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SM配合散(SM散、つくしAM散、FK配合散)の疾患禁忌である甲状腺機能低下症について

SM配合散(SM散、つくしAM散、FK配合散)の疾患禁忌である甲状腺機能低下症について

SM配合散(SM散)の禁忌事項には
「甲状腺機能低下症の患者」という記述があります。

SM配合散(1.3g)に含まれてる沈降炭酸カルシウム(0.2g)が甲状腺機能低下症の患者さんが服用しているチラーヂンSとキレートを作成するため、チラーヂンSの効果が低下し、甲状腺機能低下症状が悪化するという理由で疾患禁忌となっているようです。(禁忌事項にチラーヂンSと記載しない理由は不明です)

一方でチラーヂンSの添付文書併用注意欄には鉄やアルミニウム、炭酸カルシウムなどの金属と同時服用により消化管内でチラーヂンと金属が結合しチラーヂンの吸収を抑制すると記載されています。

禁忌ではなく併用注意である理由は、同時服用しなければ金属キレートを形成しないためだと思われます。チラーヂンSを服用後4時間後に金属含有剤(プロマック、タンカル、鉄剤、イサロンなど)を服用する分には相互作用なく服用できることが示されています。

 

添付文書に記載はありませんが、チラーヂンSを販売している「あすか製薬学術」へ確認したところ炭酸カルシウム以外のCa製剤であるアスパラCaや乳酸カルシウムなどとチラーヂンSとの併用データはないため、チラーヂンSの効果が減弱するかは不明という回答を得ています。また牛乳を飲んだ後にチラーヂンSを服用することでの効果減弱についても不明です。

私の勤務する薬局ではSM配合散が頻用されています。お薬手帳で併用薬は常に確認していますので、他院からチラーヂンSが処方されている場合は注意喚起を行うことができます。しかし、甲状腺機能低下症と診断を受けていても、倦怠感、脱力感などの自覚症状がなく薬が処方されていない患者さんがこれまでに2名おりました。

 

SM配合散を初回お渡しするときに「甲状腺機能低下症」という診断を受けた方が飲めないケースがあるお薬ですと伝えると「薬は飲んでいませんが甲状腺機能低下症と言われています」という回答を得たことがあります。正直、SM配合散を飲んでも問題ないという思いと、保険ルール上は飲まないルールなんだよなーという思いが交錯し、なんだかなーと思った記憶があります。

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添付文書に疾患禁忌を記載することは大切ですが、SM配合散のように甲状腺機能低下症にともなうチラーヂンSを飲んでいることを前提として疾患禁忌と記載することは、少し説明が不足しているのではないだろかと感じました。

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ojiyaku

2002年:富山医科薬科大学薬学部卒業