。
では2021年6月時点で、同様の調査を行った結果は?と言いますと11.3%の方が「ワクチンを接種したくない」「ワクチン接種を躊躇する」と回答しています。世界的なワクチン接種の増加数および新型コロナワクチンの減少報告を受けて、
ワクチンを接種したくない→ワクチン接種したい
へ考え方を変更した方が26.6%増えたことになります。
国民の7割程度がワクチン接種を行うことができれば集団免疫を獲得できると考えれられていますので、約9割の方がワクチン接種に前向きである現状は新型コロナ感染防止に関して有益なデータと考えます。
では、ワクチン接種を躊躇する(ワクチンを接種したくない)と考える理由
第一位:「副反応が心配だから(73.9%)」
第二位:「効果があるとおもわないから(19.4%)」
第三位は:ワクチン接種をする時間がない(8.8%)」
でした。
さらに、「ワクチン接種をしたくない」と考える11.3%について、年齢・性別ごとに比較したデータによると
15~39歳女性:15.6%
15~39歳男性:14.2%
40~64歳女性:13.2%
40~64歳男性:10.6%
65~79歳女性:7.7%
65~79歳男性:4.8%
という順になります。
ワクチン接種後の副作用報告を見てみると、「女性」で発症しやすい、若い人ほど発症しやすいという報告がなされていますので、
「副反応が起きやすい群」ほど「ワクチン接種を躊躇する」という実態が明らかとなっています。
実際、ファイザー社のワクチンを接種した医療従事者2万人を対象した健康調査によると
接種後に37.5度以上の発熱があった割合は
20代:50%以上
30代:46%
40代:38%
50代:30%
65歳以上:10%
と世代があがるにつれて、副反応が減少することが報告されています。また上記リスクは男性に比べて、女性で多く見られることが報告されています。
そ
国民の57%が新型コロナワクチンの予防接種を終えているイスラエルにて、インド由来の新型コロナウイルスデルタ株の感染拡大が子供を中心に広まっているニュースがNHKで放送されていましたので、そのあたりの詳細を調べてみました。
イスラエルでは16歳以上の国民の57%がワクチン接種を終えています。
2回目のワクチン接種を終えてしまえば、デルタ変異株に対して60~88%の予防効果があるという研究データがあります。
イスラエルは5月1日時点で国民の55.8%がワクチン接種を完了しており、1日の平均感染者数が2桁で推移していました。6月1日以降はイスラエル国内における新型コロナウイルスに関する各種規制をすべて解除すると発表し、6月15日には室内でのマスク義務着用指針を解除していました。
ワクチン先進国として、イスラエルが新型コロナウイルスの封鎖に成功しているように思われます。しかし、マスク解除から数日後、6月18日にモディーンの学校で10人の感染が確認され、6月19日にはビンヤミナの2つの学校で40人ほどの集団感染が確認されました。いずれもデルタ変異株への感染でした。その後6月21日に新規感染者が100人を超え、6月24日には新規感染者が228人にまで増えました。
感染拡大を受けて、イスラエル政府は6月25日、室内でのマスク着用義務化および屋外での大規模イベントでもマスクを着用するよう指針を変更しています。さらに小児への感染が拡大したことを受けて、ワクチン接種が進んでいない12~15歳への接種を促すことを表明しています。
上記がイスラエル国内における新型コロナウイルスおよびワクチン接種状況を踏まえた現状です。
私の個人的な感想を下記します。
イスラエル国内にて、ワクチンを受けていない小児が感染率の高い“デルタ変異株”に感染しています。当初、新型コロナは大人が感染しやすく、子供は感染しにくいといわれていました(コロナが感染するために必要なACE2受容体の発現量が小児で低いため)。
しかし、大人のワクチン接種率が高いイスラエルでは、大人への感染率が低い代わりに、小児の感染率が上昇しています。コロナウイルスの立場で考えると、抗体を持っている大人より、抗体を持っていない子供をターゲットに切り替えた方がイスラエル国内にて生き残る確率が高いという感じでしょうか。
今後、イスラエルでは12~15歳のワクチン接種が行われますので、おそらく2カ月後には、11歳以下のワクチン未接種の小児がコロナウイルスのターゲットとなるのではないでしょうか。幸いにして大人とくらべて小児では重症化するリスクが低いといわれています。
(30代の重症化リスクを1とすると、10歳未満は0.5と報告されています)
ワクチン接種の年齢制限が12歳以上である実情を踏まえますと、すさまじいスピードで変異を遂げている新形コロナウイルスに小児が対抗する手段はいまのところありません。
また、新型コロナウイルスの変異スピードを振り返ってみると、当初拡大していた「イギリス株」に対して、ファイザー社のワクチンは9割程度の予防効果があると報道されていましたが、現在流行しているデルタ変異株についての予防効果は60~88%程度と低下しています。
新規のウイルス株に対して、既存のワクチン予防効果がUPすることは考えにくいことを踏まえ、トータル的に今後の状況を考えるのであれば
・全国民・全年齢を対象としたワクチンの承認
・新規ワクチン開発の継続
・マスク解除は難しい
・アルコール消毒の徹底
・感染拡大対策の維持
などを継続していることが求められると感じます。