大気中に浮遊している微粒子(PM)の濃度が高くなると、心血管リスクや呼吸器関連の死亡リスクが上昇することに関する具体的なデータを中国の研究チームが公開しました。
世界24か国652都市における1986年~2015年までの大気汚染データを収集し、PM10およびPM2.5の濃度を測定して、全死亡率、心血管リスク、呼吸器疾患死亡率について関連していることを記しています。
国名 PM2.5
ギリシャ:2.54%
スペイン:1.96%
カナダ :1.70%
アメリカ 1.58%
オーストラリア 1.42%
日本 1.42%
昨今では中国におけるPM2.5による大気汚染が話題となっておりますが、1986年~2015年までの平均的なPM2.5データを見ると、日本やアメリカにおける値が高いデータとなっています。
PM10(PM2.5よりも大きな浮遊微粒子)の前日と当日の移動平均濃度(2日移動平均濃度)が10μg/㎥増加するごとに全死亡率が0.44%、心血管疾患死亡率が0.36%、呼吸器疾患脂肪リ率が0.47%上昇することが確認されました。
PM2.5に関しても、2日以降平均濃度が10μg/㎥増加するごとに、全死亡率が0.68%、心血管疾患死亡率が0.55%、呼吸器疾患脂肪リ率が0.74%上昇することが確認されました。
PM濃度と死亡リスクとの関係については、多くの国と地域でPM10よりPM2.5の方がわずかに強いことが示されました。この理由としてはPM2.5の方が小さな粒子径であるため、空気と一緒に吸い込んだ際に肺の奥深くまで入り込むため、健康被害が大きいことが示唆されています。
598都市におおけるPM10の年間平均濃度は56μg/㎥
499都市におけるPM2.5の年間平均濃度は35μg*㎥