「処方箋がなくても病院の薬が買える」は不適切な表現である(20228/11)
10年ほど前までは、「処方箋なしでも病院の薬が買える」と看板に書いてある薬局は日本国内に数店舗しかありませんでした。しかし、ここ数年間で他の薬局との差別化を目的として「処方箋が無くても病院の薬が買える」とホームページ上に掲載している調剤薬局が散見されるようになりました。
処方箋医薬品以外の医療用医薬品に関しては、やむを得ず販売を行わなければならないときに、
1.必要な受診勧奨を行ったうえで
2.必要最小限の数量を
3.販売記録を作成すれば
販売することができるというルールがあります。
しかし、販売はあくまで「やむを得ない理由がある場合」に限ります。
ということで、厚生労働省は「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」の販売に関して「不適切な表現」の一覧を開示しました。以下に示します。
不適切な表現
薬局における処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売等は、やむを得ず販売等を行わざるを得ない場合に限られており、次のような表現を用いて、処方箋医薬品以外の医療用医薬品の購入を消費者等に促すことは不適切であること。
・「処方箋がなくても買える」
・「病院や診療所に行かなくても買える」
・「忙しくて時間がないため病院に行けない人へ」
・「時間の節約になる」
・「医療用医薬品をいつでも購入できる」
・「病院にかかるより値段が安くて済む」

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また、上記に限らず、やむを得ず販売等を行わざるを得ない場合以外でも、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を購入できるなどと誤認させる表現についても同様であること。
2022年8月5日に生労働省医薬・生活衛生局長 から「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売方法等の再周知について 」という名目で注意喚起がでましたので、各調剤薬局による”零売薬局”のアピール合戦は落ち着くのかもしれませんし、イタチごっとのように”零売”を暗に意味する”俗語”のような表現がでてくるのかもしれません。