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日本人のアルツハイマー病患者さんを対象としたメマリー錠の効果について

日本人のアルツハイマー病患者さんを対象としたメマリー錠の効果について

 

中等度から重度のアルツハイマー病患者(日本人)を対象としたメマリー錠の有用性について報告がありました。(Expert opinion on pharmacotherapy/2018年3月6日)

 

対象:中等度~重度のアルツハイマー型認知症患者633名

 

メマリー20mg/日服用群:318例

プラセボ服用群:315例

中等度から重度のアルツハイマー患者さん(日本人)を対象としたメマリー錠の効果について

上記のの割合でランダムに振り分けて24週間(約半年)服用した時の臨床試験結果を報告しています。

 

評価項目

SIB-J:認知症変化印象尺度

認知機能を評価するための検査であり、社会的相互行為、記憶、見当識、注意、実行、視空間能力、言語、構成、名前への志向の9項目から構成されています。患者との面接により評価を行います。得点の範囲は100~0点(正常→重度)となっています。

若年性認知症を対象としたメマリーとレミニールの効果に関する症例

CIBIC plus:患者および介護者との面接により全般的な臨床症状の変化を評価するための検査です。状態のあらまし、認知機能、行動、日常生活動作能力の4領域の患者の状態を、「1.大幅な改善」→「7.大幅な悪化」及び「判定不能」で評価します。

 

BEHAVE-AD:介護者等の情報をもとに認知症における行動・心理症状を評価するものです。情報をもとに7つの解釈度25項目について0~3まで4段階で重症度を評価します。

結果

 

メマリー20mg/日服用群とプラセボ服用群を比較して、認知機能悪化の減少をオッズ比で評価しています。

 

SIB-Jのオッズ比:0.52

CICIC plusのオッズ比:0.53

BEHAVE-ADのオッズ比:0.53

いずれも有意差をもってメマリー服用群が50%程度の認知機能悪化減少を示しています。

 

筆者らは「メマリーを服用することは、でアルツハイマー型認知症の認知機能改善だけでなく、行動・心理症状を改善する治療選択肢となりうる」とまとめています。

 

ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業