2018年10月1日より生活保護受給者には原則としてジェネリック医薬品を使用することが生活保護法改正2018の医療扶助費の項目に盛り込まれることになりました。
厚生労働省より都道府県担当者への説明会が行われましたのでその資料を読んでみましたので以下に記します。
医師が後発医薬品の使用を認めた場合は「原則として後発医薬品が使用されること」
(例外)
医療機関に在庫が無い場合
後発医薬品が先発医薬品よりも高価な場合
医師等が後発医薬品の使用が可能と判断した場合は原則として後発医薬品が使用されることになることから、患者に対する使用促進指導は不要となる。
生活保護関係全国係長会議資料
原則「後発医薬品を使用すること」というルールができたとしても、やはり先発医薬品を希望する患者様はおられると思います。
その際の対応も記されておりましたので下記します。
生活保護受給者へジェネリック医薬品原則化(2018年10月1日横浜市)
・医師等が後発医薬品の使用を可能と判断しているにもかかわらず、先発医薬品の使用を希望する患者に対しては、指定医療機関において説明を行い、理解を求める。
・上記の指定医療機関による説明を受けてもなお先発薬品の給付を希望する患者に対しては、福祉事務所においても、制度について改めて説明を行い、理解を求めること。
患者さんに対する使用促進指導は不要となる(原則としてGEを使用する)というルールとなったものの、実際に薬を使用する患者さんの意向を重視する姿勢も求められることから、「計画の策定を求める予定」という文言が追記されています。
現時点での厚生労働省による情報開示は、ここまでですが、今後は医師会・薬剤師会等から具体的な対応・通知がでるかと思われますので、それを受けて調剤薬局での対応が吟味されるものと思われます。
追記
2018年9月18日、日本薬剤師会より「生活保護法による医療扶助運営要領について」の一部改正(案)及びリーフレットの送付についてという案件が公開されました。
日本薬剤師会「生活保護法による医療扶助運営要領について」の一部改正(案)及びリーフレットの送付について
追記
生活保護受給者へジェネリック医薬品原則化(2018年10月1日横浜市)
厚生労働省社会・援護局通知
0928第8号(平成30年9月28日)
原則として後発医薬品を調剤するよう努めなければならない→調剤するものとする。
自治体・民生主管部宛(社会福祉事務所宛)
患者の理由のみを理由として先発薬品を使用することがなくなる。先発薬品を調剤した上で福祉事務所から服薬指導を含む健康管理指導の対象とすることにより後発医薬品の使用を促進するという従来の取り組みは不要となる。
社会福祉事務所は生活保護受給者に対して後発医薬品が調剤されることになったことについて周知徹底を図ること。
(薬剤師による処方医への疑義照会により先発医薬品を調剤することになった場合を除く。先発品を調剤した場合は、その事情等を記録すること。その記録を定期的に福祉事務所へ連絡する必要が求められるかもしれません。)
生活保護者が同意しないため後発医薬品を調剤できないということはない。
自治体・民生主管部宛(社会福祉事務所宛)
~後発医薬品の給付について~
問:一般名処方をしているにも関わらず先発医薬品が給付された場合、診療報酬についてはどのように扱えばよろしいか?
回答:調剤記録等の閲覧による薬剤師の疑義照会の状況確認や後発医薬品の在庫の状況確認を適切に行うこと。その確認の結果、不適切な調剤があったことが確認された場合は、同指導の対象として差し支えなく、当該指定医療機関から診療報酬を返納させること。
問:どうしても先発医薬品がいいと主張する場合
回答:処方医と再相談して適切な対応を行うこと
問:先発医薬品の薬剤師(10割相当)を負担すると申し出た場合はこれを認めることは可能か?
回答:認められない(調剤のみを切り離して自己負担することはできない)
問:処方医へ連絡が取れない場合
回答:先発医薬品の給付を行い、事後的に福祉事務所へ報告すること
上記のような調剤薬局における具体的な対応が記されておりました。
先発医薬品の調剤が必要な場合は、処方医は必ず当該先発医薬品の銘柄処方をする必要がある。
後発医薬品の使用への不安等から必要な服薬ができない等の事情が認めらるときは、疑義照会により医学的知見に基づき先発医薬品が必要と判断すれば、先発医薬品を調剤することができる。