高血圧の予防を目的としたDASH食(野菜や果物、ナッツを多めに食べる)が米国の高血圧治療・予防の食事療法として推奨されていますが、食物繊維の量が増えると腸管からのガスの発生量が増して、腹部膨満感(おなかが張った感じ)の訴えが増えることが示されています。
それに加えて、食事の塩分摂取量が増えても腸管からのガスの発生量が増して、腹部膨満感の訴えが増えるというデータが公開されました。
健康成人412人を対象として食物繊維を多く含むDASH食(32g/d)または食物繊維をそれほど含まないDASH食(11g/d)に割り付けて、おなかの張った感じに関するデータ報告が行われました。その中で塩分摂取量に関して、食事のナトリウム量として(50、100、150nmol/d)とナトリウムの量を変動させたときの“おなかの張った感じ”についてもデータ収集が行われました。
結果
塩分摂取量が多い群は、少ない群と比較して27%ほど腹部膨満感(おなかの張った感じ)を訴える方が多いということが示されました。
また、食物繊維を多く含むDASH食を摂取することは、塩分量に関係なく腹部膨満感(おなかが張った感じ)リスクを41%高めるといことが示されています。
塩分摂取と腹部膨満感の関係についての詳細は不明ですが、塩分摂取が水分貯留を引き起こし、消化不良により腸管のガスが発生したのではないかと示唆しています。