武田テバファーマ株式会社はフェノフィブラート錠「武田テバ」の出荷調整を発表しました。
リピディル・トライコアのジェネリック医薬品として2017年12月に武田テバ1社だけから発売されたフェノフィブラート錠「武田テバ」が、販売開始から3ヶ月で早くも欠品となります。
厚生労働省のNDBデータによると高脂血症用剤の中でリピディル錠の使用量はクレストール、ゼチーア、リピトールに次ぐ第4位となっており、リピディル80mgとトライコア80mgの年間合計使用量は1億7000万錠以上です。リピディル53.3mgとトライコア53.3mgとの合計でも5000万錠以上が年間で使用されています。(院内・院外処方の合計)
これほど使用されている先発医薬品に対するジェネリック医薬品を武田テバが1社で請け負うことは2017年12月時点で予想はされていました。昨今のジェネリック医薬品推奨という背景を受けて、新規で発売されたジェネリック医薬品は、発売後1~2ヵ月間で40%以上が代替調剤として後発品へ置き換わる時代となっています。今回の欠品は、本質的な武田テバの見込みが甘さが原因と言えるでしょう。
「武田テバの出荷調整に関するお知らせ」にも記されていますが、現場の我々として厳しい点は、GEの代わりに値段の高い先発品を代替品として患者様へお渡ししなければならない点です。負担金がUPするという事実を患者様へお伝えする仕事が増えます。
いいかどうかはわかりませんが、生活保護や上限金額が設定されている患者様を優先に先発品へ変更していき、先発品に戻すことで負担金が上がる患者様には在庫が有る限「フェノフィブラート錠80mg「武田テバ」を渡しつづ受けるという方法もあるかもしれません。
また、処方箋に「フェノフィブラート錠80mg「武田テバ」と記載されている場合は、先発医薬品へ変更するために疑義照会が必要となります。このあたりをスムーズにするために武田テバのMRには処方元への情報提供を迅速に行ってもらいたいものですが、武田テバのMRの人数は少ない印象があるので・・・厳しいかもしれません。
出荷再開は6月を見通しているということです。今回の出荷調整は需要に対して供給が間に合っていないための措置ですので、製造ラインは動いています。そのため発注された品目については不定期ながら納品されるということです。
以下、医療関係者各位宛の内容です。
高脂血症治療剤「フェノフィブラート錠53.3mg・80mg「武田テバ」の出荷調整について
謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。また、平素は弊社製品に格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、弊社が製造販売元である「フェノフィブラート錠53.3mg・80mg「武田テバ」につきまして、今般、当初の予想を大幅に上回る需要があり、特約店様に対して出荷調整をさせていただくことになりました。現在、生産スケジュールを前倒しして全社をあげて増産に取り組んでおりますが、欠品の可能性がありますので先発品への切り替えをご検討頂きたくお願い申し上げます。
この度は医療関係者の皆様に多大なるご迷惑をお掛けしますことを深くお詫び申し上げます。何卒諸事情ご賢察の上ご理解賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
出荷調整品
フェノフィブラート錠53.3mg「武田テバ」
PTP100錠、PTP500錠、500錠バラ
フェノフィブラート錠80mg「武田テバ」
PTP100錠、PTP500錠、500錠バラ