後発医薬品の数量シェア80%を目指す厚生労働省は、平成30年9月診療における国民健康保険請求分について、保険者別の後発医薬品使用割合を初めて公表しました。
全国平均は72.5~73.5%程度となっており、厚生労働省が目指す数値にあと一歩という感じでしょうか。今回公開されたデータの作成意図がどこにあるかはわかりませんが、データがエクセルで公開されていましたので、後発医薬品の使用率が少ない順番に並べてみて、上位に医師国保がどの程度はいっているか確認しました。
高知県医師国民健康保険組合:36.4%
青森県医師国民健康保険組合:47.0%
徳島県医師国民健康保険組合:47.9%
山梨県医師国民健康保険組合:49.2%
香川県医師国民健康保険組合:49.2%
神奈川県医師国民健康保険組合:51.5%
佐賀県医師国民健康保険組合:53.5%
北海道医師国民健康保険組合:53.6%
東京都医師国民健康保険組合:53.6%
開示データの上位30位以内に、医師国保が9つ入っていました。特に四国の医師国民健康保険組合の後発医薬品数量シェアが低いことがわかりました。(上記にはありませんが、愛媛県医師会:54.7%(35位))
また、企業ごとの健康保険組合についても、それぞれの後発医薬品数量シェアが記されていましたので、製薬会社の後発医薬品数量シェアを確認してみました。
製薬会社勤務職員やその家族は自社製品の売り上げのために先発医薬品を使用する割合が高いのかなぁと予想しながら、企業ごとの健康保険組合のデータを後発医薬品数量シェアの少ない順番で並び替えてみたところ、上位30位あたりまでを先発医薬品メーカーが占めていました。
大日本住友製薬健康保険組合:56.7%
持田製薬健康保険組合:56.7%
アステラス健康保険組合:57.0%
第一三共グループ健康保険組合:57.1%
小野薬品健康保険組合:57.6%
塩野義健康保険組合:57.8%
田辺三菱製薬健康保険組合:58.2%
エーザイ健康保険組合:58.8%
バイエル健康保険組合:59.0%
中外製薬健康保険組合:59.3%
キッセイ健康保険組合:59.8%
アストラゼネカ健康保険組合:60.0%
杏林健康保険組合:60.0%
ファイザー健康保険組合:60.5%
武田薬品健康保険組合:61.3%
ノバルティス健康保険組合:61.4%
協和発酵キリン健康保険組合:61.5%
サノフィ健康保険組合:61.6%
アボット健康保険組合:61.6%
グラクソ・スミスクライン健康保険組合:62.0%
日本イーライリリー健康保険組合:63.1%
大塚製薬健康保険組合:63.5%
日本新薬健康保険組合:63.7%
科研製薬健康保険組合:64.8%
大正製薬健康保険組合:65.0%
厚生労働省では毎年度2回、保険者別の後発医薬品の使用割合(数量シェア)をとりまとめ、公表しています(平成30年9月診療分から)と記されていますので、厚生労働省の狙い通り後発医薬品数量シェアがUPするかどうか、このデータの公開が後発医薬品数量シェアのUPに寄与するというあたりがポイントでしょうか。